西院「水月亭」でホルモンを食った後、木屋町二条の「バーK6」で一杯。宗匠はシガーをくゆらせた。
その後、巨匠行きつけの中華料理「龍門」へ。安くて美味いという評判。お腹一杯みたいな気がしたが、メニューを覗くと食欲が甦ってきた。
じゃが芋の炒め物。春雨の炒め物。あっさりした家庭料理。中国東北部の家常料理。
ピータン豆腐。ピータンはこうして刻んだ方が食べやすいし美味い。
白菜炒め。これって普通の白菜とちがう。漬物か?北の方に行くと、ちょっと酸っぱい白菜漬けがあって、鍋にしたりもする。
鶏の甘酢あんかけ。 茄子のピリ辛、茄子は油と合うんだよなぁ~
鶏ねぎそば。もやし入り焼きそば。紹興酒を一本たのみ、これだけを
4人でたいらげた。梯子メシは巨匠の得意技らしい。
店を出たら、さすがに天井を仰いだ。
最終電車が気になり、JR京都駅へと車を飛ばす。
前回の神戸場所はロッケン師匠が案内人となって長田「川島しょう店」「青森」、今回は巨匠案内の京都「水月亭」「龍門」、次なる年の瀬大阪場所はさぁ何処へご案内しますかな、宗匠、京阪神を食い尽くしましょう。食い改めよ!おっさんSrand By Me。
ぶとりの会とは堅太り、禿げ太り、焼け太り、ヤカラ太り(だったかな)の4人による女人禁制おっさんの鯨飲馬食の会である。スチールカメラの師匠と巨匠、評論家の宗匠、そして私。グスコーブドリという宮沢賢治の名作もあるではないかいな。悪に敢然と立ち向かう正義の会なのである。
ともあれ河原町OPA前で巨匠に拾ってもらい、裏寺町の立ち飲み「たつみ」へ。ここで4人合流。まず鶏肝なんぞで日本酒ひや。ツアーに出かける前に前飲みをし、胃袋に「これから行くぞ」といふ軽い信号を送っておく。
向かった先は、西院にある支店の方の「水月亭」。豚ホルモン焼きの名店。雅やかな名前なのに、内容はかなり濃い系である。
早速マッコリで乾杯。上水(うわずみ)と白の2種類、ジョッキで出てくる。サラリとした酸味が濃い味を中和してくれる。隣り合った団体は地元の労働者だと思ったが、東京のカツドウ屋だという。師匠、首からぶら下げたカメラを手に、どんどん他人の輪の中へ入ってゆく。人物画の師匠、静物画の巨匠か、なるほど~。
ただの食い助なのであるが、一品出る度に4人でカメラを構える。一体何モンや。まずは看板にもある蒸し豚。あっさりしていていける。これがスペインではハモンセラーノになるのだろう。豚肉食の知恵を持つ民族の歴史に乾杯。キムチを乗せて食うとさらに美味い。
レバ刺し。これまた結構なるかな。ふと豚って生で行けたっけなぁ~と疑念がよぎるが、そのまま行くべし。いけるッ!
小袋があるということは主人は済州島出身かな。鶴橋界隈では「小袋のタタキ」を頂いたことがあるが、刺身は初めて。赤貝の如き食感。辛いように見えるが、キムチの汁の如きタレに酢がきかせてある。ミュージシャンのコブクロを聞いた時、どうしても豚の子宮が浮かんで仕方なかった。
豚足は焼き直すと皮下脂肪の部分が柔らかくなり、オツでげす。
おっさん4人、コラーゲンたっぷり摂取して何になるというのだ。
この鍋がいい。我が家ではガキの時分、これでよくジンギスカンをやった。北海道出身でもないのになぜあったのかなぁ。
腸焼。あらかじめタレに揉み込まれている。しっかり漬け込んだ感じ。
このラフさもまた、本格派なるゆえん。
ホルモン(心臓、ミノ)バラ、天身…これは何を食ってるかをハッキリさせたいのが日本人。だが考えりゃそう四角張った話でもあるまい。美味けりゃいい。
ホルモンはしっかり焼いてパクつこう。マッコリもいいが、濃い目の味付けは白飯が欲しくなるのだ。
というわけで、ホルモン&めし。肉と飯は本来的には合わないと思うのだが、そこに醤油(または味噌系)の味付けが媒介となると、なんと両者は絶妙のマリアージュとなることか。
いやぁ食べた、だが、実はまだ秋場所は始まったばかりだった・・・
北新地にある広東海鮮料理、『避風塘みやざわ』に行った。知人らとプライベートで行く予定を入れてたら、急に数日前に打ち合わせして来いと命じられ、著しく興が削がれることとなる。だが仕事ならば仕方ない。ガラガラと横にあけるガラス戸が入り口という不思議な佇まい。新地で中華…あにはからんや、通常客の4割は同伴出勤のアベックだといふ。ふむ、苦手なタイプかも知れぬ…
しかし話を聞いてると、なかなか魅力的な人物だというのが判って来た。かつて暴走族も経験し、京都ホテル桃李の料理長まで行き、いろいろあって、バーの狭い厨房で唐揚げ揚げたり、佐川急便の社食で鍋ふったり、移動メロンパンまでしたと明け透けに話してくれた。
