補習70回とリポート、裁量で50回程度 必修漏れ救済
(2006年11月1日(水)23:57 朝日新聞)
高校必修科目の履修漏れ問題で、政府・与党は1日、履修漏れ科目の補習時間を軽減する救済策で基本的に合意した。(1)未履修が2単位分(70コマ)を超える場合は、補習で70コマ履修した上でリポート提出などで補う(2)未履修が2単位の生徒は補習70コマが基本だが、校長の裁量で3分の2(50コマ程度)に軽減できる――などが柱。文部科学省は2日中に都道府県教委などを通じ各校に通知する。
文部科学省と与党のせめぎ合いの中での結論はこのようになったようです(与党でキャスティングボートを握る少数派、という公明党の立ち位置はこういうときには大胆な意見を言えるのでおいしいですね。)。
補習をやるとしても現実的には70コマが限界、という判断でしょう。
8万人の卒業に対して学習指導要領を盾に立ちふさがるのは走塁妨害、という判断だと思います(ホームベースも完全にブロックしてはだめで、一部はあけておかないといけなませんから)。
学校自体の守備妨害についてのお沙汰は別途、というわけでしょう。
今後、責任者の追及や、必修科目や指導要領の抜本見直しの声が高まることも予想され、事態収拾にはまだ時間がかかりそうだ。
というより「事態の収拾」で終わるのでなく、学習指導要領のあり方(=以前のエントリでも書いたのですが高校教育と大学受験のどちらに重点をおくか)についてきちんと議論すべきだと思います。
そしてそもそもの大学の入学試験のあり方とか大学生の学力レベルの低下(これは実は僕らの頃から低かったのかもしれませんが)の問題についての議論にもつなげていくべきだと思います。
また、指導要領の遵守とか教師自身がいじめを助長しても放置されているような問題に対して、学校の内部統制や外部監査(教育委員会が機能しているのか)のあり方などについても再構築したほうがいいように思います。
PS でも、ネットで「模範レポート」とかすぐに出回るんだろうな・・・