高齢の慢性閉塞性肺疾患患者は、長時間作用型吸入β刺激薬(LABA)や長時間作用型吸入抗コリン薬(LAMA)を開始した後数週間は、心血管イベントリスクの上昇が見られるということが、研究で明らかとなったそうです(QLife Pro)。LABAとLAMAは、中等症から重症の慢性閉塞性肺疾患患者に対する第一選択となっている薬剤だそうです。この薬剤が心血管イベントリスクの上昇と関係していることを示す研究はこれまでにあったが、ランダム化比較試験ではリスク上昇がなく、これまで議論が続いていたそうです。そのため、薬剤の使用と心血管イベントによる入院と救急受診のリスクの関係を評価するために、高齢患者を対象とするネステッドケースコントロール研究を行ったもの。これまでに使用している患者は忍容性が高いため、有害事象が現れにくいと考え、新たに処方された患者だけを分析対象としたそうです。対象はカナダのオンタリオ州の住民であり、医療情報を登録した複数のデータベースから治療を受けた患者を抽出。短時間作用型や長時間作用型のβ刺激薬もしくは抗コリン薬の処方を受けた時点で組み入れていたそうです。確定例としても薬剤の処方がなかった患者は除外していたとも。
新規の使用例では、心血管イベントのうち急性冠症候群、心不全のリスクとの関係が示されたそうです。使用する薬剤によってリスクが上昇するレベルとしては、あまり差はなかったとも。
先日、株式会社安川電機は腕のリハビリ訓練装置を鹿児島大学と共同開発したことを発表したそうです(QLife Pro)。脳卒中患者の増加により、リハビリを行う療法士が不足していることに対応することを目的としているそうです。九州の3つの医療機関で9月から臨床試験が始められ、製品化されるのは2015年末の見込みだそうです。装置上部からたらされたワイヤーで患者の手首を支えることで負荷を軽減し、曲げ伸ばしの訓練を行うそうです。神経の興奮状態を高め動きをよくするために、電気や振動といった刺激を加える機能も備えられているそうです。装置のモーターに安川電機の制御技術が生かされているとも。複数の刺激を与えながら麻痺した部位の運動を行わせる方法は「促通反復療法」と呼ばれています。優れた効果はあるものの用いるのには技術が必要で、行うことができる療法士は少ないそうです。したがってこの方法による治療を受けることのできる患者もわずかにとどまっているそうです。前腕や指、下肢、歩行など、他の部位の訓練装置についても開発が進められているそうです。
眼瞼下垂とは、うわまぶたを開け閉めすることがうまくできなくなり、目が半分閉じたようになってしまう病態です。原因は、年齢的なものの他に、疲れ目やコンタクトレンズによるトラブルも挙げられています。この眼瞼下垂に、これまで緑内障の治療に使われていた目薬が効くという調査結果が発表されたそうです(QLife Pro)。プロスタグランディンという物質を含む目薬(以下PGA)は、緑内障の患者さんに対して、眼圧を下げる目的で使われてきました。対象となったのは緑内障の治療を受けている、186人の女性と157人の男性。PGAが眼圧を下げる以外に、どのような効果をもたらすかを観察。すると、この目薬には、二重の線の部分を深くして、目の周りの脂肪の層も薄くすることで、目の周りがスッキリし、結果的に眼瞼下垂の症状を抑えることが分かったというのです。この調査結果から、プロスタグランディン製剤の効能として、眼瞼下垂による視野欠損の改善があるというのです。眼瞼下垂の場合、目つきが悪く見られて悩んでいる方も多いそうです。すでに用いられている薬であるだけに安全性の確認などは実証されているので、より早い時期に、眼形下垂の患者さんの悩みを解消できるようになることが期待されているそうです。
ミネラルオイルは、便秘の解消に効果があるとされて、大人だけでなく子どもの便秘にも用いられてきいるそうですが、これに関する記事です(QLife Pro)。一般には、ミネラルオイルは腸で吸収されないので、便を滑らせると考えられていたそうです。けれども、もともと食用ではないミネラルオイルを飲むことに、不安を持つ人も増えてきて、食用の油の中にも、便秘の解消に効果的なものがあるのではないかと考え、食用油の中でも「身体に良い」と定評のあるオリーブオイルとフラックスシードオイルが便秘に効果があるかどうかを調査した報告があるそうです。どちらも、不飽和脂肪酸を多く含むので、心臓血管系の病気のリスクを減らしたり、コレステロール値を下げたりすることで知られています。便秘には、オリーブオイルやフラックスシードオイルの中の、オレイン酸が活躍するということが分かったようです。この物質は腸で吸収されないので、ミネラルオイルと同じように、腸の内容がスムースに出やすくなるということです。36人の便秘の人たちを3グループに分けて、ミネラルオイル、フラックスシードオイル、オリーブオイルをそれぞれ4週間飲んだそうです。1日4mlから開始して、症状によっては多少の増減を行ったとのこと。すると、どのグループでも同じくらいの便秘解消の効果が得られたというのです。ミネラルオイルと同じような効果が得られるというのであれば、最初から身体に良いと言われているオリーブオイルや、フラックスシードオイルなら安心ですね。
