古稀からの手習い 水彩ブログ

人生の第4コーナー、水彩画で楽しみたいと思います

百人一首から二首(三番歌足引の・・ 柿本人麻呂 四番歌田子の浦に・・ 山部赤人)

2021-01-11 07:00:00 | 書道

先のブログ(2020.6.1)で、「ねずさんの日本の心で読み解く『百人一首』」(小名木善行著)に
触れさせていただきました。
そこでは、百人一首は、百首全体で一首ともいえる、壮大な抒情詩をなしているとするもので、
撰歌(どういう歌を選ぶか)や配列(どういう順番で並べるか)には、
編者である藤原定家の意図があるはずで、そこを読み解いていこうとされたものでした。

今回はその三番歌と四番歌を書にしてみました。
(35㎝×80㎝)(画像編集でフィルター掛け)

撰者の藤原定家は
一番歌(秋の田の・・・)が天智天皇、二番歌(春過ぎて・・・)が持統天皇と、天皇の御製に続いて、
三番歌に柿本人麻呂、四番歌に山部赤人を持ってきました。
当時が身分制であることを考えれば、皇族や政府高官、高僧などを
配してもいいが、彼らではなく、
下級官吏ではあったけど、万葉歌人として歌聖とも呼ばれた二人を配しました。
それは、身分や出自よりも「才能や能力を重んじる」という、
我が国の古代からの伝統に基づいて編纂されたからだとされています。

柿本人麻呂の三番歌
「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む」
足引き・・・疲れで足を引きずるように険しく深い山道を進んでいけば、山奥には長い尾を持つ山鳥がいる。
その尾は柳が枝垂(しだ)っているように、長く垂れさがっている。
その山奥で、何故、独り眠れない夜をすごすのか?
小名木氏は、(男女のことでとの解説本も多いが)人麻呂は歌聖とも呼ばれる天才歌人、
夜中に眠らずのいるのは『歌の創作』以外には考えられず、
無から有を生み出すその悶々とした苦悩を詠っているのだと。
この解釈こそが、定家が三番歌に配した所以でありましょう。

山部赤人の四番歌
「田子の浦に打ち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ」
四番歌は一転して“視覚性”がテーマだとのことです。
この歌に接すれば、真っ白い雪をいただいた富士山や、景勝地 田子の浦の青い海原を容易に思い浮かべ、
たった三十一文字でここまでビジュアル的な表現が可能である、と言っているようにも受け取れる、とされています。
又、氏はこの歌の初出である万葉集の歌
「田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ 富士の高嶺に雪は降りける」との対比において
“浦ゆ”→“浦に”、“真白にぞ”→“白妙の”、“降りける”→“降りつつ”について、
そのビジュアル的な観点からの表現の差異などについても解説しておられます。

[補記]

アメリカ大統領の就任式まで10日足らずとなりました。
選挙の形式上の結果は1月6日の上下両院議会の通りです。
事実上は過半数以上の有権者がトランプを支持したにも拘わらず
大統領選挙史上最大規模の不正や外国からの選挙の介入がまかり通ってしまいました。

あのアメリカが全体主義国家、共産主義国家になるのです。
驚くべきことが起こってしまっています。

同じ1月6日、この日を狙ったように、香港で民主派の活動家ら50人超が、
香港国家安全維持法(国安法)違反で逮捕されました。

いずれ日本も、というのを恐れるのです。

こういう場での共産主義者の行動原理は、粛清、言論封鎖から始まります。
現に、SNS(ツイッターやfacebook、パーラーなど)すらも強烈な締め付けをしながら、
何と、あと10日余りの任期のトランプ大統領の弾劾手続きの動きがあるようです。

ネット(主にyoutube)上では、外国の関与を政府として示すラトクリフ情報長官の報告がやっと出されたり、
緊急放送システムの準備ができたとか、
長期の停電に備えよとかの情報が入り乱れています。

またここにきて、中国にとって最も敏感な台湾問題について、
アメリカは、今までとってきた米台間の自主規制を解除すると発表したようです。

トランプに残された時間はあと僅かです。
最後の最後は、トランプ自身の、それこそもろもろを考えての判断と行動でしょう。

この10日足らずは、世界の政治の大きな流れを決める、風雲急を告げる時期となりそうです。


実は、上の二人の歌で、
人麻呂の、歌人としての求道者の孤独な苦悩は、
泥沼の鰐を正に足引(あしびき)しながら清掃し、自由と民主主義を守る、
政治の求道者トランプの孤独な戦いであり、

赤人の気高い富士の姿は、
清掃を終わった後の、きれいな自由と民主主義の世を期待しながら、また祈りながら、
書かせていただきました







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2 コメント

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Unknown (mori)
2021-01-11 07:20:30
一行一行をうんうんと頷きながら読んでいましたが、最後の方でそういう思いもあったんだと驚きました。
歌にしろ、絵にしろ詠む人、描く人によっていろいろな思いがあるんでしょうし、又それを聞いた人見た人も色々な思いがあるんだと改めて思いました。
何れにしてもその方が一番思っていることがそれぞれの作品に現れるんでしょうね。
作品は何時もの通り、バランスと言い、筆のながれ濃淡と言いお見事だと思います。
それから自由と民主主義は時には何を決めるにしても本当に時間がかかるしもめる時は揉めると思いますが、時間をかけても揉めても、守るべきものは守って欲しいと思いますし、そうなることを願っています。
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Unknown (サガミの介)
2021-01-11 09:44:25
昨日、ふと見たテレビで百人一首の編纂を取り上げていました。定家の編纂にかける思いと後鳥羽上皇との確執、評価していた実朝死後の承久の乱、隠岐に流された上皇への想いなど、このブログで得ていた知識と合わせ興味の度合いを深めることができました。
百人一首がこの作品のように美しく優しい筆致でしかも絵画的な構図で書かれアップされるのは嬉しいことです。
今年の世界の現実、多くの問題を、CNNに毒された既存のメディアでなく作者の視点を交えて解説していただけるのもありがたいです。
自分で考え、自分の意見を持てるためにも世界・日本の真の姿を教えていただきたいと思います。
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