「座裏」、かつてのなんば新歌舞伎座裏のことだ。 裏路地に怪しげなオカマスナックなどもあったが、
新歌舞伎座が取り壊された今、生き残りをかけてレベルの高い飲食店も増えているらしい。
新歌舞伎座の周囲は塀が張り巡らされ、建築計画によると来年7月、ここに地上19階建ての
ホテルが出来るという。隈研吾事務所、鹿島建設の受注。 名称はベルコ難波ビル。
あの冠婚葬祭のベルコだろう。 持ってやがんなぁ~。
さて世に日本酒にこだわる店は多いけれど、その嚆矢ともいえるのが「山三」。
酒蔵訪問や酒米の田植えなど、積極的に裾野を広げてきたのが、主人山瀬さん。
ずいぶん久しぶりになってしまったが、行っとかなきゃ。
一時、健康を害しておられたと聞いたが、秋田県の酒の会でもお会いしたし、
お元気そうで安心、ご夫婦とも。
まずは薄ら寒かったので、片野桜の燗酒。
結構ですな。 あては赤なまこの酢の物。
大阪のまん真ん中にありながら、ここは大阪のステレオタイプだと思うと大違い。
大阪人らしい(?)押しの強さなんか無い。
お客様が神様的な大仰な接客も無し、 ひたすら旨い酒を飲む店。
久々に行っても、たぶん毎日行っても、客との距離感は守って小ざっぱりしている。
ただ言っておくが、料理は遅いので、気長に会話したり、物思いにふけったりしていよう。
乾坤一(大沼酒造店・宮城)に。
いつものように、よこわの胡麻醤油和えで行こうとするも、
「かつお、あるよ?」と勧められ、ほいほいと乗っかる。
この店は乗っかっておいて、間違いはないだろう。
ただ、繰り返すが料理の出は遅いからね。料理は一人だし、ま、気長に。
これはいいね。 たたきばかりが鰹ぢゃないよ。
生姜や山葵で食べる鰹のさっぱりとした、それでいてヘモグロビンの酸を感じる味わい。
これは日本酒をよぶ。
もう一杯所望すると、主人が見立ててくれる。
山瀬さんおすすめ、交野市の「富楼那(ふるな)」(山野酒造)無ろ過生原酒。
火入れした酒の方が好みだが、こいつはよろしゅござんした。
ベルコのビルができると、周辺の街の姿も変わるかもしれないが、
いつまでも、と願わずにいられない名酒亭である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます