行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

気の毒な元祖”事業仕分け人”

2009-12-01 00:28:55 | 国際・政治

 国家予算で行われている国家事業を、多くの国民の前に初めてその事業内容に関わる詳細を曝して精査するという、いわゆる事業仕分け作業が終わった。

 いままでの国家予算は、基本的にはその管轄省庁が事業を立案・計画し、そして予算化して、年度毎に財務省に予算を要求するという、全くお役所内部のやりとりだけで長年行われて来たのであった。

 その事業立案・予算化の段階で、当然その事業に密接に関わる企業や団体は、政治家を使ってその事業が国家予算で行われるように陳情したり、或いは、政治献金をしたりして、いわゆる政治圧力を省庁に掛けて貰うのである。

 この政治家達を、かつては族議員と呼んでいたのだった。そして、財務省で予算を削られたとしても、これら族議員からの再圧力が強ければ、その削除や削減された予算も復活したりしたものだった。

 その長年の悪しき習慣が、今年から突然消えて、おそらく史上初めてだろうと思える”事業仕分け”という名の公の場に曝させることに成功したことは、画期的以外の何者でもないと多くの国民は思ったことであろう。

 天下り官僚達への理不尽な高給を払うためだけとも思えるような無駄な国家事業が毎日明らかになって行くことで、高級官僚達の信用は完全に失墜したといえよう。

 勿論、技術の何も分からん連中が、未来への投資でもある、科学技術予算を削除したり廃止したりするのは、実にけしからんといった意見もあった。

 しかし、兎にも角にも長年の間、只々密室の中で官僚達と政治家達だけによって密かに決められて来た不明瞭な税金の使い道を、この事業仕分けによって、おそらく歴史上初めて白日の下に曝したことは、実に素晴らしい試みであったと、先ずは素直に評価して認めるべきであろうと思うのである。

 ところで、この事業仕分けに、極めて酷似した作業を、つい最近まで行っていたある政治家が居たのを皆さんはご存知だろうか?

 実は、あの自民党総裁選で敗れた、河野太郎氏なのである。

 彼は、特に、外務省管轄の無駄な事業について、ばっさばっさと切り捨てていたのである。その内容の一部は、彼のブログで逐一報告されており、私も時として読ませて頂いていたのである。

 その昔、汚職などの腐敗の元凶は、ほとんどが政治家であったのだが、ここ20数年はそのほとんどが役人である。それも、彼等は実に高い立法能力を持った集団であるから、この20数年の日本という国が衰退した最大の原因は彼等だと私は思っている。

 与党になった民主党の事業仕分けを見学した野党自民党の河野太郎議員が、その光景を見て大変羨ましがったと、どこかの新聞に書かれていたようである。

 河野氏の政治家としての資質は確かに素晴らしいものがあるのであろう。しかし、どうもお父上同様に政治運には恵まれていない様な気がするのは、果たして私だけの感想なのであろうか。

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コメント
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