汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

星々の輝く夜に

2016年09月15日 | 奇想の詩
風の吹く夜 花々が眠りに就く頃
萎れた一輪の花が夜露に煌めいて
流星のように 静かに散って行く

この身が崩落する最中に あの足音を聞いた
もうこの夜に 健やかな眠りは訪れないだろう
もはや失うものなど 何も無いから...

夜風に吹かれ 何処までも澄んだ瞳のあなた
迷子になったこの手を
その優しい眼差しで 救い出して欲しい
ここにはもう 居場所など無いのだから...

この夜の渦中で 聴こえる足音は
延々と さざめいている
もう 何も求めるものなどは 無い筈なのに...

どうして...

夜が深々と 柔らかな帳を迎える頃
満開の星々の輝きを湛えた夜空が墜ちて来て
この手に 安らぎを添えてくれるから

ねえ 何処までも 朽ちて行こう
もう生きる心地さえも 感じないくらいに

星空が燦々と その輝きを増す頃になると
産まれた命は 冷たい涙を落としながら 息絶えて行く

足音はずんずんと迫り この身を掻き乱して
拡まり行く夜空は 煌々と星々を照り返している
迫るその聲は 永く心を蝕み
その吹き荒れる雑音に 思わず耳を塞いだ

ねえ どうしてだろう...?

萎れた一輪の花は夜露に融けて
やがてその姿見を喪ってしまう
星々の輝く夜
いずれ他の花々も
静かに 永い眠りに就く時が来るから...
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夕暮れの積雪

2016年09月15日 | 悲哀の詩
指先に感じる
この身体が優雅に溶けて失くなる 心地を
幼い肌に 映る 積雪の風
この仄暗い夕暮れの空が 覆い尽くされるまで
どうか待っていて欲しい

まだ見失いたくはないのに 儚く萎れていく
花々の相に揺られ まるで永遠の夢路

もう二度とは 這い上がれない
静寂の濃霧に咳き込む

ふと見上げれば 星々が渦を巻いている
深々と吹雪く雪で 撹拌された姿で
あの蒼穹は脆くも 壊れてしまうから

やがてこの刻も 瞬く間に消えて
何もかもが あの手の中で 墜えてしまう

涙は くすむ夕空を映し 小さく震えた
その陰に雪の明かりが散らつき 心狼狽えてしまう

何処にも行かないで
眠りに就くまで ずっと...

深々とせせらぐ雪は 燦々と輝きながら
夕闇の彼方へと落ちて 溶けてしまう

眠りに就くまで ずっと
この手を離さないでいて
遠い積雪が 冷たく響く渦中
この震える身体が哀しいから

もう二度と 触れる事もない その寂しげな瞳
あの涙は 今でも夕闇を湛え 震えているから

やがてこの命も
夢の裡へと 薄れてしまう

触れ合う指先に感じた 雪の重さ 生きる心地
その手はいずれ夕暮れの彼方へと
消えて行ってしまうから
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