昨年できたという、道頓堀のかろのうろん。
角にあるうどん屋というと、それだけで分かるだろうさ。
細うどんを看板になかなか立派な商いをなさっている。
米粉が混ざっているのであろう、透き通るような麺は喉越しもよく、
山かけざるは清涼感のあるものだった・・・はずだった。
夕刻の時間、若い職人とおばはん以外、客はいなかった。
店はオープンキッチン。カウンターの端の席、ゆで釜の前に座った。
目の前の釜とカウンターは、透明なガラスで遮られている。
まず我々の注文を聞いた職人は、麺を二人前、茹で釜に投げ入れた。
喧嘩売ってるのでもなさそうだ。
食べ物に対して、ずいぶん乱暴な扱いだなと思った。
茹でた麺はとなりの水場で洗って締めるのであるが、麺を1人前ずつ
まとめるお椀を、またも水に投げ入れた。
ビシャッ!!顔の前のガラスに水が飛んだ。
その後、入ってきた客のうどんの際もビシャッと来たから、
職人は毎回これをやっているようだ。ふ~ん・・・さよか。
顔にかかったわけではないが、いい気はせんわな。
ここまではまだ許そう。問題はダシの入ったポリタンクだ。
ポリタンクのダシを、火にかけた鍋に入れた。
相方がたのんだ天ぷらうどんを作るためだ。
その際、片手はポリタンクの底をしっかりと触っている~~!
濡れた床にじかに置いた薄汚れたポリタンクの底を!である。
むろん職人は手など洗うはずもなかった。
こっちのは冷たいうどんだ。つゆにうずら卵を入れ、
小口に切ったネギを(やめてくれ)手で入れ、
茹で上げた麺をざるの上へ置き、「さわるな!」と祈ったが、
神は見放され、職人は両手で麺を触って広げた。それが上の麺だ!
オープンキッチンをなんと心得るか。全部丸見えや。
注文を出し終えると、そそくさと煙草を吸いに奥に引っ込んだ。
しかし、よく食うよなぁ、オレも。これがそこそこ食えたのだから、
オレも浅ましい、というか情けない。
しかめッツラのおばはんといい、やる気のない職人といい、
道頓堀で勝負をかける後発店のやることではなかろう。
一体ぜんたい、どういうオペレーションをしているのか。
こういう雑なことをやる店に、間違って観光客は入ってしまい、
「ああ、大阪の本場のうどんとはこげなもんか」と誤解されることが
腹立たしい。
無国籍の道頓堀と成り果ててはいるが、上方のツラ汚しも甚だしい。
即刻心根を叩き直さない限り、早々に撤退することになるのは
必至とみた。
中央区道頓堀 秘するは武士の情け
秋には串カツのだるまが道頓堀に進出。
来春には浪花座あとの極楽商店街が撤退します。あれだけ歯抜けになりゃあね。Sammyなさけなや。
中座あとも角座あとも閉めてます。道頓堀は一種の象徴的なポイント。あの辺が元気にならんことには大阪どないもならんでしょう。