もし、所得税が全廃されて、消費税のみの社会になったら、一体どうなるのだろうか?
仮に、消費税率を30%として、夫婦2人の所得が月額30万円で、その全額を消費しているとした場合、支払っている税額は月額9万円、年額で108万円となり、所得に対する税率はそのままの年率30%となります。
一方、夫婦2人の所得が月額300万円で、月60万円を消費している場合、支払っている税額は2倍の18万円となりますが、税率で言いますと僅か6%です。そこで、毎月の消費額を倍の120万円に増やせば、支払う税額も4倍の月36万円になります。しかし、それでも所得に対する税率は僅か12%です。つまり、今の所得税・住民税合計の税率の数分の1の程度の税率に下がってしまうのです。
更に、この夫婦が、残りのお金である月額180万円を全額貯蓄したとすると年間2,160万円貯蓄できます。それを30年間続けたとすれば、何と6億4,800万円になります。これに利息を加えれば、おそらく10億円前後になるかと思われます。そして、この夫婦がこの10億円を一人息子に贈与又は相続をして、その時に贈与税や相続税が全くかからなかったと仮定すれば、この一人息子は30歳で、何もせずに10億円の資産を持つことになります。これが消費税の実態なのです。
現在の所得税制は、累進課税制度を採用していますから、所得額の多い者ほど税率が高くなっています。つまり、社会的・経済的に強い者にはハンデを付けて社会的なバランス調整をしている訳です。ところが、この消費税という税制は、税率で見る限り、強い者が絶対に有利な税制度なのです。累進税率を緩和させて、ハンデを少なくするどころか、強い者がより強く・有利になる税制度なのです。
アメリカでは、所得税率が日本より低いので、経済が活性化すると言う専門家が多くいますが、本当にそうなのでしょうか?アメリカではマイクロソフトのビル・ゲイツ氏をはじめとするビジネスでの成功者は、その莫大な資産の多くを、いとも簡単に寄付したりします。また、芸能人やスポーツ選手、マスコミ関係者などの有名人もポケットマネーを当然のように寄付します。
【芸能・スポーツ・マスコミ関係者の寄付金額ランキング】
1位 オプラ・ウィンフリー(司会者)5020万ドル
2位 ハーブ・アルバート(ミュージシャン)1300万ドル
3位 バーブラ・ストライザンド(ミュージシャン)1100万ドル
4位 ポール・ニューマン(俳優)1000万ドル
5位 メル・ギブソン(俳優・監督)989万ドル
6位 アンジョリーナ・ジョリー&ブラッド・ピット(俳優)840万ドル
7位 ランス・アームストロング (スポーツ選手)500万ドル
7位 マイケル・ジョーダン(元スポーツ選手) 500万ドル
7位 エリック・リンドロス(スポーツ選手)500万ドル
10位 ラッシュ・リンボー(ラジオ司会者)420万ドル
こういった慈善行為に対して、アメリカ社会は特に驚いたりはしません。寧ろ、社会人として当然な行為と受け取られているようです。それは宗教観の違いなのでしょうか、社会的に強い者達は、当然に社会に還元すべきだと社会全体が思っているようです。
しかし、ここ日本では、にわかIT成金の〇X衛門さんや海外に会社を移した元官僚の投資ファンドオーナーの△Xさんが、このように寄付をしたとは聞いたことはありませんし、将来そのような事をするとは到底思えません。せいぜい、相続税や贈与税を下げろと、逆に日本政府に文句を言いそうな雰囲気です。
仮に将来、消費税率がどんどん上がって、所得税、贈与税、相続税が逆に下がるようになれば、日本とういう国には未来がないような気がしています。おそらく日本という国は、どこかの国でみかける、数%の人々が90数パーセントの人々を支配するという国に成り下がってしまうような気がします。日本が、その方向へ少しずつ進んでいるかのように見えるのは、私だけの錯覚なのでしょうか?
そんな討論をテレビでみましたが
かりに消費税で年金を徴収するとしても
想像が追いつきません。
なんでこんな国になってしまったのかなって
思ってしまいます。
今、国民年金を納めようか迷ってます。
もう少ししたら復職するし
年金自体どうなるのか分からないし。
納めてもいいのですが・・・・。
国がいいように運用して損失をだせば
ツケはこちらに廻ってくるし。
困った問題です。
高福祉国家にして欲しいと思っても、高負担は良いけれど、国民が払った保険料や税金で無茶苦茶な使い方をするような役所や役人が未だに多いですから、確かに我々国民は不安です。
年金は、お払いになっておいた方が絶対に徳だと私は思います。なぜなら、年金制度崩壊は国家破綻を意味しますから、国はそうは簡単に制度を崩壊させないと思うからです。
もっとも、日本という国が本当に三流国家に成り下がってしまえば別な話ですが・・・。そうならないことを祈るばかりです。