雄大なモンタナの大自然を背景に、壮大なスケールで愛憎渦巻く人間ドラマが描かれているのが今回紹介する映画レジェンド・オブ・フォール。ひたすら我が儘な行動を繰り返しながらも、何故かみんなから愛される羨ましい主人公を演じているのがブラッド・ピット。愛されキャラを演じているブラピを見ていて、誰かに似ているよね~と考えていたのだが・・・な~んだ俺じゃん。いやいや本当に人気者は辛いと思わせるところなんかは共感しまくりだ。
実は本作は色々なテーマが有るようで、無いようで一言で語るのは難しい映画だ。ブラッド・ピット演じる主人公の美しさを堪能する気分で観るのが正しい観賞の仕方だと思うが、他の登場人物も様々な想いを抱えており、しかも大河ドラマ的にアメリカの時代背景の出来事を広くカバーしている。インディアン強制移住、第一次世界大戦、禁酒法・・・まで約60年間分を描いているが、その割に所要時間は130分ぐらい。美しい自然が出てきたと思うと血みどろのシーンが出てきたり、ブラピのオーラーが出まくっていたりで退屈感はまるでない。
殆んどの人はラブストーリーを期待して見る人が多いと思うが、本作のエドワード・ズウィック監督は良質な社会派作品の傑作を連発している人。ハリウッドの映画人は政治的にリベラル系の立場の人が多いが、この映画なんかはけっこうなアメリカ批判をしているように思わせるシーンがたくさんある。だいたいブラッド・ピット演じる主人公のキャラクターがネイティヴ・アメリカン(インディアン)の精神をモロに影響を受けている設定であり、彼が対立するのは兄弟ケンカも含めてアメリカのお役人が殆んどで、他に熊と戦っているシーンがあるぐらい。そのように考えると、にわかに理解しがたい主人公の行動も少しはわかったような気になれる。
まるでアメリカに背を向けるように放浪ぐせのある男の生き様、さらには良い死に方(?)まで学べるストーリーとは如何なるものか。
19世紀初めにおいて、インディアン討伐を行っていたウィリアム・ラドロー大佐(アンソニー・ホプキンス)だが、政府の残酷なやり方に失望し、モンタナの山奥で静かに暮らすことを求めた。その地で彼には長男アルフレッド(エイダン・クイン)、次男トリスタン(ブラッド・ピット)、三男サミュエル(ヘンリー・トーマス)の3人の息子に恵まれ、大自然の環境の中で子供たちも成長していく。
時は経ち、東部のハーバード大学から三男のサミュエル(ヘンリー・トーマス)が婚約者であるスザンナ(ジュリア・オーモンド)を連れて帰ってくる。スザンナ(ジュリア・オーモンド)の美しさに、アルフレッド(エイダン・クイン)、トリスタン(ブラッド・ピット)の2人の兄も魅了される。
やがて第一次世界大戦が勃発。父親のウィリアム(アンソニー・ホプキンス)の反対にも関わらず、3人の兄弟はヨーロッパ戦線へ出発する。スザンナ(ジュリアン・オーモンド)からサミュエル(ヘンリー・トーマス)の命を託されたトリスタン(ブラッド・ピット)だったが、過酷な戦争はサミュエル(ヘンリー・トーマス)を戦死という結果をもたらす。
そして戦地から帰ってきたアルフレッド(エイダン・クイン)はスザンナ(ジュリアン・オーモンド)にかねてから想っていたことを告白するのだが、彼女は彼を受け入れることができない。しばらくして、サミュエル(ヘンリー・トーマス)を助けられなかった後悔の意識から故郷へ戻らなかったトリスタン(ブラッド・ピット)だったが、いきなり帰ってきた。実はスザンナ(ジュリアン・オーモンド)は心の中ではトリスタン(ブラッド・ピット)の事を愛しており、2人は結ばれる。
そのことを知ったアルフレッド(エイダン・クイン)は家を出てしまうのだが、ここからアルフレッド(エイダン・クイン)とトリスタン(ブラッド・ピット)の兄弟確執は本格化するのだが・・・
ハンサムな兄弟が美しい女性を奪い合う、なんてストーリーは妄想の激しい女性なら憧れそうなストーリーだが、本作はそのような想いを吹き飛ばしてしまう結果が待っている。この映画の凄いところはトリスタン(ブラッド・ピット)が愛した者、または彼を愛した者には、ことごとく不幸が訪れること。その元凶を突き止めるとアメリカという国家そのものだったということに気付くと、なかなかこの映画は味わい深い。
