ロミオとジュリエット効果(Romeo and Juliet effect)とは、恋人の親がその恋愛に反対して、2人の仲を引き裂こうとした場合、逆にその恋人同士の情熱が燃え上がってしまうなど、障害があった方が逆にその障害を乗り越えて目的を達成しようとする気持ちが高まる心理現象の事を言うらしい。従って、こういった情熱は概して冷めやすいとも言われているのだそうだ。
東京都行政書士会が主催する総合研修の第3回目の科目『社会心理学』の講師である国際基督教大学の篠崎三喜年教授のお話しを聴いて、何年ものあいだ疑問に思っていたことが、一気に解決したのである。
入管から在留特別許可を得るために、あれほど頑張って入管に何度も通い、何日も掛けて嘆願書を書き、何度も頭を下げて家族や友人から嘆願書を集めて回り、愛する外国人夫が強制退去処分になり日本から追い出され、二人が離れ離れにならないよう必死に頑張って来た日本人妻達だったのだが・・・。
しかし、その頑張り抜いた日本人妻と外国人夫との概ね3割ほどのケースが、なぜか数年以内に、まるで大事業を成し遂げた後の抜け殻のように、急速に冷めた関係になってしまっているのである。
なぜこういった現象が高確率で起こるのか、全く理解できなかったし、長い間ず~と不思議に思っていたのだった。しかし、実務上ではそうなる以前に永住許可を取得していたり、或いは、定住者資格への変更が認められたりしたケースが殆どであったので、敢えて深く考えたりはしなかったのである。
とはいえ、この不可思議な現象を『在特日配(日本人配偶者のこと)症候群』などと、私は勝手に命名していたのだったが・・・。ところがどっこい、社会心理学上は、こういった類型の心理現象に対して、ちゃ~んと『ロミオとジュリエット効果』という名称が付いていたのだ。
やはり、時々はこのようなアカデミックな講義を聴いて、学問的な見識を広げて行かねばならないようだ。