健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

加齢性黄斑変性

2013-05-11 08:30:03 | 研究
加齢黄斑変性は、加齢に伴ってみられる目の病気で、失明の原因にもなるとされています。加齢黄斑変性の予防は、栄養管理によってある程度可能であるとされてきたそうです。特に、鶏卵に含まれるルテインとゼアキサンチンというカルテノイドは特に加齢黄斑変性のリスクを低下させるそうです。これに長鎖多価不飽和脂肪酸 (LCPUFA)を追加すると更に効果が期待できるというのです。研究では、プラセボグループ、グループ1(ルテイン10㎎、ゼアキサンチン1㎎、ドコサヘキサエン酸(DHA)100㎎、エイコサペンタエン酸(EPA)30㎎を1日1回摂取)、グループ2(グループ1の配合を1日2回、つまりグループAの2倍摂取)に分け、主に血中のカルチノイドや脂肪酸分析と、抗酸化能力、網膜色素の密度(加齢黄斑変性の人では減少する)などを評価したそうです。1ヶ月後の時点から、血中のカルテノイドの、網膜の色素密度が、グループ1と2では著しく改善しており、2倍量を摂ったグループの方がよりよい結果を示したそうです。オメガ3とルテイン、ゼアキサンチンが加齢黄斑変性の予防に良いということらしいです(QLife Pro)。
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骨の健康と感覚神経

2013-05-10 08:30:14 | 研究
体や内臓の感覚を伝える感覚神経が骨内に侵入し、骨代謝の調節や骨の再生に関わって骨量の維持に重要な働きをしていることが明らかになったそうです(QLife Pro)。骨の健康には骨代謝の維持が欠かせないのは言うまでもありません。古い骨を破壊(骨吸収)してその場所に新しい骨を形成(骨形成)することで、血清中のカルシウム値を調節し骨の強度を保っています。骨粗鬆症では骨の強度が低下して骨折のリスクが高くなります。骨粗鬆症の患者は1300万人に達する見込みで75歳以上の女性の2人に1人が発症するそうです。そして、骨粗鬆症による骨折は寝たきりを招き、死亡率を高めています。ホルモンなどが骨代謝を調節するという定説に加え、最近では神経の関連も明らかになってきているそうですが、骨代謝のメカニズムの全貌はわかっていないそうです。今回、神経の伸長に関わるセマフォリン3Aに着目し、これを欠損したマウスは骨の細胞には異常がないが、骨密度が低下して骨粗鬆症の病態を呈したそうです。解析の結果、正常マウスの骨には数多くの感覚神経が侵入していたが、欠損マウスでは侵入が低下し、骨粗鬆症が発症しているとわかったというものです。感覚神経の侵入が低下すると、骨の障害に対する再生能力も大きく低下していたそうです。骨ができるときに侵入してくる感覚神経系が健康な骨の発達、怪我の後の骨の再生、治癒に重要であることが明らかになったと言うことになるようです。骨に侵入した感覚神経が骨代謝を調節する、とは骨代謝調節機構の新たな発見だそうです。従来の骨粗鬆症の治療薬は骨の破壊を抑えるものでしたが。感覚神経に骨の再生を促す作用があるとわかったことで、骨の形成を促す新規治療薬の開発につながると期待されています。
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椎間板性腰痛に新治療法

2013-05-09 08:30:11 | 研究
腰痛治療の新しい治療法として、幹細胞を豊富に含んでいる骨髄を採取して濃縮し、再注入することによって、磨滅してしまった脊椎椎間板を修復することが有効なのかもしれないという研究成果が発表されたようです(QLife Pro)。濃縮させた骨髄細胞の注入を受けた患者24人の経過を研究したそうです。対象となった患者には3カ月~1年にわたって持続する慢性腰痛があり、画像検査を行った場合にどの患者にも脊椎の椎間板に変性または損傷がみられたそうです。手術の前に骨髄治療を試してみることを提案したそうです。この治療法は、腰の後部から針で骨髄を採取し、細胞を濃縮した後、損傷した椎間板の周りに注入するというもの。骨髄注射を受けた24人のうち半分は、30カ月以内に別の治療を受けたため、確認できなかったが、別の治療を受けていない12人のうち10人は注射後2~4カ月以内に痛みがなくなってきたというもの。1年後、8人に痛みの軽減がみられたそうです。2年後には、5人が「腰痛が改善した」と回答。しかし、今回の研究では比較のための対照を置いていないことを指摘しす声も。慢性疼痛患者の症状には変動があり、最も悪化している時に治療を受けるため、その後改善したように感じることが多いそうです。最初は有望にみえた治療も実は効果がなかったり、反対に有害であったこともこれまでにあったそうです。さて、本当のところはどうでしょうか。
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腎結石の予防