他にも主人公のトリスタンという名前からして意味深だし、トリスタン(ブラッド・ピット)の宿命のライバルが熊という件も笑えるようで実は考えさせられるし、アメリカの歴史についても考えさせられるし、何だか他にも俺が気づいていないことがたくさんあるような気がする。
しかし、そんな深読みしなくても充分にこの映画は楽しめる。モンタナの大自然は圧倒的で見ているだけで素敵な気分になれるし、恋愛映画として見ても美しいシーンが多くて楽しめるし、骨肉の争いは人間ドラマとして見応えがあるし、復讐劇としても親子、兄弟、友情など固い結束が描かれているので不快感なんかまるでない。ブラッド・ピットが大好きな人ならば男女を問わずに楽しめるし、アンソニー・ホプキンスや他の登場人物たちが抱える想いは観ている側にも熱い想いとして伝わってくるだけに人間ドラマとして見応えがある。
現在の大河ドラマは視聴率がかなり悪いとの噂を聞くが、俺に言わせれば毎週の如く1時間近くあるドラマなんかは無駄なシーンを付け足しているのだからダラダラ感があって面白く無いのは当然の事。本作はそのように考えれば中味が130分間でギュッと凝縮されている。今回は映画レジェンド・オブ・フォールを万人にお勧めしたい映画として紹介しておこう
監督は前述したように社会派作品の傑作を連発するエドワード・ズウィック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマンが一躍スターダムに登りつめる結果になったグローリー、トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之などが競演してラストサムライ、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー競演のブラッド・ダイヤモンドがお勧め。
そして今となっては懐かしいデミ・ムーアが最も綺麗だったと思えるきのうの夜は…もお勧めに挙げておきます。
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実は本作は色々なテーマが有るようで、無いようで一言で語るのは難しい映画だ。ブラッド・ピット演じる主人公の美しさを堪能する気分で観るのが正しい観賞の仕方だと思うが、他の登場人物も様々な想いを抱えており、しかも大河ドラマ的にアメリカの時代背景の出来事を広くカバーしている。インディアン強制移住、第一次世界大戦、禁酒法・・・まで約60年間分を描いているが、その割に所要時間は130分ぐらい。美しい自然が出てきたと思うと血みどろのシーンが出てきたり、ブラピのオーラーが出まくっていたりで退屈感はまるでない。
殆んどの人はラブストーリーを期待して見る人が多いと思うが、本作のエドワード・ズウィック監督は良質な社会派作品の傑作を連発している人。ハリウッドの映画人は政治的にリベラル系の立場の人が多いが、この映画なんかはけっこうなアメリカ批判をしているように思わせるシーンがたくさんある。だいたいブラッド・ピット演じる主人公のキャラクターがネイティヴ・アメリカン(インディアン)の精神をモロに影響を受けている設定であり、彼が対立するのは兄弟ケンカも含めてアメリカのお役人が殆んどで、他に熊と戦っているシーンがあるぐらい。そのように考えると、にわかに理解しがたい主人公の行動も少しはわかったような気になれる。
まるでアメリカに背を向けるように放浪ぐせのある男の生き様、さらには良い死に方(?)まで学べるストーリーとは如何なるものか。
19世紀初めにおいて、インディアン討伐を行っていたウィリアム・ラドロー大佐(アンソニー・ホプキンス)だが、政府の残酷なやり方に失望し、モンタナの山奥で静かに暮らすことを求めた。その地で彼には長男アルフレッド(エイダン・クイン)、次男トリスタン(ブラッド・ピット)、三男サミュエル(ヘンリー・トーマス)の3人の息子に恵まれ、大自然の環境の中で子供たちも成長していく。
