いい年のおっさんが食べにくい食品のひとつに、たこ焼きがある。
その辺の地べたに座して食べる若さはない。立って食べるのは人目がある。さりとて持ち帰りでは冷めてしまう。ちょっとイートインがあるのが有難いが、客が若いのばかりだと気が引ける。
天五中崎商店街「うまいや」。音に聞こえたこの店の前を素通りするのはつらい。店前ではせっせと孫とおかんが焼いている。
「え~い、入ってしまおう!」とある昼下がり、店頭で注文してから、ちょいと敷居をまたがせてもらった。
たこ焼きに何の飲み物を合わせるかは大きな問題である。
ここには保証牛乳というのもある。たこ焼き&牛乳=子供。やってみたいが少々ガキっぽい。一番合うのは水だ。ソース味には水が一番相性がいい。だが、ここのたこ焼きは生地にしっかりと味の付いただし系であり、油を足しつつしっかりと二度焼きされた、なかば揚げものに近い香ばしさもある。これには冷たいビールが適当だ。
均等に丸ではなく、無骨な感じがいいでせう。焼き立てのあつあつを放り込み、急いでビールで消火に当たる。そのままとソースを刷毛で塗るのと二通りの食べ方を楽しむ。
たこ焼きの屋台でも引く・・・ひとは簡単そうに言うが、夏は猛烈に暑く、冬は足先から凍える中での作業。しかも単純な作業のくりかえしは生半可でできる仕事ではない。去年、主人夫婦は一線を引いて娘&孫にバトンを渡した。
たかがたこ焼き、だが大阪人としては単なるおやつとして軽視できないものがある。生地づくり、道具へのこだわり、ひとつの料理カテゴリーに入るほどまで頑張ってきた喜多さん。彼の負けたらアカン精神は、亡き息子の嫁へ、そして孫へと力強く受け継がれている。
うまいや 大阪市北区浪花町 天五中崎商店街
うまい屋旨いですよね!
ビール、水、保証牛乳、コーラと合わせてみたんですけど
保証牛乳が一番相性良いですよ
互いの味を高め合う効果が得られました
ご近所でたこ焼きの味が変わったという向きもあるようですが、粉の配合などはまだ親爺さんがやっているものと思われ、手が少しでも変わったらそういわれるのですよ。何処の店だったか、親がトイレに行ってる間に前に立っただけで、先代と味が変わったと言われたそうで。つまりはそういう気分的なものが多いに反映する食べ物だということですね。