十二人の怒れる男、未知への飛行、ネットワークなど多くの社会派サスペンス映画などの名作を世に遺してきた巨匠シドニー・ルメット監督の遺作が今回紹介する映画その土曜日、7時58分。先日薬物多量摂取によって46歳という若さで死んでしまったフィリップ・シーモア・ホフマン主演にして、重厚かつ丹念な作りが非常にサスペンス感を盛り上げる傑作だ。ちなみに本作はR-18指定を喰らってしまっているが、なぜかは映画が開始した瞬間にわかる。
最近のハリウッド映画はやたら家族の大切さを謳った作品が多いような気がするが、現実は離婚してしまう夫婦が多いなど家庭崩壊している家族が殆んど。そんな国が制作する映画においては、家族の大切さを描いた映画よりも破滅へ向かっていく家族の様子を描いた本作のような内容の方が偽善を感じなくて済むし、しかも観ている最中は全く気にならなかったのだが、単細胞的な考えしか思いつかない馬鹿兄弟のオッチョコチョイ振りが、いかにもアメリカ人らしくて非常に楽しい。
大金の必要性に迫られた兄貴が、いつも借金苦にあえでいる弟に『計画は完璧だ!』と言ってそそのかし、強盗犯罪を企てるストーリー。しかし、観ている誰もが話が進むに連れて、きっとこのように思うはずだ。これの何処がカンペキなんだ、ハァ~?計画とは名ばかりで、行き当たりバッタリ過ぎて笑えるし、そもそもこれが計画って言えるのか。だいたい強盗しようとする場所がコメディ並みの発想だし、しかも強盗の結末が最悪すぎて大笑い、では無くて悲しすぎる。
実は本作は強盗犯罪がメインの映画では無い。完璧だったはず?の犯罪計画の思わぬ誤算により、各々の人間の心に潜む欲望をあぶり出し、そしてボロボロに破滅へ向かって転落していく家族の様子を見て、我々はあることに気付く。やっぱり悪い時は何をしてもダメなんだ、と言う当たり前の事に。
破滅へ向かっていくと言っても、実は元々既に完全に崩壊していたように俺には思えたのだが、ある家族における悲劇の連鎖反応を描いたストーリーとは如何なるものか。
アンディ(フリップ・シーモア・ホフマン)はある会社の重役であるが、近日中に会社の会計監査があることにビビッていた。彼は従業員の金を横領しており、金の資金繰りに困っていたからだ。またアンディ(フリップ・シーモア・ホフマン)の弟ハンク(イーサン・ホーク)も金に困っていた。元妻との娘が通っている私立高校の学費を払うことができず、養育費も払うことが出来ず、、度々兄貴のアンディ(フリップ・シーモア・ホフマン)に金を借りていた。
アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は起死回生の一発を放つために、弟ハンク(イーサン・ホーク)にある犯罪計画の提案をする。それはある宝石店から大金と宝石を強盗すること。とある理由から簡単に成功するはずだったのだが、事態は想像もしていない展開に転がって行ってしまう・・・
ちなみにタイトル名は、まさに強盗を実行する時の曜日と時間を表わしている。ちなみに本作の構成は強盗事件の数日前の描写が描かれていたり時間軸がバラバラに飛んだりしているが、なかなかこの描き方が妙にサスペンスを盛り上げる。人によってはその構成がややこしいと思う人がいるかもしれないが、頭の中で整理するのは比較的簡単なように丁寧に作られているので何が何だかわからないことにはならないはずだ。
強盗シーンが決してメインでは無いが、なかなかの迫力。そして本来の主題である強盗事件をきっかけに兄弟、父子、夫婦間などに暴かれる各々の思惑、欲望、事実が浮かびだされる展開は見事。そして、ストーリーが進むに連れてアチャ~と思うシーンの連発。観ている最中はどんな結末を用意しているのかと思っていたのだが、なるほどそう来たか!と思える締め方も良かった。
フィリップ・シーモア・ホフマンって最近死んだことぐらいの知識しか無い人、シドニー・ルメット監督の遺作と聞いて心が惹かれた人、特にハッピーエンドな作品に見飽きた人にはその土曜日、7時58分はお勧めだ
監督は前述しているように巨匠シドニー・ルメット。アメリカ人の正義と良心に感動できる十二人の怒れる男、核戦争の恐怖を描いた未知への飛行、アル・パチーノ主演の異様な緊迫感で実話を基にした銀行強盗映画狼たちの午後、これまたアル・パチーノ主演の警官の汚職に1人で立ち向かう実話を基にした刑事映画セルピコ、まるで現代を予見したようなメディアの暴走とその裏側を描いたネットワーク、ポール・ニューマン主演のすっかり落ちぶれた弁護士が自らの正義、誇りを取り戻そうと奮闘する法廷映画の傑作評決などお勧め映画多数。その傑作群はまさに巨匠と呼ぶに相応しい映画監督です。
主演は先日46歳の若さで亡くなってしまったフィリップ・シーモア・ホフマン。アカデミー主演男優賞に輝いたカポーティ、名女優メリル・ストリープと堂々と渡り合ったダウト〜あるカトリック学校で〜、トム・クルーズ主演のミッション:インポッシブル3における悪役など印象に残る演技、名作が多数です。本当に若くして亡くなったのが勿体ない。
フィリップ・シーモア・ホフマンのダメ弟役にイーサン・ホーク。ジュード・ロウ、ユマ・サーマン共演の決して諦めてはいけない精神を学べるSF映画ガタカ、ヴァンパイアが多数存在して人間がマイノリティの存在になってしまった素っ頓狂な世界を描いたデイブレイカーがお勧め。
馬鹿兄弟のお父さん役で名優アルバート・フィニー。本作と同じくシドニー・ルメット監督で名女史のアガサ・クリスティの有名推理小説原作のオリエント急行殺人事件のエルキュール・ポワロ役で有名で、映画の方もお勧め。他にコーエン兄弟監督の異色ギャングムービーのミラーズ・クロッシング、ティム・バートン監督、ユアン・マクレガー主演のとっても素敵な気分になれるファンタジー映画のビッグ・フィッシュがお勧め。
フィリップ・シーモア・ホフマンの妻役でマリサ・トメイ。なんだか昔は親しみやすい可愛い子ちゃんのイメージがありましたが、本作ではすっかり大人の女性の色気を出しまくっていました。若い頃の作品ではジョー・ペシ共演のいとこのビニーがお勧め。比較的最近ではダーレン・アロノフスキー監督、ミッキー・ローク主演のレスラーのストリッパー役がとても良かったです。

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最近のハリウッド映画はやたら家族の大切さを謳った作品が多いような気がするが、現実は離婚してしまう夫婦が多いなど家庭崩壊している家族が殆んど。そんな国が制作する映画においては、家族の大切さを描いた映画よりも破滅へ向かっていく家族の様子を描いた本作のような内容の方が偽善を感じなくて済むし、しかも観ている最中は全く気にならなかったのだが、単細胞的な考えしか思いつかない馬鹿兄弟のオッチョコチョイ振りが、いかにもアメリカ人らしくて非常に楽しい。
大金の必要性に迫られた兄貴が、いつも借金苦にあえでいる弟に『計画は完璧だ!』と言ってそそのかし、強盗犯罪を企てるストーリー。しかし、観ている誰もが話が進むに連れて、きっとこのように思うはずだ。これの何処がカンペキなんだ、ハァ~?計画とは名ばかりで、行き当たりバッタリ過ぎて笑えるし、そもそもこれが計画って言えるのか。だいたい強盗しようとする場所がコメディ並みの発想だし、しかも強盗の結末が最悪すぎて大笑い、では無くて悲しすぎる。
実は本作は強盗犯罪がメインの映画では無い。完璧だったはず?の犯罪計画の思わぬ誤算により、各々の人間の心に潜む欲望をあぶり出し、そしてボロボロに破滅へ向かって転落していく家族の様子を見て、我々はあることに気付く。やっぱり悪い時は何をしてもダメなんだ、と言う当たり前の事に。
破滅へ向かっていくと言っても、実は元々既に完全に崩壊していたように俺には思えたのだが、ある家族における悲劇の連鎖反応を描いたストーリーとは如何なるものか。
アンディ(フリップ・シーモア・ホフマン)はある会社の重役であるが、近日中に会社の会計監査があることにビビッていた。彼は従業員の金を横領しており、金の資金繰りに困っていたからだ。またアンディ(フリップ・シーモア・ホフマン)の弟ハンク(イーサン・ホーク)も金に困っていた。元妻との娘が通っている私立高校の学費を払うことができず、養育費も払うことが出来ず、、度々兄貴のアンディ(フリップ・シーモア・ホフマン)に金を借りていた。
アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は起死回生の一発を放つために、弟ハンク(イーサン・ホーク)にある犯罪計画の提案をする。それはある宝石店から大金と宝石を強盗すること。とある理由から簡単に成功するはずだったのだが、事態は想像もしていない展開に転がって行ってしまう・・・