前菜は時計回りに、自家製叉焼、甘酢胡瓜・クラゲ酢、ホタテの烏龍茶燻製、マグロのバジルソース、3つあるのはサツマイモの金木犀シロップ煮、中はカボチャのココナッツミルク煮、蒸し鶏の葱ソース。
剣先イカとキノコのあっさり炒め。イカには包丁目が細かく入る。
アコウの蒸し物。醤油・ナンプラーなどのソース。生葱をのせて、上からカンカンに火にかけた油をかけた。さすがに広東料理の定番メニュー。
レタス炒め、この鮮やかな色と、シャキシャキ感を出すのが難しい。
シンプルだが、こんなん美味い。
スペアリブ豆豉蒸し ネギ、香菜、豆豉、赤ピーマン。あっさり。
生うにの炒飯・自家漬イクラ添え。この響きが新地だなぁ。バフンウニは蒸し器に入り、蒸しウニとなって炒飯に加えられる。味は、う~ん、ちょっとウニの風味が弱いかな。宮澤氏の炒飯は福臨門飯店流儀で、お玉は使わず、ヘラで北京鍋に貼り付けるようにして焼いてゆく。鍋を片手で持ってあおったり、火から放したりしない。
広めに取った厨房を宮澤氏は動き回る。客の目は釘付けである。ピチピチ跳ねる魚に包丁を入れるのは客前の俎板。どでかい蒸し器も大車輪の活躍。鍋がはまるのは、28000calまでレバー1発で上がるレンジ。見せる料理、エンターテインメントの要素が強い料理だ。ここもやはり新地的なのかもしれぬ。味は相当いい。
本気メシは次回に持ち越そう。
まんまと新聞広告にのせられ、家人が行ってきた阪急の催事、
「秋の北海道物産大会」。吹く風が涼しくなったら、とたんに北の海は海の幸がいっぱい獲れ出すのだろう、というイメージ戦略。
これ相変わらず強いコンテンツらしい。スーパーバイヤー薬師寺氏が
現地で見つけてきたというもの。
乳製品やハムなどは今イチでやっぱり海鮮物が強い。
家人が買ってきたタラバ&バフンウニの海鮮丼¥1780
奥は札幌「豊平館」のたっぷりタラバ蟹サンド¥710
いっぺんこういうタラバ蟹の脚を思い切り頬張ってみたい、という
思いは誰にでもあるのだろう。
かつて札幌「氷雪の門」で食ったタラバの脚肉や爪肉に較べりゃ、
お話になりません。あれは加藤健一事務所の旅公演だった。
初めてだというと、「お前、食え!」って言ってもらった。
あのふくよかな歯ざわり、みずみずしさ、甘さ、
店の座敷で、かるい眩暈を感じたと思う。
パンは道産小麦キタノカホリを使ったコッペ。
特に感想なし。給食…?って感じ。美味くもなんともない。
クラブサンドはマヨネーズをもうちょい奢ってもいいべさ。
利尻昆布が隠し味になってるというのだが。う~む…
ま、デパートの催事はこんなもんでしょ。
なぁ~んて、言われたくないでしょ、阪急関係者。
ウニはパサパサせぬよう工夫しなきゃな。香りもない。
薬恥寺先輩、仕入れ後も試食にまわらねばね。
11月の第3木曜が解禁日となるボージョレ・ヌーボー。あのインポーター主導の大イベントはどうも鼻白むものがあって、昔から苦々しい思いで見ていたのだが、考えりゃワインに罪はないのであって、造り手は一貫してブームもへったくれも関係なく造り続けている。
いったいボージョレっていうのはどういうものなのか。お馴染み花柄模様のジョルジュ・デュブッフをかためて飲んでみる機会に恵まれた。
奥からスタンダードなボージョレ。まん中のはワンランク上のボージョレ・ヴィラージュ05、左は10種類ある特級クリュ・ボージョレの中で最もポピュラーなムーラン・ド・アヴァン04。
ボージョレと中華との相性がもう一つのテーマだったので、リーガロイヤルの「皇家龍鳳」で。前菜は車海老と叉焼、葱蒸し鶏、くらげ酢、胡瓜酢漬、栗の甘煮と揚げ素麺。北京ダックの味も悪かろうはずはないが、サービスの女性の方が明らかに気になった。もちろん魅力的でという意味ですぞ。
クリュ・ボージョレを製造する10村の中の一つ「シュルーブル」04。
リヨンではよく飲まれているそうな。
繊細で女性的な「フルーリー」04もクリュの中の一つ。
牡蛎と春雨の土鍋煮込み。こりゃご飯だ、と白ご飯を所望して全員でムシャムシャやっちまった。
ボージョレながら、明らかにちがうモルゴン01年。熟成度の強いワイン。ライトな物ばかりと思ってたらボージョレ見誤る。すぐ飲まなきゃいけないというのもウソ。保存だってきく。安いものが多いので親しくワインに付き合うには丁度いい。中華にも日本食にもいいだろう。ライトなものから熟成タイプまで幅広い。
ああ…すっかり昼間っからほろ酔いもいいとこ。