ほろよいで次に向かったのは、円頓寺。
昔、あっちこっちほっつき歩いてた頃には、寂れた駅裏の商店街みたいなところだったが、
戦争で焼けなかった町家が周辺にいくらも残り、そこへ新鮮に感じる若者の流入もあって、
大阪でいう中津や福島みたいに注目のエリアみたいになっていた。
変われば変わるもので、街なんてものは短いスパンであたふたしてはいけないのかもしれない。
さて、ず~っとマークしてて、ようやく来れた「五條」。
ここは死んだ料理研究家 加藤敏彦さんから聞いていた。
どうよ、この佇まい。 ひやかしお断り的な、他の追随を許さぬ孤高の存在がある。
まずは敬意を払って、看板のどて焼き。
八丁味噌がデミグラスソースのようだ。
大阪と違うのは、豚モツであること。
ちょっと甘めの味付け、これが名古屋だ。
一味をかけようとすると・・・・・・見たこともないメーカーだ。
名古屋のローカルブランドのようだ。 これぞ旅の醍醐味なり。
美味なるものは美しきかな…。
どて焼き ¥280
続いて、串かつを所望!
これも基本、名古屋ではとんかつである。
1本¥80
バットの中にウスターのプールがある。
いわずもがなの二度づけ禁止。
せっかくなので愛知風に、どて味噌につけてみた。
ソース一辺倒でなく、こっちも好き。
但し、名古屋に来てやらないと、大阪でやっても有難くない。
ちょっと甘ったるくなった口は、ハイボールで洗い流して。
きゅうり昆布漬 ¥250 きゅうりの浅漬けに潮吹き昆布をまぶしてある。
ちょっとおつな、箸休めになる。
釜前の亭主。 妻が接客。 おばさんの愛想は決してよくない。
鶏皮の唐揚げ ¥300
だがね…、飛び込みの一介の旅人に対して余り愛想がいいっていうのも考えもの。
この歳になると、ある程度放って置いてくれた方が親切というか…
いろいろと想像をたくましくすることが大事なので、愛想の悪いのもまた愛想のうちなのだ。
ああ、大人というのは、ややこしいわ。
とん焼き、皮焼き 各¥100
それになんこつを一皿 ¥300
名古屋も棄てたもんぢゃない。
し、失敬な…いいぢゃん、名古屋の気分と言えねぇか。
店をポイッと出ると、いつの間にか陽は落ちかけていた。
大阪へ帰りたくないが、さりとて名古屋にゃゆっくり酌み交わす酒友もいない。
まだ帰りの電車までには、十分時間がある。
とにかく、街を歩きだしたのだった。
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