一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

ブログを停止されました(3完)

2012-11-19 | よしなしごと

(承前)
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さて、問題のオートコンプリート。
先方の主張を繰り返します。

(5) なお、本件記事は、既に発行された新聞記事に対する論評であり、新聞記事の発行により当社の社会的評価は既に低下しているため、当社に対する社会的評価がさらに低下することはないとの指摘も予想されるところではある。
 しかしながら、新聞記事が発行されたのは平成**年*月*日であり、現在までに*年*ヶ月以上の期間が経過しているため、新聞記事による当社の社会的評価の低下の効果は既に消滅しているところ、本件記事は、平成**年*月*日から現在までサイト上に掲載されており、現在もこれを閲覧した者に当社の社会的評価を低下させ続けていること、本件記事の影響で、検索エンジンの検索窓に当社の名称を入力する際、サジェスト(オートコンプリート)機能の発動により「***** 訴訟」との表示が自動的になされるところ、当該表示をクリックした場合、本件記事が検索結果の第1順位に登場してしまうため、それまで新聞記事はおろか当社を知らなかった者でさえ、本件記事を閲覧してしまうこと、新聞記事は当社とSPCとの訴訟経過を題材として、不動産流動化事業の問題点を報道するものであるが、本件記事は、新聞記事に掲載された訴訟経過のみならず、それを引用したうえで、発信者の憶測に基づいた当社に対する否定的な評価を記述したものであり、単に新聞記事を転載したものではないことから、上記のような指摘は当たらないことに注意すべきである。

オートコンプリートで表示されること自体は当然私のせいではないのですが、権利侵害が続いている、ということを言いたいのでしょう。

そして私のエントリも書いた本人の意図は「不動産流動化事業の問題点を」書いたつもりなのですが、先方はそうは思ってくれなかったようです。
「新聞記事の発行により当社の社会的評価は既に低下している」とまで認めているものの「単に新聞記事を転載したものではない」のであれば名誉毀損というのも狭量なように思います。


これを読んでいてだんだん腹が立ってきたので、正面から争うか、とも思ったのですが、goo事務局にブログを止められている以上、まずはgoo事務局に文句を言うなり(たぶん文句を言うだけでは対応しないでしょうから)法的手段に訴える必要があり、それも迂遠なので、とりあえず当該エントリは非公開にしてブログの復活を優先しました。


これだけ書いても、読んでる人には実際どんなエントリだったのか分からないと、どちらの主張に理があるかはわからないと思いますので、当該記事を(もちろん社名は伏字にしてw)下に再掲します。

ご意見を賜れればと思います。(特に「これはやはりまずい」というのであれば今後の参考にしたいと思います)

PS
ところで、これを別の人が引用して社名つきで紹介したら、またこっちに文句が来るのでしょうかね?


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「投資失敗の自己責任」を負うのは誰?

(2010.3.9)


3/8の日経新聞の「法務インサイド」で「不動産流動化SPC 机上の会社 紛争複雑に」というのがありました。

記事では前後しているのですが、事案の概要は

① A社が、保有する賃貸マンションをSPCに90億円で売却
② SPCは80億円をB社からのノンリコースローンで調達
③ 残りの10億円を出資で調達したが、A社はSPCの「有力な出資者」
④ A社はSPCから当該物件(ここは書きぶりから推定)の管理を請け負う
⑤ 08年秋ごろから配当や管理報酬の支払いが滞るようになっている。SPCは09年3月支払いの法人税・消費税も滞納
⑥ A社は09年9月SPC相手に訴訟

というものです。

おそらくA社は資金回収を早くするためにノンリコース・ローンを使ってSPCに売却するというスキームをとったのでしょう。
ノンリコース・ローンの貸し手は物件しか担保がないので、抵当権だけでなく賃料収入などの資金の流れもコントロールするとともに、定期的に担保価値や返済余力のチェックがかかり、それを満たさないと貸付金の返済を求めるようになっているのが一般的です。
こう書くと融資側に一方的に有利にも思えますが、自己資金10%強の負担で資金回収ができて、しかも本体には訴求して請求が来ない(=ノン・リコース)のですからそれなりにフェアなルールとも言えます。
細かく言えば、物件を管理する立場としてのA社は「おれが管理しなければ物件の価値も毀損するんだから、管理報酬は優先して払え」というネゴはできたかもしれませんが、売却とセットだとするとなかなかそうも言えなかったのでしょう。

不思議なのは、A社が08年秋から09年9月まで何をやっていたのかということ。
デフォルトになったのなら勝負は明らかで、出資はあきらめて、「10億損した」で済ませばいいわけですし、そもそもSPCに90億で売却した時点で10億以上利益が出ていれば損もしていないことになります。
管理費用が支払われなかった時点で管理業務については債権者なので契約を解除して管理から手を引けば、損失は拡大しないはずです。
記事には書いていない背景事情や契約条項の技術的な理由でA社は訴訟に訴えざるを得なかったのかもしれませんが、なぜ1年待ってそこから訴訟?というあたりが腑に落ちませんでした。  


記事では最後に  

関係者の蜜月が終わった今、複雑な仕組みがあだとなり、投資失敗の自己責任をはっきりさせる争いは混迷が深まっている。

と書いていますが、物件の売却価格と時価次第では、投資を失敗したのは80億突っ込んだモルスタの方ともいえます。  
さらに言えばそういうモルスタも(投資銀行の普通のビジネスモデルからいえば)ノンリコースローンをされに証券化して転売しているでしょうから、デフォルト状態にある(管理費用もおさえている以上そうなんでしょう)ならとっとと競売してしまえばいいはずです。
それをしないということは、ローンを証券化した際に一番劣後する部分を自分で持っているとか、売却したあと元利回収のサービス業務を請け負っていている関係でいきなり競売をかけると劣後の顧客から訴えられるとかの事情があって、SPC出資者の配当や管理費をかじって時間稼ぎしているのかもしれません。


月曜のネタ枯れのときに取っておいたような記事ですが、せっかくSPCの問題を取り上げるとしたら、資産の部(出資)の方でなく負債の部(借入)のほうが、その後ろにもSPCが団子になってたりするので面白かったのではないかと思います。 

あと、マスコミ的には「外資に食い物にされる日本企業」というステレオタイプな絵が分かりやすいのかもしれませんが、それが外資を実力以上に強力に見せている部分もあると思うので(少なくとも常に日本企業より儲かっているわけでは全然ない)日本企業の応援団たる日経新聞(違うのかな?)としてはもう少しつっこんでほしかった感じがします。

(関連エントリ 一番Securedなのは誰でしょう?

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コメント (4)
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