前回に、今では、問い合わせのあった相談で、受託出来うる内容であれば95%以上は受託していると書きましたが、実際本当の話です。それは、私は自信を持って相談者にお答え出来ているからです。ですから、相談者にとっての関心事は、私の報酬額と私個人との相性だけだと思います。
報酬に関して言えば、同業に比べて特に高いとは思いませんし、かといって安いともいえない標準的な報酬額だと思います。しかし、やはり5%程の相談者の方々には、私の話し方や或いは、私の態度がお気に召さない方々も多少はいらっしゃると思っています。
お電話などでお問い合わせ頂いた後に、この方はもう連絡して来ないなぁという事は大体想像がついてしまいます。それは、この10年で数千件にも及ぶ相談に応じて来た経験から学んだ、いわゆる”経験による勘”というやつではないかと思います。従って、新人の方々が一朝一夕に習得できるものではないと想像します。
でも、人によってはこのような事を体得されるスピードに個人差は確かにあります。直ぐに体得できてしまうタイプの人と、中々体得できないタイプの人がいるかとは思いますが、私はどちらかと言えば後者のタイプですから、決して器用なタイプの人間ではないと思います。それでも、経験とは凄いもので、気が付けば知らずと身に付いているのです。
こういった紆余曲折の実体験を、諸般の事情によりあまり長年はしても居られないという方々もいると想像します。そんな方々の為に、私とパートナー達の関係の一部を公開致しましょう。
パートナーの方々は、いわゆる新人の方々で、私の事務所に教えを乞いに訪れた方々のほんの一部の方々です。このパートナーになった方々に共通していたのが、ご自分に来た相談に対して、共同でやって欲しいとご提案されたことでした。
こういったご提案をされますと、まず何とかして受託に持って行って差し上げたいと思うものです。そして、共同で受託できれば、私もプロですから、その依頼案件は絶対に失敗させる訳には行きません。そして、彼等に私の持っているノウハウを全面的に開示し、それを覚えて貰わないとことには共同作業はスムーズに進みませんし、何よりも依頼人の不利益になってしまいます。更には、彼等新人には、私以上にフットワーク良く動いて頂くことによって、極力依頼人に接して頂き、少しでもプレゼンスを増やす機会があるようにすることは不可欠です。また、当然のことですが、積極的に私のノウハウを吸収して貰わなければ、新人さんご自身の為にもなりませんから、そのステップステップでの重要なポイントに於いて逐次解説して行かねばなりません。
そして、何よりも大切な事は、依頼人の為に頑張ろうとする意識が共有できるかどうかです。つまり、お互いの信頼感と、この仕事に於ける共通の価値観が一致しないことには中々機能しないと思います。
幸い、彼等が持ち込んできた相談の90%以上は受託できています。決して、簡単な案件ではなかったのですが、すべての案件で結果が付いて来ました。ですから、彼等にはそれなりの経験になり、それなりのノウハウ取得が出来たのではないかと思います。しかし、何よりも彼等の自信に繋がったのではないかと思っています。そして、それは今現在も進行中です。
ところで、基本的なパターンですが、大手企業や場慣れした依頼主からの案件には私も同行し、あらゆる質問にも即答できるような対応をするようにしています。それは、今現在使っている同業に何らかの不満がある場合が多く、その部分で相当の実績を示さなければ、その企業との成約に結び付かないからです。ですから、どうしても、私が全面的に出る形になってしまう傾向があります。そのプロセスを見て、ご自分流のスタイルを作って頂く為の参考にして貰います。そして、先ほども書きましたが、新人さんは新人さんなりにそのフットワークの良さを使って、積極的に顔を売り込んで貰うようにしています。また、報酬の請求段階では必ず彼等を前面に押し出す事で、私への信頼を失わないように注意を払っています。これは、おそらく最も重要なポイントだと思います。
