健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

チンパンジーのiPS細胞

2013-05-25 08:30:31 | 研究
チンパンジーのiPS細胞の作製に成功したことが発表されたそうです(QLife Pro)。大型類人猿でのiPS細胞の作製成功は、世界初。このiPS細胞には、国内の動物園で自然死したチンパンジーの細胞が使用され、iPS細胞の作り方は人間の場合とほとんど同じ方法が用いられたそうです。作製されたiPS細胞はその後安定して増殖し、神経細胞への分化も確認されているそうです。チンパンジーは人と98.8%同じDNA配列を持っており、チンパンジーと人の違いがどの部分によるものかは判明してません。この研究によって人類が進化した過程も明らかになることが期待されるとも。また研究グループはオランウータンやテナガザルといった個体数が減少している霊長類のiPS細胞作製にも着手することを予定しており、このことにより絶滅危惧種の保存・人工繁殖の可能性にも期待が高まるそうです。意外なiPS細胞の利用法がありましたね。iPS細胞は4月には筋ジストロフィー、5月にはてんかんの病態を再現することに成功しており、これらの病気の治療に大きく役立つものとしても注目されています。さらに、iPS細胞を使った難病の新薬研究プロジェクトに政府が取り組むことも発表されているそうです。患者数が少ないため世界的にもなかなか研究が進まない分野において、日本初の治療薬を送り出すことが目標とのこと。
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