一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

歳末法務事情

2010-12-23 | 法律・裁判・弁護士
昨日は地元の飲み屋に年末の挨拶がてら顔出しに。
最後の店で日も変わりかけたのでそろそろ帰ろうかというときに、地元在住の弁護士が登場。

年末になって手間ばかりかかる仕事が入ってとぶつぶつ。

(その1)

クライアントの会社の社長の娘(20代前半独身)が付き合っている相手の男(40台半ば)の妻から損害賠償請求を起こされた。
そりゃ自分の旦那に文句を言えよと僕などは個人的には思うのだが、判例では浮気の相手方に損害賠償責任が認められている。

相手が浮気をした場合に男は相手の女を責めるが女は浮気相手の女を責めるというが、日本の判例にしては珍しく女性目線。

ただ最近は、婚姻関係が破綻している場合は不法行為は成立しないという判例も出たとか。

ちょうど昨日はタレント大桃美代子(45)から、前夫のAPF通信社代表の山路徹氏(49)と「不倫していた」とツイッターでつぶやかれたタレント麻木久仁子(48)が22日、都内で会見を行った。なんてことがあったらしく、店のおかみさんや残った客と盛り上がる。
これだって、芸能人だからということもあるんだろうけど、本来は旦那のほうが釈明べきだと思うんだが。

裁判所も犬も食わない夫婦間の争いについて不法行為の成立(故意または過失により他人の権利を侵害したか否か)を判断しなければならないというのもお気の毒なことではあるし、弁護士としても(少なくともその人は)あまり関わりたくない分野。。
しかもこの妻は怒鳴り込み方も尋常でなく要求も巨額だそうで、示談交渉するにしろ訴訟で争うにしろ疲れることになりそうだとか。

ところでこの依頼を受けたとき、アシスタントに判例のリサーチを頼んだら、「前に調べたことあるんですよね」と即座に詳細な資料が出てきたとか。
彼は一度も頼んだことがないのに何でこんなの調べてたんだよ、とのど元まで出かかったが、怖くて聞けず、という笑えないオチまでついた。



(その2)

年末ぎりぎりになって、クライアント企業が東京地裁立川支部で訴訟を起こされた。
義務履行地だか不法行為の場所が多摩地区だったからだが、クライアントも弁護士も都心にいる。
嫌がらせか、とおもって原告の代理人の住所を見たら、これも都心の事務所。

民事訴訟の管轄は①被告の居住地、②義務履行地、③金銭支払の決済場所、④営業所に関する訴えの場合の当該営業所、⑤不法行為地、⑥不動産の所在地etc.なので東京で訴えればお互いに楽なのにと相手の弁護士に文句を言ったら、成りたての弁護士にボスが丸投げをしていたらしく「知りませんでした」という返事に脱力。
(これはビジネス実務法務3級程度の知識なので僕も知っているんだけど・・・)

今後こういう要領の悪い連中が相手方に立って手続き面での手間に付き合わされることを考えると(訴訟としては相手が間抜けなのは有利なのかもしれないが)暗くなる。



などと、一気に話すので、帰るきっかけを失い、結局1時過ぎまで付き合わされてしまいました(笑)


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