読んで下すってる方には甚だ冗長になるかもしれないが、備忘録の意味もあるので、長くなることお許し願っておく。
嵐山の天空は晴れて月が照らし、大堰川の水面を屋形船が行く。
・・・・・・ところが、長くなるよと言い残したまま記事が一切アップされないとは、トンズラでもかましやがったかとお思いの方もいるようで。
いいえ、単に休憩に入っておりました。画像の枚数の多さにたじろぐばかり。いや、そんなことも言ってられません。それでは失敬して再開!
7時前だというのに観光地嵐山はすでに暗く、寒々として歩いている人の姿はほとんど見えない。例年ならば嵐山から大堰川へと吹き降ろす冷たい風に震え上がるだろうが、今年のこの暖冬に背を伸ばして歩けるのは有難い。
橋から東を桂川、橋より西を大堰川(おおいがわ)、さらに遡れば保津川となる。この川に沿って、数分そぞろ歩いた所にある。
車で乗りつけるお客が多い中、こちらは徒歩さね。
わびた門構えに「吉兆」の表札。
入って右方向にある離れへ。本当は薄暮の時間に到着して、
庭などを拝見したかったのだが諦めた。
部屋は暖房がきき、掃き清められ、寸分の緩みもない。
まず福茶をいただきほっとする。ほどなく盆が運ばれる。
盆の上には紅い酒盃が置かれ、まずは迎えの酒を女将から注がれ、
ゆるりと一夜の饗宴が始まった。
向附 春菜このこ
永楽得全 黄交趾梅鉢
こごみ、うるいなど、春の山菜を生このこで和えてある。
煮物 かに 焼豆腐
鶯宿梅 蒔絵碗
出雲、十六島(うっぷるい)の岩海苔を浮かべると、さらに磯の薫りが
加わる。圧巻。仲居さんが味付けの濃淡を訊ねる。すこ~し濃いめ。
連れは薄めを所望。僕は酒を飲むため、このままとする。
麦酒から冷酒へ。「吉兆貞翁」という自社ブランド。大変結構なり。
造里 ふぐ薄造 古染付皿
小浸け三種。左より、ふきのとう醤油、あん肝醤油、ちり酢。
仲居さんの助言により、あん肝醤油を取りおき、酒肴とする。
同、 いかとろ 惺入 黄瀬戸梅鉢
烏賊とトロのたたき 葱生姜 大蒜のチップを添えて。
箸やすめ 蛤小茶碗 粉引小茶碗
蛤の茶碗蒸し、揚げ米が香ばしい
八寸 蟹酢、海老とキャビア、赤貝ぬた、からすみと蕪、
小松菜おしたし、ぐじ・もろみ味噌、厚焼き玉子、
黒盆 紅白梅飾り 水仙
仲居の志賀夕子さんが取り分けてくれる。彼女の微笑をたたえたほどのいいサービスによって快適に過ごせた。
焼物 宝楽割
突然、お多福の面と木槌が登場。
二月は節分の趣向だという。客が食事の手を止めて参加する、
こういう遊びを持ってくるところも吉兆流と推察する。
このかわらけの器を、客が槌で叩き割る。
愛宕山でしたか、かわらけ投げをするところは。
このかわらけを叩き割ったり壊したりすることで、
昔の人は厄落としになると考えたのか。
割る際に唱える文句がある・・・
「鬼は外、福は内、壬生大念仏 厄おとし」と唱える。
本当は地方のお姐さんの三味の音でも入るといいのだろうが。
これは外国からの客もさぞ喜ぶだろう。
中からお多福の絵と、「宝珠」「萌」と書いた和紙の包みが出てきた。
一体何が入っているのか・・・?
⇒何しろ、画像の枚数が多い!なので後日へと続くのだぁ~!。
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