尼崎という街、鹿児島、沖縄出身の住民が少なくない。
それは、大正時代、沖縄と大阪が航路で結ばれ、尼崎は九条と並び、重要な港であったことから。
尼崎の工場地帯にも多くの労働力が南から流入していたと考えられる。
西成系、大正系、生野系ホルモン焼き、いろいろにあれど、
それぞれの町に生きる人たちを反映していとおかし。
ここは40年以上続く店。もちろん昼間っから一杯やれる。近所の人がおかずに買って帰る。
店先のホルモン用の鉄板がいい具合にくたびれて、斜めに傾いている。
もちろん郷に入れば郷に従い、ホルモンをいただくのが常道。
大腸、肺など。コテコテに見えて、意外に薄味なのである。
ボクなどはもう少し、醤油もニンニクなんぞもきかしてと思うが、このアッサリ感が長年信任されてきた。
冷奴を入れるケースのような、これを楊枝でつつきながら焼酎湯割りなんぞをグビグビ。
一味をかけて、この場合七味ではダメだ、一味。 飲んで鼻つまんで走り出したい気分。
ああ、このディープ感。 そして解放感。 なんだろう、男はこういうのがたまに食べたくなる。
いや、食べたいというと語弊がある。 こういう気取りのない店の空気の中に身を置きたくなる。
そして、まだまだいける!と気合を入れ、ふんどしを締め直してシャバへと歩き出す。
昼間、仕事を抜け出してこういう店でぐだぐだしてる気持ちは悪くない。ぜひ、会社で叱られた
営業マン諸君には、外回りと称して来てもらいたい。今日はまぁいいさ、明日があるという気になるぞ。
ここが圧巻! 4本ほどの商店街の出口(入口でも)がすべてここに集まっている。
体内の静脈だか動脈が集まっている場所のようだ。
そんな場所でホルモンを食べる気持ちは、格別なのである。
ホルモン焼き「鹿児島屋」 尼崎市玄番北之町 出屋敷との中間辺り
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