私は似てると思うんだな、にこみとたたみ。
いつもたたみ屋の看板を見て、にこみを想像してたから。
よく見りゃ、たたみという文字の中ににこみが入ってる。
以前から佇まいが気にいってた、烏丸、綾小路の角店。
かつて、ここは床屋だったという。
店先を撮ってると、ひょいと女性に先を越される。
お連れさんぢゃないよ。
外側はそのままに、中はカウンターで一杯やれる店になっている。
こういうのがいいんだ、新しいのに建て替えるばかりが能ぢゃない。
つめビを一杯頂いて。 ふ~ん、ポテトサラダがあるんだ。
いただきましょう。
あたしゃ、某雑誌の企画で、自称ポテサラ評論家を名乗ったことさえある、
ポテトサラダlove人間。
腹が張るのだけ気にしなければ、こんないい肴はないと思っている。
ここのはシンプル。芋と玉葱のみ。350円
昔、祖師谷大蔵の駅すぐに、こんな感じのポテサラの名店があった。
(たぶん、もうない)
ミノポン酢 650円
貝柱のような、シャクシャクした食感がまことに軽快。
内臓だなんて、目隠しすればわからない。
一つ一つの所作が丁寧である。
ご主人と親しく話させてもらったが、酒が過ぎて見事に憶えていない。
「にこみ屋鈴や」なんだから、煮込みはいっておかねばならない。
もつ煮込み 600円
和辛子をつけて・・・ああ、こいつはよござんすな。
煮込みにはちがいないが、醤油と味噌でグラグラ炊いて、一味ぶっかけて
鼻摘まんで全力疾走して酔うような、戦後闇市的煮込みにあらず。
やっぱり、京都の煮込みになっているところがいい感じだ。
こっちは、すじ煮込み600円
仕込みもちゃんと手がかかっている。
この仕事のペースが乱れるほど客は来てはいけない。
かつて床屋に集まった連中が、そのまんまここのカウンターで静かに一杯・・・
と、いければいいが、はたして御存命の方がいるかどうか。
女性たちが煮込みで一杯やってる。
それを眺めながら飲むのも、悪い気がしない。
すじ焼きなどもあり、豆腐に煮抜きのおでんなんてのもある。
BGMなんぞないのが気がきいている。
そう、静かにやりたいねぇ。
静けさの中にいると、どこからかかつての顔剃りカミソリを砥ぐ音が
シャッシャッと聴こえてきたりするもんだ。
あの通り、綾小路通っていうんでしょうか、古い町家や暖簾をくぐってみたい店が結構あって、一度ゆっくりぶらぶらしてみたいものです。
キョロキョロしていたら、ありましたありました、レトロモダン(?)なお店が。
むちゃくちゃ暑い日だったので、喉が渇いて早速生ビール。
あれ、コップですやん。その後頼んだハイボールもコップ。
さすが京都、上品やなあ、でもグビグビプハーしたい時は大きなジョッキがええなあ。
写真に触発されてポテサラとモツ味噌煮込みと豆腐・卵を頼みました。うまかったなあ。味がよくしゅんでました。
ご主人と息子さん(?)でしょうか、若い方が生肉を下ごしらえしていましたが、非常に丁寧にしつこいくらい肉をしごいていたのを見て、ああ、うまいもんはやっぱり手がかかるんや、と実感しました。