2013-05-08 08:30:13 | 研究
シアトルの調査チームが、大規模な調査を行った結果、軽い運動をするだけで、女性の腎結石のリスクを最大3分の1もカットできるという結果がAmerican Urological Association(アメリカ泌尿器学会)の年次総会で報告されたそうです(QLife Pro)。アメリカでは、人口の9%にあたる人が、人生のうち一度は腎結石を患うと言われているそうです。男女比では、以前は男性に多い傾向があったそうですが、ここ15年ほどで女性が腎結石と診断される割合が急速に増えているそうです。この増加には、肥満の増加が関連すると見られているそうです。また、閉経に伴い、骨粗しょう症の予防のために摂る、サプリメントからカルシウムが蓄積することも影響の一つのようです。今回発表された調査では、50歳以上で、結石にかかったことがない8万5千人の女性が対象で、調査期間は8年間。年ごとに食事内容や運動内容と結石の関係を分析したそうです。食事では、水分摂取量が多いことや、塩分、肉の摂取が少ないことは、結石のリスクを下げることで知られているため、こういったことが食事内容に反映されているかを中心的に調査したそうです。また、エクササイズについても、1週間の運動量として、2時間30分のウォーキング、4時間のガーデニング、1時間のジョギングは同じくらいのレベルと解釈し、これを10METsという単位に換算したそうです。その結果、8年間で結石があった人は、対象者の3%。週に5METsの運動を行っていた人では、結石リスクは16%減、5-10METsで22%減、10METs以上では31%減となったそうです。また、これ以上運動量を増やしても結石リスクの減少は見られないことも分ったそうです。では、なぜ結石の予防に運動が効果的なのか? 体液が循環することで、石ができにくくなる、運動によって汗をかくことで塩分が排出され、カルシウムが骨から流れ出すのを防ぐなどといったメカニズムが働くと考えられているようです。また、運動後には自然に水分を摂取するため、これも結石予防に役立っているとも。10METsで考えると、ウォーキングなら1日30分以内という手軽さ。これなら、バス停一つ分歩いたり、ちょっと回り道したりするだけでも達成可能ですね。
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今度は欧州で麻疹の感染が拡大

2013-05-07 08:30:22 | 研究
今度は、ドイツやフランス、イタリア、英国など欧州諸国で麻疹患者が増加しているそうです(QLife Pro)。世界保健機関(WHO)によると、過去3年間で欧州において、約9万件の感染が報告されているそうです。ベルリンで行われた第23回欧州臨床微生物感染症学会議(ECCMID 2013)で、2010~11年で、麻疹の感染例が4倍にも増加したことが報告されたというのです。特に、フランスとイタリア、英国で懸念が広がっているとも。理由としてあげられるのは、西欧の中に根付く、副作用の被害による予防接種への懐疑だそうです。また、新三種混合ワクチンの接種と自閉症発症との間に関係性があると指摘する論文が一因とも。ただ、ワクチンと自閉症の関連性は、2010年に否定されているそうです。また、東欧において麻疹が流行傾向にあるそうです。特に、ルーマニアのシンティ・ロマ人には、十分なワクチン接種がなされていないそうです。2010年にルーマニアで麻疹が流行した時は、2万4000人が感染し、そのうち90%がロマ人だったとそうです。麻疹は、皮膚上に赤い斑点がでてくる、非常に伝染性の強い疾患。まれに、重い肺炎や脳炎を合併して発病することがあり、なかにはこのために死亡することも。麻疹の予防策として唯一の方法は、幼児期のワクチン予防接種。WHOは、ワクチン接種率が95%以上を目標とし、麻疹撲滅に向けて運動を実施しています。
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カウンセリングとメタボ予防

2013-05-06 08:30:23 | 研究
通常の医療的介入に加えて、自然療法医が長期的に生活指導やカウンセリングを行うことで、メタボが改善できる率がぐっと上がったという研究結果がカナダで報告されたそうです(QLife Pro)。研究の対象となったのは、25歳から65歳のトロントの郵便局員で、メタボ気味で心臓血管系の病気にかかるリスクが上昇し、かかりつけのお医者さんから治療や指導を受けている人たちだったそうです。調査開始の時点で、それまで受けてきたかかりつけ医の介入のみを続ける人たちを、通常ケアグループとし、自然療法医の介入を加える自然療法グループと比較したときに、10年後に心臓血管系の病気にかかるリスクと、メタボリックシンドロームに発展するリスクについて分析したそうです。自然療法グループでは、健康増進のためのカウンセリング(栄養や運動を元に、3-5キロ程度の減量を目標にしたもの)、サプリ(オメガ3、コエンザイムQ10、可溶性食物繊維)をなどを取り入れたそうです。評価のためのデータは、体重、ウエストサイズ、血中脂肪、空腹時血糖、血圧などで、1年間の調査期間で3回の測定が行われたそうです。この結果、自然療法の介入を受けた人たちでは、通常の治療を受けた人たちよりも、10年後に心臓血管系の病気にかかるリスクが3.07%減少し、7.74%となっていたそうです。また、10年後のメタボリックシンドロームと診断される頻度予測は通常治療グループで48.48%だったのに対し、自然療法グループでは31.58%と約17%も低くなることが分かったというのです。生活週間の改善が大切ですよね。
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16億ユーロの「健康な老化研究」