ちなみにタイトル名は、まさに強盗を実行する時の曜日と時間を表わしている。ちなみに本作の構成は強盗事件の数日前の描写が描かれていたり時間軸がバラバラに飛んだりしているが、なかなかこの描き方が妙にサスペンスを盛り上げる。人によってはその構成がややこしいと思う人がいるかもしれないが、頭の中で整理するのは比較的簡単なように丁寧に作られているので何が何だかわからないことにはならないはずだ。
強盗シーンが決してメインでは無いが、なかなかの迫力。そして本来の主題である強盗事件をきっかけに兄弟、父子、夫婦間などに暴かれる各々の思惑、欲望、事実が浮かびだされる展開は見事。そして、ストーリーが進むに連れてアチャ~と思うシーンの連発。観ている最中はどんな結末を用意しているのかと思っていたのだが、なるほどそう来たか!と思える締め方も良かった。
フィリップ・シーモア・ホフマンって最近死んだことぐらいの知識しか無い人、シドニー・ルメット監督の遺作と聞いて心が惹かれた人、特にハッピーエンドな作品に見飽きた人にはその土曜日、7時58分はお勧めだ

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フィリップ・シーモア・ホフマン,イーサン・ホーク,マリサ・トメイ,アルバート・フィニー | |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
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フィリップ・シーモア・ホフマン,イーサン・ホーク,マリサ・トメイ,アルバート・フィニー | |
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監督は前述しているように巨匠シドニー・ルメット。アメリカ人の正義と良心に感動できる十二人の怒れる男、核戦争の恐怖を描いた未知への飛行、アル・パチーノ主演の異様な緊迫感で実話を基にした銀行強盗映画狼たちの午後、これまたアル・パチーノ主演の警官の汚職に1人で立ち向かう実話を基にした刑事映画セルピコ、まるで現代を予見したようなメディアの暴走とその裏側を描いたネットワーク、ポール・ニューマン主演のすっかり落ちぶれた弁護士が自らの正義、誇りを取り戻そうと奮闘する法廷映画の傑作評決などお勧め映画多数。その傑作群はまさに巨匠と呼ぶに相応しい映画監督です。
主演は先日46歳の若さで亡くなってしまったフィリップ・シーモア・ホフマン。アカデミー主演男優賞に輝いたカポーティ、名女優メリル・ストリープと堂々と渡り合ったダウト〜あるカトリック学校で〜、トム・クルーズ主演のミッション:インポッシブル3における悪役など印象に残る演技、名作が多数です。本当に若くして亡くなったのが勿体ない。
フィリップ・シーモア・ホフマンのダメ弟役にイーサン・ホーク。ジュード・ロウ、ユマ・サーマン共演の決して諦めてはいけない精神を学べるSF映画ガタカ、ヴァンパイアが多数存在して人間がマイノリティの存在になってしまった素っ頓狂な世界を描いたデイブレイカーがお勧め。
馬鹿兄弟のお父さん役で名優アルバート・フィニー。本作と同じくシドニー・ルメット監督で名女史のアガサ・クリスティの有名推理小説原作のオリエント急行殺人事件のエルキュール・ポワロ役で有名で、映画の方もお勧め。他にコーエン兄弟監督の異色ギャングムービーのミラーズ・クロッシング、ティム・バートン監督、ユアン・マクレガー主演のとっても素敵な気分になれるファンタジー映画のビッグ・フィッシュがお勧め。
フィリップ・シーモア・ホフマンの妻役でマリサ・トメイ。なんだか昔は親しみやすい可愛い子ちゃんのイメージがありましたが、本作ではすっかり大人の女性の色気を出しまくっていました。若い頃の作品ではジョー・ペシ共演のいとこのビニーがお勧め。比較的最近ではダーレン・アロノフスキー監督、ミッキー・ローク主演のレスラーのストリッパー役がとても良かったです。

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