今では数少ない戦地に招集されていた経験のある
生き証人でもある老父の衰えが、昨今特に著しいので、
老父が滞在している某有料老人ホームに
毎週のように様子を見に行っている。
一昨日、8月16日(土)にもホームを訪ね、
その老父が、「昨日は、戦争当時の事を思い出してしまって、
ほとんど寝られなかった。」と呟いていた。
戦後70年近く経った今でも、戦争での体験が、
介護無くして生きて行けない老人の夢にまで、
今でも悪夢として蘇って出てくる程、
余程恐ろし体験だったのであろうか?
確かに、日本人310万人が戦死したということは、
例えは悪いが、東日本大震災という未曾有の自然災害で
亡くなられた方々の数のなんと170倍以上にもなる。
それも、自然災害ではなく、人災であるのだ!
想像を絶する恐ろしい数の人々が亡くなってしまったのが、
あの太平洋戦争だったようだ。
「戦争だけは、もう決して起こしてはいけない!」
そう語ってくれた老父の目に、うっすらと涙が滲んでいた。
私は、そう呟いた老父の姿を決して忘れることは出来ない。