意識は抑鬱の 涙の軌跡
小石を集め 遠くを見渡す 蜻蛉のように
樹の周りで 遊んでいる
静かな波は 弛む 宇宙に流れる 静謐さ
流れゆく 飛跡を描く 不思議な夢の中で
熱い瞼が 恋い焦がれるように 震えているだけ
波の音は 遥々 行く背中の影
移ろい行く季節 咲き誇る花の影に
潜めた吐息の眼差しを 見つめる優しさ
遠く 消えていく 星のように
夢と現は 沈み行く陽炎の 残光の中に
冷えては 身体を丸める
淋しき心を慰める 古に帰郷する 想いを空に
張り裂けそうな 胸は沈黙する
待ち焦がれて あなたの薄く開いた唇を見つめた
腐食していく花は その蕾を残したまま 春は遠ざかる
冷たいままの掌 熱く溶ける 感情
あなたは苦しそうに表情を歪め 私の唇を求める
この夢は遥か先 艶やかに咲いた花は 氷の中で溺れている
闇に溶ける あなたの悲しみと共に
美しい 愛は燃え散り 裸のままの あなたを抱いた
いつまでも 絶えないで
歓びも束の間の 凍えそうな夜に
呑み込まれ行く 闇の中で もがいた傷跡