行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

宝くじ発行団体 スペインに見習ってみたら?

2010-05-26 09:40:09 | 社会・経済

 スペインの宝くじ発行団体であるONCEという組織。自転車競技のツール・ド・フランスのスペインチームの冠スポンサーとして名前だけは知っている方々は多少いらっしゃると思うのだが、この組織がどのような組織かご存知だろうか?

 ONCE、正式名称は、Organización Nacional de Ciegos Españoles。日本語に直訳するとスペイン盲目者全国会と称する非営利身障者団体なのです。この団体名の頭文字を採ってONCE(スペイン語では、数字の”11”という意味もあります。)と命名しており、スペインでは宝くじやロトなどの発行団体として至って有名であり、宝くじ買った?=Ya compraste ONCE?と言われるほど、宝くじそのものの愛称としてスペインでは定着している言葉になっているのです。

 このスペインの宝くじシステムが凄いところは、社会的弱者である身障者を国や地方自治体からの福祉予算で支援するのではなく、彼等自らが宝くじを発行して、かつ、彼等自身が販売に従事することにより、社会組織の一員としてこの宝くじの発行や販売活動を通じて自立・独立できるような社会システムを構築していることにあります

 この団体のホームページ(http://www.once.es/new/que-es-la-ONCE)によると、この団体が宝くじの運営をすることで、11万5千人の直接雇用・間接雇用が生まれており、うち盲目者をはじめとする身障者達7万人あまりが宝くじの販売を通じて生計を立てているそうです。

 高額な報酬の天下り達や、信じられないほど立派な会議室を抱えていることが事業仕分けで白日の下に曝された宝くじ協会は5~10年ほど掛けて一旦解散させて(宝くじ販売に従事している方々を考えて)こういった組織に衣替えさせれば、この新たな組織誕生によって浮いた国や県の福祉関連予算を他の福祉予算に回せるという二重のメリットがあるので是非検討して頂きたいものです。

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