褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 驟雨(1956) リアルな夫婦生活を描く

2025年02月08日 | 映画(さ行)
 生涯独身の俺にはわからないのだが、おおよそ夫婦の倦怠期というのは結婚して何年目ぐらいから入るのだろう。倦怠期なんか訪れず末永く夫婦ラブラブなんて人も少なからず居るのだろうか?そんなことを、ふと考えさせられた映画が今回紹介する驟雨。ちなみに読み方は『しゅうう』と呼び、意味は『急にどっと降りだして、しばらくするとやんでしまう雨のこと』(goo辞書より)。
 本作の佐野周二原節子が演じる夫婦が突然言い合いを始めたり、また元通りになったりする様子の例えとして驟雨がタイトル名になっている。よく夫婦をテーマにした映画に、夫婦の絆を描いた作品を見受けられるが、本作から夫婦の固い絆を感じることはできない。なんせ冒頭から退屈そうに夫婦そろって欠伸をするシーンから始まるのだ。

 これがごく普通の夫婦関係だと感じさせるストーリーの紹介を。
 結婚して4年目になる並木 亮太郎(佐野周二)と文子(原節子)夫妻だが、子供もおらず日常の会話も特にはずむこともない。日曜日の朝から、くだらないことで言い合いを始めた2人だが、ばつが悪くなった遼太郎は家を出てしまう。そして夕方になると新婚旅行に行っていたはずの姪っ子のあや子(香川京子)が家へやってくる。
 文子はあや子の旦那に対する愚痴を聞いてあげている時に、亮太郎が帰ってくるのだが彼は何かとあや子の旦那の肩を持つ発言をしてしまい・・・

 昭和30年代の東京を舞台にしており、この時代の資料的な要素も本作から見てとれる。駅の様子、商店街、そして会社勤めのストレス、女性の社会進出に対する抵抗感など興味を惹きつけられる。そんな時代背景よりも、笑わせるのが何気ないことを発端としての夫婦喧嘩が繰り広げられること。現在なら夫婦間によるDVなんかが問題になるが、この時代の夫婦喧嘩の長閑さを感じさせるし、笑わせる。
 また、亮太郎が昔風の日本の夫像を感じさせるように、家庭のことにはまるで無関心で妻に丸投げ。亮太郎はどうやら胃潰瘍らしく薬を服用しているのだが、その薬も自分で取ればいいのに、偉そうに妻に指図して薬を取らせる始末。しかし、このぐうたらさも笑わせる。まあ、男って偉そうにしていても所詮はこんなもんだということが本作を観ればよく理解できる。
 度々描かれる夫婦喧嘩は笑わせるし、難しい近所付き合いもユーモアをもって描かれている。そして夫婦って良いよねと思わせるラストシーンが逸品だ。ちょっとばかしコメディが入っているかのような驟雨を今回はお勧めに挙げておこう

 監督は日本が誇る名匠成瀬巳喜男。本作とよく似ているタッチのめし、そして女の執念を感じさせる浮雲がお勧め

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