十三の内環状高架下にある「イバタ酒店」。酒屋の倉庫がそのまんま立ち飲みになっている。梁やなんかはムキだしのコンクリートそのまんま。イマどきのウチッ放しではないよ。
ここは女人禁制。男子校育ちのアタシにはふにゃふにゃした飲み屋よか、男だけの方がなんぼか気分がいい。酒ケースの上にコートを投げ捨てて、さぁ飲むで~!
湯豆腐にお湯割り。おでんも3種、大根・厚揚げ・ごぼ天。
ここでは、かる~く下地をつくる程度。
イバタを出て、向かいにある天麩羅屋へ。ここに天麩羅屋があることはぶとり会のロッケン師匠に教わり、マークしていた。
小さなカウンターだけの店で、中には熟年のご夫婦。寡黙な亭主が揚げる。放蕩を尽くした夫がしっかり者の嫁と小さな店を持つ。「夫婦善哉」やなぁ、と勝手な想像。
アナゴ
イカ
キス
貝柱。サクサクと軽い。この辺りは塩でどんどん行ってしまう。
海老 天麩羅に海老がないのは江戸前寿司に鮪がないのと同じ。
活車海老という訳にはいかないが、これだって充分にイケる。
アスパラ 天つゆか塩か意見の分かれるところ。
油はサラダ油に、カドヤの胡麻油をブレンドしている。
サラダ油だけではこうはいかない。
ナス 今が旬ではおまへんが、油との相性抜群。
シイタケ えっと詰め物してあったかどうかは忘れた…
レンコン 歯触り好きやぁ~
オクラ…と、これだけ食べて¥1200はどうだ。安いし美味い。
こんな店、東京にゃないぞ。目むくほど高い天麩羅屋はあっても。
いろいろひねった食材はないけれど、それはそれでいい。
材料も吟味すれば3倍以上はする。まさに串カツ感覚で楽しめる天麩羅屋。天麩羅で飲ませる店でありながら、どこかで十銭天麩羅の風情(織田作「夫婦善哉」の冒頭にあるような…)を残しているようで嬉しくなった。
で、シメは・・・
通称、ションベン横丁の「十三トリス」。昭和30年代、全国を席巻した
トリスバーの生き残り。江川さんは生ビールを注ぐマイスターでもある。
角ハイボールと平天。
ここはフードメニューが多く、イカ焼きなんかもあって、いかにも食いしん坊の十三のバーなんだなぁ。いいのダ、十三!
こううまいものレポート続くと、うらやましひ通り越して、それが叶わぬ我が分までしっかりたのしんでくれぃという境地である。
しかし、皿が出るたびに粋にデジカメ振り回すのはムズカシかろ。
写真とっときゃよかったと思い出すのはいつも食った後。
熱いものは熱いうちにが原則だから、あくまで記録なんだけど、どうせならアングルも、なんてスケベ心が出てしまう。店の人間に盗みにきた…と思われるのがイヤなので、はっきり言う場合もあるしね。はせ川ではもちろん言って撮ってます。
0の確認を何度もしてしまったくらいw
天麩羅盛り合わせならこの価格であっても、
揚げたてを一つずつとは!!驚きです。
外食が多い私ですが、いくら天麩羅が好きでも、天麩羅専門店の価格は納得いかず、殆ど近づきません。
こんなお店が都内にあったら繁盛すると思います。
本郷の「天満佐」で初めて胡麻油をきかせた天ぷらを知り、吉原土手の「伊勢屋」の天丼とかも好きでした。神保町の「いもや」もよく行ったなぁ…。
寿司、天麩羅、蕎麦、ラーメンは圧倒的に東京が旨かったのですが、これだけ情報も行き渡ると、大阪でもそこそこ食べさせる店ができ、そこがつまらないところです。
でも天ぷら、高いぜよ!本マグロなんてないはずなのに、なにゆえあれだけするのだろ?大阪にも世界の要人が来る「一宝」なんて立派な店がありますがね。
天ぷらってそんな食い物ぢゃねぇ気がするんだけど。