カツ丼が好きだ。それも半熟玉子でとじた「とじ系」をこよなく愛するのだが、
今回はちがう。歴史上、とじより先に存在したといわれるソースカツ丼を喰いに来た。
早稲田界隈で生まれ、発明者がクニへ帰り、そこで食堂を始めた。
それが、福井にあるヨーロッパ軒といわれる有名店。
そこからのれん分けで、昭和14年に「敦賀ヨーロッパ軒」が出来た。
敦賀駅前の喫茶店で地元衆にリサーチしたところ、4店舗あるが店で全然ちがうと言う。
ぶっちゃけると本店はダメだといわれ、原型の丼スタイルを守る店というので、
岡山店か中央店を推奨された。めしの炊き方も違うのだという。
よし、その進言に乗ろうぢゃないの・・・と、岡山店へ。
敦賀から西へと移動した、あんまり観光客は来なさそうな場所にある。
一見ファミリーレストランっぽい普請。お城のような本店といい、店舗のセンスはない。
自販機の処に座り込んでる男が、右端の自転車で旅行中の人。
自転車で日本一周もいいが、近ごろ非常にイメージが悪い。
富田林署から脱走して、自転車旅行に化けて捕まった野郎がいたので。
この自転車の持ち主に聞いたらば、やはりあちこちで怪しまれるんだと。
ちゃんと怪しくないと書いてある(笑)。
まぁ、これが旅先での話の糸口になるのだという。
黙々と自転車旅行すればいいのに、人と交わりたいのか…よくわからんな。
開店してすぐだったので待ち客はいなかった。
しかし…こんなに地元の人が来るのかというほど、続々に車が乗り付ける。
しかも、平日なのに…。
右席、年老いた母と、中年息子のカップルがいたが、すごい盛りのカツ丼をわしわし喰っている。
ちっこいバアサンがだよ。すげぇなこの辺の年寄は…肉体労働でもしてるのか。
とにかく、ベーシックなカツ丼をたのむことにした。
来たのがコレだ。 ビジュアルは強力だ。
フタはフタの意味を成さない。
大きなカツが3枚。 油っぽさを感じさせない、ヒレに近いトンカツ。
ソースにトプンと浸けて、丼めしに載せてある。 。
カツを載せてあるだけでなく、ちゃんと下のごはんにソースがかけてある。
つゆだくではないが、しっかりとごはんに滲みているのが嬉しいところ。
わき目もふらず、一心不乱にカツを齧り、めしを頬張る。
何を書いわんや、の美味さ。
ソースだって、そんじょそこらの市販されているウスターとは訳が違う。
僅かにスパイスを感じさせるが、あっさりとした醤油に近いウスターソース。
食べ進むうちにソースが飛んでしまうので、何度かソースをかけ回した。
考えりゃ、まぁまぁの量を飲んだことになる・・・。
ツレがたのんだのは、こちらの海老丼。 開いてあるのでこの形状。
いずれも¥800だった。
安くはないが、高くもなかろう。
福井県人のソウルフードをしかといただいた。
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