汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

琥珀の月影

2013年03月28日 | 妖艶の詩

舞う風 弛緩する波の流れ

灯火に揺れる 影は 蝶の羽ばたく螺旋

引き潮に ただ揺れているだけの 記憶の海

 

桜の花が咲く 赤い振袖は揺れ

闇に浮かぶ 妖艶な その白い手に 重なる花弁 

 

月の声が溢れ 

その小さな 呼吸に

艶かしく彩られた 唇

その寂しげな唄は 彩りを添えて やがて散る定め

赤い花は 幻想的に 揺れ 闇に姿を隠す

 

鏡に映る 琥珀の月影は 水面に流れる 花弁の香り

紅い頬に 滴る涙 重ね合う手

虚ろな 眼差しの滲む 影は 御影の姿

朱に染まり行く 花は 移ろい行く 季節の寂れ

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