一方で企業案件以外では、彼等に出来る限り全面に出て貰うようにしています。そうする事によって、彼等自身の大きな経験となりますし、仮に多少のミスがあったとしても、常に後から私がバックアップすることで、必ずリカバリーできるシステムとなっているからです。例えば、依頼人と会う直前まで、携帯電話などで打ち合わせをし、事前のアドバイスなどによりフォローをします。そして、面談中であっても、不明な点で即答の必要があるような場合には、携帯電話での問い合わせにも応じています。勿論、共同作業ですから、必要書面の確認やその作成段階から、そして最終点検及び申請に至るまでのプロセスでも念入りに打ち合わせします。
今のところ結果としては、依頼人にとっても、新人であるパートナーさん達にとっても、そして、勿論私にとっても三方がすべて良い結果となっていると思います。そして彼等の評判、実績に繋がって来れば、いづれは独り立ちして貰うことになります。
但し、このシステムが成立するには次のような条件が必要となります。
1.お互いの信頼関係が強固であること、
2.私がノウハウを全面的に開示すること、
3.彼等がどん欲に私の持つ知識や経験を吸収すること、
4.依頼人に対して積極的なフットワークの良さで対応すること、
5.お互いの相性が良いこと
以上の5点だと思います。特に、相性の善し悪しは大事です。信頼関係はあっても、どうもこの人とは馬が合わないとか、リズムが違うと思った場合には、共同作業がギクシャクして来てしまうからです。
一方、こういった環境には縁遠く、このような状況が決して望めないのであれば、基本的な姿勢である、依頼人に誠意を持って接し、紆余曲折があろうとも、全力で解決に向かって努力して、一つ一つの案件を処理して行く手法しかありません。その方法は、時間は掛かったとしても必ず成功に繋がる方法だと私は確信しています。それは、私自身が通過して来た道であり、かつて私自身がこの様にしてやって来たからです。唯一、そして最大の問題は、そこに到達できるまでの間、経済的な面で耐えて行ける、或いは、補完できるシステムをご自身が構築できているかどうかに掛かっています。この補完システム無くして独立開業した方で息切れされた方々が、「行政書士は食えない資格」だとぼやいているのだと思います。
桃栗3年柿8年、ローマは1日にして成らず、と昔の人々は培った経験をこういった格言として後世の私たちに残してくれました。それをちょっとだけでも参考しても決して損はないと思います。どんな名医でも、金儲け主義に走り、技術の向上を怠り、患者さんに対して傲慢になれば、必ず凋落する運命にあります。それは、我々士業でもまったく同じだと思います。XXX万円稼ぐ方法、XXでがっちり稼ぐ方法なんであるはずがないのです。日々の研鑽、依頼に対する誠心誠意の対応、そして法令遵守。これを続けることが独立開業の成功の秘訣です。
良き先輩とパートナーを組むのか、或いは、独立独歩路線で行くのかは、皆さんのご選択です。しかしながら、今申し上げた金儲けに走るなというポリシーだけは守って頂きたいと切に願う次第です。この仕事は決して金儲けをする為のものではないと私は思います。私の知る限り、金儲けの道具としてこの仕事を営んでいた方で、今現在でもこの仕事を同じように続けていられる方々はほとんど居ないと思うからです。それは、金儲けの基本と法令遵守とが必ずしも一致しないからです。場合によっては金儲けには、法令違反への誘惑が多々あるからです。
本当はもっともっと、お話ししたい事がまだまだ沢山あるのですが、きりがありませんので、これを以てこの講座は修了させて頂きます。長々と約1ヶ月近くに渡ってお読み頂きまして誠にありがとうございました。そして、どうか今一度、何のために行政書士という職業になったのかを再度確認して頂き、依頼人の為に今後もご研鑽下さいますよう、心よりお願い申し上げます。
すいません。承諾をいただく前にブログを
リンクさせていただきました。
思ったことを思ったまま書いていこうと
タイトルに~徒然・・とつけました。
宜しくお願いします。
復活ですね。書きたいときに書く。それで良いではないですか。
なうさんらしい、医療現場の逸話をプライバシーの許される範囲で書いてみて下さい。楽しみにしてます。
私のブログは単なる落書きで原則としてリンクフリーですからどうぞご心配無く!