フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

ハナトラノオ 清涼感のある明るいピンク

2020-09-04 | 山野草

南ガーデン西側にハナトラノオが咲いている。

何年か前に株を買ってきて植えつけたのだが、それ以来少しずつ増えてきた。
しかし、どんどん増えるというのではなかったが、周りの樹木を伐採して日当たりをよくすると
去年あたりから、花数が急速に多くなってきたのは嬉しいことだ。

トラノオに似て、花が咲くからというのが和名の由来のようだが、トラノオに似ているかな?

ハナトラノオというより、別名のカクトラノオの方がわかりやすい。

花穂は細長い四角錐で、花は四方に向かって規則正しく並んで咲くからだ。
それに、トラノオにも花があるのでハナトラノオというのは、形容矛盾のような違和感があるからだ。

シャキッと真っすぐに立ち上がり、夏の終わりころから明るいピンクに庭を染める。
このピンクに清涼感があるのがいい。

このコーナーは、西側にムラサキセンダイハギ、東側にアナベルが生えているので、南側と北側に勢力を広げようとしている。

ハナトラノオは、根から増えるし、種が飛んでも増えるので、両方を使い分けているのがすごい。
このあたりの生存競争は逞しくもあり、面白い。

ハナトラノオ (花虎の尾)

学名:Physostegia virginiana
その他の名前:カクトラノオ
シソ科  カクトラノオ属(フィソステギア属)
原産地 北アメリカ東部
日当りが良ければ、地下茎と種でどんどん増える

シュロソウ 茶色の小さな花で目立たない

2020-09-03 | 山野草

私のいる森を取り巻くように農業用水が巡っている。

これが人工ではなくて自然の小川ならいうことはないのだが・・それでも、夏の暑い日々には清々しい水音が聞こえてくるので、これを「せせらぎ」と呼んでいる。

そのせせらぎに沿って、パッと見にはほとんど気付かないのだが、シュロソウが咲いている。

茶色の小さい花だが、よく見ると6枚の花弁があり、雄蕊と雌しべが色を添えている。

秋になり葉の根本の葉柄が腐ると、樹木のシュロに似た毛になることから シュロソウと名付けられたという。
最初、この幅の広い、シランに似た葉に気付いて、調べるとシュロソウであることが分かった。

この森には、1株しかないので、何とか生きながらえてほしいと思っている。
大きく育てば、いつの日か株分けができるかなと思っている。

有毒植物なので、注意をせねば・・

 シュロソウ(棕櫚草)
 ユリ科  シュロソウ属
 学名:Veratum nigrum

ヤナギラン 高原の花

2020-09-01 | 山野草

東ガーデンではヤナギランが咲いている。

高原の花の代名詞ともなる花で是非私の庭でも咲かしたいと思い、3年前に苗を購入して植えた。
あたりの樹木の伐採により日がよく当たるようになり、今年はわずかばかりだが花を咲かすことができた。
ところが、小さいコガネムシの食害がひどく葉がかなり傷んでいる。何かいい対策はないものだろうか。

葉がヤナギに、花がランに見えることからヤナギランと名づけられたという。
庭で咲いた花は、少し形が悪いが色鮮やかな美しい花だ。

「ヤナギランは本州中部以北の北半球に広く分布する草原の植物です。ときに大群落をつくり、夏の高原の花の代名詞として親しまれています。
四方に伸びた地下茎の先端から芽を伸ばし、ヤナギに似た細い葉をつけた茎をまっすぐに立ち上げます。」(趣味の園芸)

八ヶ岳周辺では、八島ヶ原湿原や入笠山湿原などで群落がみられる。ただ、規模の小ささは否めない。
その点、東北の安比高原や裏磐梯などでは、素晴らしい群落が展開しているというので、是非一度訪れたいものだ。

ヤナギラン(柳蘭)

学名:Chamaenerion angustifolium(Epilobium angustifolium)
アカバナ科  ヤナギラン属
原産地 本州中部以北、北海道、北半球


キレンゲショウマ 「天涯の花」(宮尾登美子)で紹介された

2020-08-29 | 山野草
庭では、レンゲショウマに少し遅れてキレンゲショウマが咲きだした。
 
 
レンゲショウマ(キンポウゲ科)に似た黄色い花ということから、キレンゲショウマと名付けられたとあるが、
ほとんど似ていない・・。
 
しかし、属名が日本語のキレンゲショウマそのままの「Kirengeshoma」とされている、貴重な花だ。
 
 
キレンゲショウマは、宮尾登美子の小説「天涯の花」で紹介された花で、四国剣岳の山深いところで自生している。
剣神社には
 
「さわやかな月光の花は凛として気高い」
 
との宮尾登美子の文学碑があるそうです。地上に降りてきた月のような花なんですね。
 
「天涯の花」は私も読みましたが、剣山の自然の豊かさと清純で凛とした女性の生き方に感動しました。
 
 
もちろんキレンゲショウマはアダージョの森には自生していない。数年前に2苗を購入して、レンゲショウマと隣り合わせで育てている。
カニコウモリのような大きな葉で環境が合うと1mほどにも成長すると言われている。
 
 
 
昨年、鹿が侵入してきて、ごっそり食べられてしまったため、花の勢いが衰えたのが残念だ。回復にはしばらく時間が掛かりそうだな。
 
 
 
キレンゲショウマ
 
 ユキノシタ科 キレンゲショウマ属
 学名:Kirengeshoma palmata

レンゲショウマ 夏の森の妖精が風に揺れる

2020-08-28 | 山野草

今年も庭の色んな所でレンゲショウマの花が風に揺れる季節がやってきた。

花が蓮=蓮華に似ていて、葉がサラシナショウマに似ていることから、レンゲショウマと名付けられた、という。

春の森の妖精カタクリに対比して、「夏の森の妖精」と呼ばれている

外側の萼に守られた中に、先が紫色の縦型の花が咲いている。その内側から2~4本の雌しべが突き出ていている。これは、花が枯れてからも残る。

雄しべは外から出は見えず、花の奥の方にびっしり並んでいる。屈んで体を低くするのだが、残念ながらなかなか上手く撮影できないのだ。

東側、イロハカエデの下、友達のサラシナショウマがレンゲショウマの間で大きな顔をしている

実は、ここはシャドウーガーデンとしているところなのだが、今年の夏前にダンコウバイの枝を切り過ぎて、日当たりがきつくなりレンゲショウマの葉が傷んでしまった。

この株も、今年の冬大きな桜を伐採したため、日当たりが強すぎて葉焼けをおこしている。

夕日に照らされて

来年は、レンゲショウマの株の移植をしなければ・・

レンゲショウマ (蓮華升麻)
 
学名:Anemonopsis macrophylla 
和名:キンポウゲ科  レンゲショウマ属
日本固有の1属1種の花だ。