汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

置き手紙

2013年12月20日 | 奇想の詩

遠く聞こえる 雨脚の虚ろな 景色

あなたの足跡を辿る 記憶は凪いだ風のように

見えないままの 言葉 重なる恒星の 響きは 遠浅の海

 

一つ 秘密を教えて 願いは瞬く間に この夜空に融けていく

宛の無い 響き この手を離さないで 

降り出した雨 言葉を交わす度に 離れていく あなたの その唇が

永遠を願う 虚ろな瞳に 再び 重なり合いますように

 

すれ違いのままの 小さなその手は

冷ややかに微睡む 最愛の徴 寂しさに震え 怯える その眼

香り艶やかな 握り締めた恋情 象る唇に 覚束ないままの 置き手紙

 

切ない程に 膨らむ この胸の痛みは 流れるがままに  

流す涙 小さなその手を握り締め やがて風に消えるだろう

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唇の徒

2013年12月20日 | 奇想の詩

流した涙に 色恋 満ちる

夕顔の花開く 乱れた髪の香り 色褪せぬ 琥珀の月陰

 

さざめく風の 囃子なびく 恋煩いの 感情の赴くままに

すれ違い様に気づく 哀切を漂わせる あなたの流し目

風車の廻る 虚ろな景色の中で 二人重なる 掌の温度

 

さり気ない言葉を かけるように 瞳強ばらせ

零れ落ちる線香花火の 火花と くすむ あなたの表情が

穏やかな 時間の揺蕩う 紅の唇に 視線を泳がせる

 

滑らかに 時に悠久に 繋いだ手の 冷ややかな寂しさに

色濃く 朱色に滲む夕日の 凪いだ景色は 二人を誘う

 

鮮やかな振り袖の 通り抜ける風の冷ややかな 感触

通り雨の間に射す陽 温かな感触の残る 唇の徒に

深い呼吸の 繋がるひと時を 

あなたの その瞳に遺る 夕顔に滲む 雨粒の光に

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