2013-05-05 08:30:11 | 研究
ドイツの公立大学であるロイファナ大学は最大投資額となる16億ユーロの計画を「EU革新プロジェクト」に申請すると発表したそうです(QLife Pro)。これまでロイファナ大学では、研究における革新とビジネス開発によって力を発揮し続けているそうです。現在はEUの機関の一つである欧州革新・技術研究所と協力関係を構築していくことを目指しているそうです。いま現在において、ドイツで出生した女の子は102歳まで生きると考えられているそうです。「健康に生き、元気に年を取る」というテーマを掲げている大規模なEUプロジェクトでは、経済成長の可能性と人々が高齢になっても有意義な生活を送れるようにするものだそうです。すごプロジェクトですね。
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光る羊

2013-05-04 08:30:32 | 研究
ウルグアイの科学者らは、羊の遺伝子にクラゲの遺伝子を組み込み、蛍光性をもつ羊を生み出したそうです(QLife Pro)。遺伝子を組み換えられた羊は、昨年10月に生まれ、これまでのところ、正常に成長しているそうです。何のために?とこの記事を見た方は思うと思います。私もそう思います。記事によりますと、この蛍光遺伝子の組み換えには、特に深い目的はなく、ただ単に、遺伝子工学の手法の実用性を検討するためだったということだったというのです。貴重な研究技術に妙な規制がかかるようなことにならなければいいのですが・・・・・・。
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発話リズムがそろうと、脳波リズムもそろう

2013-05-03 08:30:44 | 研究
日常生活で「何となくあの人とはリズムが合う」という感覚が起こるとき、実際の発話や行動のリズムが無意識に合うことが脳活動にどう関るのか、という謎の解明に挑むため、発話リズムと脳波リズムを2者間で同時に計測できる実験手法が確立されたそうです(QLife Pro)。まず、発話リズムに的を絞った実験として、内容に意味は無いがコミュニケーションを必要とする「交互発話課題」を考案したそうです。この実験課題は自由なリズムで交互にアルファベットを発声し合うもので、同時にこのときの発話リズムと脳波リズムを測定できる実験手法と、データから意味のあるものを抽出する解析技術も開発したそうです。日本人の20ペアにこの課題を行ってもらったところ、個々の発話リズムは異なっていても、2人が交互に発話することで互いの発話リズムが同調することを発見したそうです。また、一定リズムで発話するようプログラムされた機械との間では同調は起きず、ヒトとヒトが課題を行った場合にのみ同調が起きることも分かったそうです。さらに、このときの脳波を分析したところ、発話リズムの同調度合いによって脳波リズムも同調し、発話リズムが同調するほど脳波リズムの同調も強くなることも分かったそうです。この研究成果を元に、コミュニケーション障害の診断ツールや治療方法への応用が期待できるそうで、さらには個人にとって適した発話リズムを音声リズムに導入することで人と円滑にコミュニケーションが可能になるパートナーとしてのロボットの開発なども期待できるそうです。いろいろな視点があることに驚かされます。自分自身の硬直的な思考。反省です。
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5ヶ月の赤ちゃん

2013-05-02 08:30:23 | 研究
赤ちゃんの脳はどのくらいの時期から大人と同じような働きをするようになるのかとおいうことは、大きな疑問ですね。そんな疑問に関しての研究結果が報告されたようです(QLife Pro)。大人の場合、何か動くものが視界に入ると、脳の中の視覚を司る部分が活動します。この働きは、動くものがあることを、本人が認識しないほどの早さであっても機能するのだそうです。そして、ものが動いているものが、視界に一定の時間で残っていると脳内の信号は前頭前皮質に送られるそうです。この時点で、本人はようやく、動くものを目にしたことを認識するそうです。脳内の電気的信号を観察すると、視界に動くものが入ったときは、鋭い棘として記録され、前頭前皮質に到達したときには、遅れて波形の形が記録されるそうです。その所要時間は約300ミリ秒とされているそうです。フランスの研究チームでは、5ヶ月、12ヶ月、15ヶ月の赤ちゃん240人に、この電気的刺激を記録できるような帽子をかぶってもらって、人の顔を描いた絵を見てもらい、その結果を分析したそうです。結果的に分析できるようなデータが残った赤ちゃんは80人で、12ヶ月、15ヶ月の赤ちゃんは、時間が750ミリ秒ほどかかるものの、大人とほぼ同じような脳の働きをしていることが分かったというものです。そして、このような働きは、5ヶ月の赤ちゃんでも、見られていたとも。1歳の赤ちゃんよりも、時間も900ミリ秒と更に長くかかり、記録された形もはっきりしないものも見られたものの、5ヶ月ではすでに脳が目にしたものを認識する機能が発達してきていると判断されたそうです。また、この働きはおそらく2ヶ月頃から作られはじめているのではないかと言うことです。2ヶ月というとちょうど、ものを目で追うことができるようになってくる時期ですね。
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