この夏、遂に読みました。半藤さんが書かれた「ノモンハンの夏」。
初めて半藤一利さんを知ったのは、「日本のいちばん長い日」の英語訳を通じて~。オーストラリア在学中、ソーシャルワーカーをしていたオージーの知人が「これを読んでみて」と貸してくれたからでした。
帰国後、今度は日本語で読み返しました。更には同じ著者による「昭和史」2冊。
2018年、NHK特集でノモンハン事件について初めて知ることとなり、図書館で1冊の本を借りて読みました。ノモンハン事件
その時、コメント欄で 半藤一利さんが書かれた「ノモンハンの夏」の存在を知ったのですが、この著書には、なかなか出合えずにいました。 そして遂に、図書館で発見☆ 以下に簡単な内容の感想を~
戦略戦術の総本山であった、参謀本部作戦課は、日中戦争のさなか、ロシアを敵に回し、戦争状態になることを何としても避けたい! とにかく、「侵されても侵さない、不拡大を堅守せよ!」
これに対し、関東軍作戦課の参謀たちは...特に辻政信は、「侵さず侵されざると記帳として、強い決意を固めて万事に対処する」 あくまで我が道を行く。
昭和天皇は、
「武力行使はいけない。」
天皇の裁可がなかろうが、辻は一直線に突っ走る。火は燃え盛る一方となったのである、と著書にもある。
何故、ノモンハン事件が? 問題点は何か? 私が思うのは、
❶ 関東軍が独自に作成した「満ソ国境紛争処理要網」に対し、頑固たる態度で判断を下し、暴走させないことが、戦略戦術の総本山であった、参謀本部作戦課の任務であったはずなのに、そうはならなかったこと。
❷ 何より武断主義で、「一撃主義」の参謀、辻政信少佐が悪い!
著者の半藤さんは、昭和29年の暮れ、議員会館の一室で、辻代議士先生になっていた、辻に会って話をしたそうだ。 いや、話をしたというより、辻が勝手に「日本防衛論」をまくしたてた、らしいのですが。😨
「代議士先生」だって! 軽蔑がありありと~ 当然ですっ! 本来であれば、昭和天皇の命に背いた罪でソ連であれば、「死刑判決」を当然受けていただろう人!
昭和天皇は、「辻を謹慎処分に」と仰ったそうだが、実際には野放し状態で、大軍を破滅させている。敗戦後は 彼こそ一番に切腹すべきところを 戦犯も逃れ(必死に逃げ続け) こともあろうか、代議士先生になるという… 実際、昭和天皇はノモンハンの詳細も知らされず、知った後は、「辻を謹慎処分に」と お優しい判断。 結果的に日ソ両国で多くの犠牲者を出したばかりか、蒋介石の思惑通り、日中戦争は長期化。しかも泥沼化。ここから抜け出せなくなった日本は、絶対に避けねばならなかった世界大戦への道を辿ることに。
この夏、明らかになった蒋介石の手紙作戦によって、米国の世論を 反日に 大戦に引きずり込むことに成功した、という一面。
詳しくは今年のNHKスペシャルを~ 蒋介石の膨大な量の手紙によって、これまでの日米英ソ独 のみならず、どれだけ蒋介石が開戦にかかわっていたか? 日本も米国も蒋介石の罠に見事にはまったか。世界の民間人が戦争にいかに巻き込まれたか。 とても興味を引く内容でした。以下、リンクです。NHKのページへ飛びます。
きりがないので、この辺で。を置きます。
開戦 太平洋戦争 ~日中米英 知られざる攻防~(前編) - NHKスペシャルまとめ記事 - NHKスペシャル - NHK