こうして、赤字たれ流しの公営企業であった、メキシコ電話公社
(Teléfono de México)をスリム氏は買収したのですが、
折しも移動体通信の発達の波に乗ったとはいえ、
官僚体質であった会社を驚くべく早さで黒字化させ、
驚くべく早さので成長させたスリム氏の実績は
当然賞賛されるべきものでありましょう。
そんな、彼の経営哲学である「カルロス・スリムの10箇条」
なるものが書かれてありましたのでここでご紹介します!
1.最小限の階級格差によるシンプルな構造と組織。
職員の人材開発と内部形成、柔軟性及び決定に於けるスピード。
大企業に対しては小企業の持つ優位性を用いて大きな業務を行うこと。
2.好調期に於ける簡素化の維持は、企業体質を強化し、資本を増強し、
かつ発展を加速させ、同様に危機的な時のドラスティックな苦い
調整を避けることができる。
3.成長の近代化、トレーニング、品質、簡素化、製造過程の
弛まない改善では、常にアクティブであること。
競合性及び生産性の向上。
常に世界で最も高い標準による費用及び原価の削減をすること。
4.企業は決してオーナーや経営者の手段を制限すべきではない。
我々の小さな裏庭は大きくないことを自覚し、非生産的な資産投資は
最小限にとどめること。
5.明確な目的や手段を我々が共有して働くに至らない挑戦はしないこと。
6.企業から出て来るお金は蒸発する。だからこそ、
利益を再投資しなければならない。
7.企業の創造性とは、ビジネスの応用力だけではなく
私達の国が抱える多くの問題に対する解決力でもある。
私達はそれをグループの財団を通じて行う。
8.強固な楽観主義と忍耐力は常に果実をもたらし、それは語呂の良さでも、
夢想的な楽観主義でもない。
9.仕事をする意味が分かり、それを行っている者は、
すべての時が良い時となる。
10.私達の前提では、人生に於いてできうることだけを
行うだけでなく、常に今何かを得ようとすることである。
つまり、企業家とは富の創造者であり、
一時的にそれを管理している者に過ぎない。
成功者が言えば、これらの文言は不思議と厚みを増して、
輝いてきそうな文章になるから不思議です。
さて、このカルロス・スリム氏、皆さんはどう評価されますか?
《注記》メキシコや一部のラテンアメリカ諸国では、カルロス・スリム氏の独占企業が
企業間競争を阻害して、適正な価格競争が行われていない為に、世界的に
見ても高価な通信料を払わされており、不当かつ過剰な利益を得ているとの
批判もあります。