様々な細胞に変化できるマウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、ホルモンを分泌する「下垂体」を作り、病気のマウスを治療することに成功したという発表がありました(YOMIURI ONLINE)。機能の複雑な内分泌器官をES細胞から作ったのは世界初です。再生医療の臨床応用に近づく成果で、英国科学誌ネイチャー電子版に発表されたそうです。下垂体は間脳の直下にあり、脳からの指示で様々なホルモンを血液中に放出しています。こうしたホルモンの中でも副腎皮質刺激ホルモンは血圧や血糖のバランスを維持する働きがあり、生命の維持に欠かせません。ES細胞1万個を培養液中に浮かべて間脳の物質に似た化合物を加えると、細胞が集まった粒は、表面が袋状にくぼんで下垂体と似た構造になり、副腎皮質刺激ホルモンを大量に作り始めたそうです。再生医療の進化は速いですね。
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