時は経ち、東部のハーバード大学から三男のサミュエル(ヘンリー・トーマス)が婚約者であるスザンナ(ジュリア・オーモンド)を連れて帰ってくる。スザンナ(ジュリア・オーモンド)の美しさに、アルフレッド(エイダン・クイン)、トリスタン(ブラッド・ピット)の2人の兄も魅了される。
やがて第一次世界大戦が勃発。父親のウィリアム(アンソニー・ホプキンス)の反対にも関わらず、3人の兄弟はヨーロッパ戦線へ出発する。スザンナ(ジュリアン・オーモンド)からサミュエル(ヘンリー・トーマス)の命を託されたトリスタン(ブラッド・ピット)だったが、過酷な戦争はサミュエル(ヘンリー・トーマス)を戦死という結果をもたらす。
そして戦地から帰ってきたアルフレッド(エイダン・クイン)はスザンナ(ジュリアン・オーモンド)にかねてから想っていたことを告白するのだが、彼女は彼を受け入れることができない。しばらくして、サミュエル(ヘンリー・トーマス)を助けられなかった後悔の意識から故郷へ戻らなかったトリスタン(ブラッド・ピット)だったが、いきなり帰ってきた。実はスザンナ(ジュリアン・オーモンド)は心の中ではトリスタン(ブラッド・ピット)の事を愛しており、2人は結ばれる。
そのことを知ったアルフレッド(エイダン・クイン)は家を出てしまうのだが、ここからアルフレッド(エイダン・クイン)とトリスタン(ブラッド・ピット)の兄弟確執は本格化するのだが・・・
ハンサムな兄弟が美しい女性を奪い合う、なんてストーリーは妄想の激しい女性なら憧れそうなストーリーだが、本作はそのような想いを吹き飛ばしてしまう結果が待っている。この映画の凄いところはトリスタン(ブラッド・ピット)が愛した者、または彼を愛した者には、ことごとく不幸が訪れること。その元凶を突き止めるとアメリカという国家そのものだったということに気付くと、なかなかこの映画は味わい深い。
他にも主人公のトリスタンという名前からして意味深だし、トリスタン(ブラッド・ピット)の宿命のライバルが熊という件も笑えるようで実は考えさせられるし、アメリカの歴史についても考えさせられるし、何だか他にも俺が気づいていないことがたくさんあるような気がする。
しかし、そんな深読みしなくても充分にこの映画は楽しめる。モンタナの大自然は圧倒的で見ているだけで素敵な気分になれるし、恋愛映画として見ても美しいシーンが多くて楽しめるし、骨肉の争いは人間ドラマとして見応えがあるし、復讐劇としても親子、兄弟、友情など固い結束が描かれているので不快感なんかまるでない。ブラッド・ピットが大好きな人ならば男女を問わずに楽しめるし、アンソニー・ホプキンスや他の登場人物たちが抱える想いは観ている側にも熱い想いとして伝わってくるだけに人間ドラマとして見応えがある。
現在の大河ドラマは視聴率がかなり悪いとの噂を聞くが、俺に言わせれば毎週の如く1時間近くあるドラマなんかは無駄なシーンを付け足しているのだからダラダラ感があって面白く無いのは当然の事。本作はそのように考えれば中味が130分間でギュッと凝縮されている。今回は映画レジェンド・オブ・フォールを万人にお勧めしたい映画として紹介しておこう
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監督は前述したように社会派作品の傑作を連発するエドワード・ズウィック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマンが一躍スターダムに登りつめる結果になったグローリー、トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之などが競演してラストサムライ、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー競演のブラッド・ダイヤモンドがお勧め。
そして今となっては懐かしいデミ・ムーアが最も綺麗だったと思えるきのうの夜は…もお勧めに挙げておきます。
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