自然の景色を目にできることは、健康に良さそうなイメージはあります。特に、都会に住んでいると、新緑を眺めたり、真っ青な空や海を間近に感じたりすることで、心身ともに爽快感を味わったことがある人は少なくないでしょう。自然の景色を目にすることが、どのように健康に影響するかを調査した報告があるそうで、今回これに関する記事を見つけました(QLife Pro)。これは、呼吸器、または腸に何らかの病気があって、居住型の施設で長期療養をしている278人を対象にしたものだそうです。対象の人たちを、寝室の窓から自然の景色が見えるグループと、窓の外に他のビルが迫っているグループに分けて、健康状況にどんな変化が起こるかを追跡したそうです。対象の人たちが自分自身で感じる身体の状況や、心の状態、そして研究チームが客観的に見る身体の状態や心の状態を統合したところ、自然の景色を目にすることは健康によい影響を与えるという結果となったというのです。男女の違いでは、女性では自然の景色を見ることができないと、身体的な健康状態が損なわれやすかったのに対して、男性では精神的な健康状態に悪影響があらわれるという傾向が見られたそうです。一方で、呼吸器の病気がある人では、窓の外に自然の景色が見える人では、1人になりたいと感じると寝室で過ごすことが多く、腸に病気がある人よりもその割合が高くなっていたそうです。
昨日より、当研究室の英国のキングスカレッジロンドンから大学院生が訪問しています。キングスカレッジロンドンは、ロンドン大学に属しているカレッジで、英国で4番目に古い大学だそうです。ロンドン市内のロンドンブリッジの傍にキャンパスがあります。その大学院生が夏休みを利用して、他の研究室を訪問するプログラムがあるそうで、今回をこの制度利用したものです。豊橋創造大学とは比較もできなくぐらい歴史のある大学で、世界的にも名前の知られた大学から大学院生を受け入れるというのは、ある意味名誉あることです。この夏に2名の大学院生を受け入れることになっています。2名とも宇宙生理学を先行している学生だそうです。まず、1名が先行してやってきました。早速、実験に取り掛かり、2カ月間滞在する予定です。もう1名は、7月にやってくる予定になっています。慣れない日本の地ですが、頑張って良い成果を上げて欲しいと思っています。
膵島細胞と間葉系幹細胞の融合細胞が、糖尿病治療に有望であることが発表されたそうです(QLife Pro)。重症の糖尿病では膵島移植が低侵襲性治療法として期待されているそうですが、移植早期に膵島細胞の多くが失われ、インスリン治療が不要になる確率は低いとされているそうです。インスリン治療不要となる場合でも、複数回の移植が必要であり、移植した膵島細胞の長期維持が課題だそうです。今回、ラットの膵島細胞と間葉系幹細胞を電気的細胞融合法で融合、通常数日で失われる膵島細胞のブドウ糖反応性インスリン分泌機能を、この融合細胞は培養後20日間も維持できたというものです。これを同系の糖尿病ラットへ1,000個、腎被膜下に移植したところ、血糖値は少しずつ持続的に低下し、血糖低下作用が3ヶ月に渡って確認されたそうです。遺伝子発現を解析したところ、この融合細胞では膵島細胞の核と間葉系幹細胞の核が相互にリプログラミングされており、膵島細胞の内分泌機能と間葉系幹細胞の細胞維持機能を併せ持つ細胞であることがわかったそうです。したがって、少量の膵島細胞を利用して、融合膵島細胞による効果的な治療法の可能性が見えてきたというのです。ドナー1人から単離した膵島から複数の治療用細胞資源が確保できる可能性もあり、画期的な再生医療の一つとなり得ると期待されるそうです。
驚きの研究結果が報道されました(YOMIURI ONLINE)。中高年女性の顔のしみが動脈硬化の指標になりうるというのです。愛媛大学病院抗加齢・予防医療センターで健診を受けた中高年女性169人(平均年齢65歳)を対象に超音波検査で頸動脈の動脈硬化の状態を調べ、さらに、デジタルカメラで顔面を撮影し、コンピューターでしみの総面積やしわの長さ、肌の明るさ、きめの細かさ、毛穴の数などを詳しく解析したそうです。その結果、しみの総面積が大きいほど、頸動脈の動脈硬化が進んでいたというものです。しわや肌のきめ、毛穴の数などとは関係がみられなかったとも。一方男性では、顔のしみと動脈硬化との関連はみられなかったそうです。因果関係があるかどうかは不明ですが、さて本当でしょうか。他の都道府県民あるいは世界の人々に当てはまるのでしょうか。
第34回国際重力生理学会(34th Annual Meeting of International Society for Gravitational Physiology)の開催まで3週間となりました。
