制度は平成17年4月から導入されたにもかかわらず、審判手続にかかるのはは初めてだったんですね。
インサイダー取引の課徴金めぐり初の審判 金融庁
(2009年9月10日22時14分 朝日新聞)
審判は、課徴金納付を命じられる対象者が、監視委の勧告に不服を申し立てた場合に開かれる。審判官が対象者と監視委の双方から主張を聞き、課徴金納付命令を出すかどうかを公開で審理する。05年の課徴金制度導入後、90件の納付命令が勧告されたが、事前に違反事実を認め、審判を開く前に金融庁から納付命令が出されたケースがほとんどだった。
課徴金制度は、刑事罰のように時間や手間をかけなくても行政処分が出せるようにするために導入された。勧告件数は増える傾向にある一方、公開の審判に出ることを避けたいとして、不服申し立てを見送るケースがあったとみられている。ただ課徴金の額は少額でも、納付命令が出れば、懲戒解雇といった重い処分を対象者が会社から受けることが多い。今後は、事実関係を争う事案が増える可能性もある。
制度の詳細は金融庁のサイト「課徴金制度について」をご参照。
サラリーマンにとっては死活問題なので、今回のように自分名義の口座でない場合はとことん争うというケースも増えてくると思います。
(対象者が審判の結果に不服の場合はさらに「課徴金納付命令決定の取消の訴え」もできるようです。)
この審判ですが、個人が家族名義の口座で取引するような場合は、法人と違って書類や通信記録は残っていないことが多いでしょうから、「指示」をどのように事実認定するかは大きなポイントだと思います(「シラを切りとおしたら勝ち」という先例を作りたくもないでしょうし。)。
また逆に、証券取引等監視委員会の取調べのありかたが問題になったりするかもしれませんね。
しばし注目です。