褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ラ・スクムーン(1972) フランス製ギャング映画

2024年11月10日 | 映画(ら行)
 ギャングやヤクザをテーマにした犯罪映画なんかは今までも多く制作されてきているが、フランス製の犯罪映画となるとハリウッドのド派手なドンパチとは違って渋い雰囲気がある。そんなフランス製犯罪映画の魅力が詰まっている作品が今回紹介する映画ラ・スクムーン。当時フランス映画界でアラン・ドロンと双璧をなした人気者であるジャン=ポール・ベルモント主演の傑作だ。
 ちなみに本作で監督を務めるのがジョゼ・ジョヴァンニだが、彼の原作小説(ひとり狼)が基になっており自ら監督に乗り出している。ちなみにこの人は元々が強盗犯。その時の経験を小説に書いてきた人だが、本作も彼の経験が大いに活かされている作品である。

 早速だが、ベルモンド主演の作品の中でも面白い部類に入るストーリーの紹介を。
 1943年のマルセイユ。暗黒街であるマルセイユにおいて勢力を伸ばしつつあったザビエ(ミシェル・コンスタンタン)はボスの気に障り、罠に嵌って刑務所に送られてしまう。ザビエの親友であり、ラ・スクムーン(疫病神の意味)と仇名されるロベルト(ジャン=ポール・ベルモント)は親友を助けるためにマルセイユへやってくる。
 ロベルトは、マルセイユに到着して早々に刺客を向けられるがアッサリと返り討ち。逆にボスの所へ向かって成り行きでボスを射殺してしまい、ボスの縄張りを得ることに成功するのだが、裁判は非情にもザビエを強制労働20年の宣告。ロベルトはザビエの妹であるジョルジア(クラウディア・カルディナーレ)と協力してザビエを助け出そうと計画するのだが・・・

 親友を刑務所からの救出作戦がメインかと思いきや、ロベルトもザビエと同じ刑務所内にぶち込まれてしまうことになる。そこから脱獄作戦が見れるのかと思いきや、そんなシーンは全くないし、それどころか過酷な労働条件をのんで刑期を全うするのだが、ロベルトはあまりにもの代償を払うことになってしまうことに涙が出そうなる。
 暗黒映画ではあるが、実はロベルトとザビエの友情に胸が熱くなるストーリー。その友情の結末の悲哀はこれぞフランス製と言えるだろう。音楽は聴き心地が良いし、オープニングシーンが凝っている。そしてジョン・ウー監督が本作に大きく影響を受けていることがわかるアクションシーンも楽しい。
 実は本作品は同じベルモンドが同じ役を演じた勝負(かた)をつけろのリメイク作品。リメイク基はモノクロの映像だったが、本作はカラー作品。カラーにすることによってベルモンドの白色のマフラーは映えるし、クラウディア・カルディナーレが非常に華やか。なぜジョゼ・ジョヴァンニ監督が改めて自らの小説の作品をリメイクしようとしたのか理由が少しばかりわかったような気がした。ちなみに勝負(かた)をつけろとはエンディングが違うがこちらもお勧めだ。
 伝統的にすら感じさせるフレンチノワールに興味がある人、格好いいジャン・ポール=ベルモンドを見たい人、渋い暗黒街を描いた映画を観たい人には今回はラ・スクムーンをお勧めに挙げておこう

 監督は前述したように小説家であり強盗犯だったジョゼ・ジョヴァンニ。他ではアラン・ドロンとジャン・ギャバンが共演した暗黒街のふたりがお勧め。










 
 
 
 
 
  

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