ポーチュラカ
(自宅の植木鉢に咲いています)
我が家の庭の彼岸花
『そばかすの少年』
光文社新訳シリーズ。
こちらも500ページの大作。ジーン・ポーター、アメリカ人作家であり、フォトエッセイスト。
当時はまだ珍しかったカメラを手に入れ、小説の舞台となったリンバロスト沼地(森林)で過ごした作者の、いわば実体験を基にした小説。
作家本人は、バードレディー(昆虫や鳥を観察する著名な写真家)として登場、また、小説の中でも、その名で呼ばれているところが面白い。
突然、目の前に現れた16歳の少女のことを 「エンジェル」と呼ぶ主人公の少年には片腕がない。孤児院で育ち、身内のことも、自分の本名すら分からない。
そんな彼は、ずっと「そばかす」と呼ばれていた。
ある日、孤児院を飛び出した彼は、材木屋を営むマクリーン氏のもとで、木材を盗み出そうとするブラック・ジャックから森を守る「番人」として働き始める。
あらすじは、ざっと、こんな感じです。
トム・ソーヤの冒険や、宝島のような面白さ。
善良な人たちも、悪党も両方、登場します。
物語の終わりの方では、彼の出生の秘密もエンジェルの調査によって明らかに…
冒険物語であり、あしながおじさんのような愛情の物語でもある!
何より、自然と動物たちと人の関わり。
自然豊かな森は、恐怖でもあり、神秘的で恵をもたらしてくれるものでもある。
自然や花や鳥や動物を愛し、林業に携わったことがある人✋✋✋
実体験と重なる部分もあり、きっと楽しめるんじゃないかな。
トム・ソーヤと同じ、いやそれ以上の冒険物語であり、
あしながおじさんと同じくらい「深い愛情物語💕」であるのに。
この物語も作者も、日本ではあまり知られていない気が…
「赤毛のアン」を翻訳した村岡花子さんが、この本を最初に翻訳し、日本人に紹介したそうですよ。
ちなみに米国では、「子供たちに読ませたい本」として今も愛されているのだとか!
そりゃそうでしょう~
終わりの方は特に、少年そばかすの心の動きに… 決断に…
エンジェルと呼ばれる少女の強さに… 涙しました。
この本が広く日本人に知られていないという事実が、実に惜しい…です。