夫の元同僚が 彼のふるさとに近い 高知県梼原(ゆすはら)町で
販売している キジ鍋セットを2つ持って 訪ねてくれました。
梼原町は 坂本龍馬が脱藩したとき通った道で 龍馬ファンには
脱藩の道としても知られています。
梼原町キジ生産組合が販売している スープとキジ肉がセットに
なったもので 1セットが2-3人前ですが けっこうお高いです。
3人でキジ鍋を囲み キジは初めて食べましたが あっさりとして
それでいてコクがあり キジ肉から いいダシが出ます。
ふだんの 鍋のときの材料と同じく 野菜類 キノコ 糸こんにゃく
豆腐やうどんですが しみたダシが いい仕事をしていました。
キジ彼が ぽつりと言いました。
「 こんな 家庭らしい味は久しぶりで すごく おいしかった 」
キジ彼は7年前に 妻を亡くしています。
2階で寝ていた妻が 朝 起きてこないので見にいったら もうすでに
亡くなっていたのです。
当時 キジ彼の妻も仕事を持っており そうどこも悪いところはなく
妻は現役看護師のため 普通の人より 病気には詳しかったはずで
聞いたときはショックを受けました。
妻が逝く少し前 永年勤続のごほうび旅行として 夫婦でヨーロッパを
旅し コーヒーカップのお土産をもらいました。
もう1セットあるので 日を置いて また キジパーティーをやろうよ
と言ったら いや あとは娘さんたちと食べて と言います。
ビールが好きなキジ彼は なん缶か空けるうち すっかり酔っぱらって
迎えは夫 送るのは妻です。
「 また 寄せてもろぉて かまんかね 」 というキジ彼に
もちろん また来てねと言い 家の近くで降ろしました。
自宅へと運転中に キジ彼から夫のケイタイに連絡があり 車を降りて
家へと歩く短い距離に 1,000円拾った 今日はいい日だったとのことで
笑いながら運転しました。