一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

サンマ

2011-10-08 | 原発事故・節電・原発問題

<福島第1原発>半径100キロの海域「操業禁止」サンマ漁
(10月7日(金)21時10分 毎日新聞)

前日の
<サンマ>金華山以南扱うな…北海道の流通加工団体が要望
(10月6日(木)22時34分 毎日新聞) を受けたものです。

今後漁場になってくる100キロ圏以東の海域は今月中旬、100キロ圏以南は11月上旬に検査し、操業できるかどうかを決める。

とのことですが、北海道サンマ産地流通協議会の主張は  

サンマの漁場は今後、北海道沖から南下するため、同協議会は、同原発から100キロ以上南で漁獲されるサンマも福島沖を南下する際に放射能の影響を受けている可能性があると心配している。 
会見に同席した幹部は「水揚げされても競りに参加しない」「一匹でも放射能が検出されれば、国内のサンマ業界はすべて駄目になる」

というものなので、今回の意思決定についても「自粛緩和にならず前進したが、要請通りではない」と言っています。

サンマのような足がはやく単価が安い魚について全数検査体制を引くのは現実的ではないので、「君子危うきに近寄らず」で行こうというのは消費者側から見ても安心です。  

ただ、これによる水揚げ減が東京電力の補償対象になるかというと微妙なところなので、漁協としてはできれば水揚げを増やしたいところなのでしょう。 
しかし、水揚げをしたサンマから放射能が検出された場合は、廃棄コストや相場の下落、風評被害防止のための検査強化費用を損害として東電に請求することになりますががその場合も、相場の下落については漁獲量とも関係するので東電が争ってくるリスクもあります。

不法行為の損害賠償請求一般についても言えるのですが、裁判になった場合に損害額の認定というのは損害の回復に対して現実的には不十分なことが多く、しかも金銭賠償なので失ったものが戻ってくるわけではありません。結局「やられ損」になってしまうわけで、今後の被害を少なくするためには、原発事故の影響を最小限に食い止めようという努力を会社や個人が自腹で行なう必要が出てきます。  

一方で、愛知県の花火や大阪府の橋梁工事などにも影響が出ているので、賠償請求の範囲が想定以上に広がる可能性もあり、東電としては、最悪バンザイしてしまうという選択肢もあるわけで、そうなると破たん処理になり、間接的に国民の負担ということになります。  

だとすると、このような放射能被害(風評被害も含む)を未然に防ぐ努力は事業者だけでなく国民のためにもなるわけです。
そうすると消費者としても不必要に消費を手控えないことも大事だし、生産者も安心感を与えるために努力をするという好循環を作っていく必要があります。

その点からは、今年は福島以南は全面禁漁という北海道サンマ産地流通協議会の主張には共感できます。  


ところでサンマ以外にも、回遊している魚(マグロやカツオなど)の蓄積の有無というのは継続的にモニタリングする仕組みができているのでしょうか。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする