アダージョの森の中央花壇にオニユリが咲いた。
橙色の花弁が反り返っている。それに、濃褐色で暗紫色の斑点がびっしりついている。
少し、毒々しい感じがするが、確かに真夏の太陽にふさわしい花だ。
オニユリは3倍体(3倍の染色体のため減数分裂ができない)なので、種子は作らないが、代わりに葉の付け根に暗紫色のムカゴを作る。
このムカゴを播くと3年ぐらいで花を咲かせる。
オミナエシは知っていたが、アダージョの森に来るまで、この花は知らなかった。
オミナエシと同じ時期に、白く地味な花が咲き、茎や葉はオミナエシより大きい
ことからオトコエシと名付けられたという。
面白いことに、こうした命名の由来を語りながらこの花を見ていると、
俄然オトコエシの存在感が出てくるのである。
アダージョの森の南側、Harmony Gardenにベルガモットが咲いている。
植えつけてから数年経つが、寒さと乾燥に耐えながら、暑い夏に咲く。
この品種はピンク色なので、タイマツバナの別名は、少し合わないか。
学名のモナルダとも呼ばれるが、葉の香りが、紅茶のアールグレーに香り付けで用いられる柑橘類のベルガモット(ベルガモットオレンジ)に似ているので、
この通称で呼ばれることが多い。
アダージョの森の一角にひときわ派手な朱色が浮かんでいる。ヤブカンゾウだ。
古くに中国から伝わった花で、中国では、カンゾウに「萱草」と字をあてる。
萱の字が「忘れる」という意味をもつことから、ワスレグサとも呼ばれている。
英語では、花が一日限りで終わると考えられたため、Daylily、と呼ばれている。
見ていると、一日ではなく、二、三日は咲いているようだ。
森の木漏れ日が合うのか、少しずつ個体が増えている。
アガパンサスに似た大きなはと強烈な色合いが個性的だ。