行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

子供の頃、母が語ってくれた納涼怪談話とは。

2010-08-23 07:38:56 | 旬なお話

 日中の連日の猛暑にも関わらず、8月も下旬となると、さすがに朝夕はいくらか凌ぎやすくなって来たような気がします。そして、気が付くといつの間にやら、夜になると虫の囁き声が聞こえ始めていて、秋が近いことを僅かながらに告げているようです。

 ところで、昭和30年代の前半、東京にエアコンがあった民家などは、まず無かった時代、夜は縁側の窓を開けて、蚊除けである萱(かや)を布団の上に釣り、蚊取り線香を焚いて、団扇で扇ぎながら寝ていたという東京が田舎のような頃の長閑な頃の話です。

 今よりもず~っと涼しい、とはいっても暑く寝苦しい夜は時々あって、子供だった私は、そんな時にお茶目で悪戯好きであった母によく怪談話を語って貰っていました。

 そんな母の話しぶりに、それこそ背筋が寒くなって、暑くて寝苦しい夜が一変して、逆に怖くて怖くて背筋が凍るように震えて上がって、暑さもすっかり忘れてしまった記憶があります。

 妻と離縁するために、今で言うところの不倫相手の父親と共謀して妻に少しずつ毒を飲ませるというお話し。その飲まされた毒によって、顔が醜く腫れ上がった上に、女の命である髪の毛が徐々に抜けて行き、ついには亡くなってしまうという、現代でもありそうな可哀想な妻お岩さんの話で有名な「四谷怪談」。

 奉公人であるお菊が、あるじの大切な皿10枚の1枚を割ってしまって、それを責められて庭の井戸に身投げをして、「いちま~い、にま~い」と夜な夜な皿を9枚まで数える「番長皿屋敷」。

 碁の相手であった家来が腹立ち紛れにその主である鍋島の殿様に殺害されてしまい、息子が殺されて母親は悲観して、その飼い猫と共に自害したものの、その飼い猫が化け猫となって、殺した主である殿様を恨んで、化けて出てくる「鍋島化け猫騒動」。

 そして、平家の落ち武者の怨霊に取り憑かれた琵琶法師である芳一を、その怨霊から守る為に、体中に魔除けのお経を書いたものの、耳だけにお経を書き忘れて、怨霊に耳を千切られてしまう「耳なし芳一」の話などは、母に話を聞きながら、耳をちょっと摘まれただけで、本当に恐ろし思いをした記憶があります。

 西洋のお洒落な童話を読んで聞かせる(もっとも、耳なし芳一の作者:ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)はもともと西洋人ではありましたが・・・)よりは、怖がる息子に怪談話を聞かせて、怖がるのを見て喜んでいた悪戯好きの母ではあったのだが・・・。

 尤も、私自身も実は怖い話が結構好きで、その上、涼しい思いもできたのだから、まあそれなりに懐かしい気がします。そんな母が亡くなった年令であった59歳という年令に、もう僅か3年で同じ年令になると思うと、実に不思議な気がします。まさに、光陰矢のごとしです。

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コメント (2)
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