今年は外国映画ばかりに目を向けていないで日本の映画も観るようにしているのだが、1950年代が日本映画の黄金期とは聞いていたが本当にその通りだと思わせられた作品が今回紹介する映画浮雲。本作が制作されたのが、戦後10年しか経っていない時期。戦後の日本の様子が描かれ、男女の時代の価値観を感じさせる作品でもある。大して働きもせずにカネも持っていない男がなぜかモテモテの映画。そんなダメ男を一途に愛する女性を二十四の瞳で主役を演じた高峰秀子さんが演じる。
理屈では理解できない男女の恋愛を描いたストーリーの紹介を。
第二次世界大戦中のベトナムにおいて、農林省の技師として働いていた富岡(森雅之)だったが、そこへ農林省から派遣されたのが幸田ゆき子(高峰秀子)。富岡には日本に残してきている妻がいるのだが、2人は恋に落ちてしまう。そして、富岡は日本に戻ったら妻と離婚してゆき子と結婚することを約束する。
戦争が終わり、ゆき子は先に日本に戻っていた富岡の家へ行く。富岡が離婚していると思っていたゆき子だったが彼は離婚していなかったのだ。彼が離婚する気が無いことを知ったゆき子は米兵の情婦になるのだが、既に富岡とゆき子は離れられない運命になっていた・・・
くっ付いては離れてを繰り返す富岡とゆき子。富岡という男が日本に戻ってから、新しい仕事に就いては辞めてを繰り返す。カネもなくてゆき子に何食わぬ顔でカネを借りに行ったりする。それなのにゆき子以外の女性からも言い寄られて、ふらふらとその女性と良い仲になってしまうモテモテの男。時代的な背景もあるだろうが、このような男を放っておけない女性の心理がよくわからない。しかし、男女の愛には理屈が入る余地がないことがよくわかる。
そんな富岡をとことん愛するのがゆき子。戦後を生き抜こうとする女性の大変さが本作からよく理解できる。富岡から『もう俺たちは合わないでおこう』なんて言ってくれているのだが、俺からみたらラッキーな申し出かと思えたのだが、ゆき子は決して富岡から離れない。もっと別の男性と一緒になれる余地があるはずなのに、彼女はとことん富岡と一緒になりたがる。ゆき子がどんどんダメ男の富岡にのめり込んでいく展開がスリルを感じさせ惹きつけられる。
さて、色々な障害があり過ぎてこの2人は一緒になっても上手くやっていけるわけないだろうと思っていたのだが、どのような結末を迎えるのか。そこには女の執念の凄さを感じさせられた。
最近、二十四の瞳で高峰秀子さんを観たばかりだが、その演技の幅の広さにびっくり。二十四の瞳が1954年の公開で本作はその1年後の公開である。この短い期間に、がらりと違う役を演じてしまう演技力に感嘆した。そして彼女の作品を2作品しか観ていないのに、その演技力を見極めることが出来た自分の眼力も流石だと我ながら思う。
戦後の焼け野原の状況や暮らしが本作から垣間見る事ができて、男女の行方に惹きつけられる浮雲を今回のお勧めに挙げておこう
監督は世界的にも評価が高い成瀬巳喜男。愿節子さんが主役を演じているめしがお勧め
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これが林芙美子さんの原作です
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そんな富岡をとことん愛するのがゆき子。戦後を生き抜こうとする女性の大変さが本作からよく理解できる。富岡から『もう俺たちは合わないでおこう』なんて言ってくれているのだが、俺からみたらラッキーな申し出かと思えたのだが、ゆき子は決して富岡から離れない。もっと別の男性と一緒になれる余地があるはずなのに、彼女はとことん富岡と一緒になりたがる。ゆき子がどんどんダメ男の富岡にのめり込んでいく展開がスリルを感じさせ惹きつけられる。
さて、色々な障害があり過ぎてこの2人は一緒になっても上手くやっていけるわけないだろうと思っていたのだが、どのような結末を迎えるのか。そこには女の執念の凄さを感じさせられた。
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