我々人間のほとんど全ての活動は重力の影響を受けています。多くの場合、重力に逆らって行われています。逆に考えますと、活動の増加や減少・停止はこうした抗重力活動の減少となるために、細胞や生体の機能に大きな影響が出現します。活動を止めると筋肉が萎縮するのはよく知られていることと思います。ただ、こうした重力の影響は目に見えませんし、感じられることもほとんどありません。国際重力生理学会は重力が我々の生体に及ぼす影響を解明し、健康的な生活を送るために必要な知識を提供するのが大きな目的の1つです。
生理学的研究から分子生物学的研究、バイオメカニクス研究や心理的研究など様々な研究分野の研究者が一堂に会します。
会場の穂の国とよはし芸術劇場は、本年4月30日にオープンしたばかりの新しい会場です。豊橋駅に隣接した会場で、アクセスしやすい場所にあります(http://www.toyohashi-at.jp/access.html)。
また学会期間中に、参加者の皆様に豊橋で有名な『手筒花火』を和太鼓演奏の共演をご覧いただける予定です。
皆様の参加をお待ちしています。
第34回国際重力生理学会
(34th Annual Meeting of International Society for GravitationalPhysiology)
大会会長:後藤勝正(豊橋創造大学大学院健康科学研究科 研究科長・教授)
会 期:平成25(2013)年6月23日(日)~28日(金)
会 場:穂の国とよはし芸術劇場
http://www.toyohashi-at.jp/
〒440-8508 愛知県豊橋市西小田原町123番地(豊橋駅すぐ横)
研究発表申し込み締切:平成25(2013)年3月29日(金)
詳細は以下のHPをご参照ください。
学会HP(http://www.isgp.org/)
大会HP(http://www2.sozo.ac.jp/~ISGP34/)
我々人間のほとんど全ての活動は重力の影響を受けています。多くの場合、重力に逆らって行われています。逆に考えますと、活動の増加や減少・停止はこうした抗重力活動の減少となるために、細胞や生体の機能に大きな影響が出現します。活動を止めると筋肉が萎縮するのはよく知られていることと思います。ただ、こうした重力の影響は目に見えませんし、感じられることもほとんどありません。国際重力生理学会は重力が我々の生体に及ぼす影響を解明し、健康的な生活を送るために必要な知識を提供するのが大きな目的の1つです。
生理学的研究から分子生物学的研究、バイオメカニクス研究や心理的研究など様々な研究分野の研究者が一堂に会します。
会場の穂の国とよはし芸術劇場は、本年4月30日にオープンしたばかりの新しい会場です。豊橋駅に隣接した会場で、アクセスしやすい場所にあります(http://www.toyohashi-at.jp/access.html)。
また学会期間中に、参加者の皆様に豊橋で有名な『手筒花火』を和太鼓演奏の共演をご覧いただける予定です。
皆様の参加をお待ちしています。
第34回国際重力生理学会
(34th Annual Meeting of International Society for GravitationalPhysiology)
大会会長:後藤勝正(豊橋創造大学大学院健康科学研究科 研究科長・教授)
会 期:平成25(2013)年6月23日(日)~28日(金)
会 場:穂の国とよはし芸術劇場
http://www.toyohashi-at.jp/
〒440-8508 愛知県豊橋市西小田原町123番地(豊橋駅すぐ横)
研究発表申し込み締切:平成25(2013)年3月29日(金)
詳細は以下のHPをご参照ください。
学会HP(http://www.isgp.org/)
大会HP(http://www2.sozo.ac.jp/~ISGP34/)
国立感染症研究所は、母親が妊娠中に風疹にかかったことを原因とする先天性風疹症候群の発症が、昨年10月からの約半年で10件に上っているとの調査をまとめたそうです(QLife Pro)。この数字は風疹が大流行した2004年1年間の先天性風疹症候群発症数と同じだそうです。周知のように、今年に入ってからの風疹患者数は増加し、5月1日までですでに5,442人に。昨年は1年間で2,392人なので、すでに2.3倍。風疹患者の70%近くを占めているのは、ワクチン接種を受けていない20~40代の男性だそうです。先天性風疹症候群の発症は2012年の10月に兵庫県で誕生した女児をはじめとして、その後はほぼ1ヶ月に1人のペースで報告されているそうです。胎児に影響が出るのを防ぐため、同研究所では妊娠を希望している女性や妊婦の夫などにワクチン接種を呼びかけているそうです。しかしワクチン接種には1万円前後の費用がかかり、これに対して補助がある地域は少ないとも。市町村が行うワクチン接種に対して補助を行っている都府県は、東京都・千葉県・神奈川県・大阪府で、これら4道府県の以外の市町村が独自にワクチン接種に対して補助を行うことには、財政の壁が立ちはだかっているそうです。反対に注目されるのが企業の動きだそうです。自社の従業員に対しワクチン接種の費用を補助する制度を設ける企業が出てきているそうです。社員は会社の宝ということですね。