健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

グリア細胞とうつ病

2014-12-11 08:30:21 | 研究
手綱核と呼ばれる脳の一部に存在するグリア細胞の機能不全が、うつ病の症状に似た行動異常や睡眠障害を引き起こすことが明らかになったそうです(財経新聞)。脳は神経細胞とグリア細胞によって構成されており、グリア細胞の一種であるアストロサイトはGLT-1遺伝子を発現し、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸の代謝を介して脳の興奮性を調整していることが分かっているそうです。しかし、グリア細胞と精神・神経疾患との関わりについての詳細は解明されていなかったそうです。今回の研究では、手綱核のグリア細胞のGLT-1遺伝子を欠損させたマウスは、手綱核の神経細胞の発火率が上昇して過剰興奮状態にあり、脳幹部のセロトニンやドーパミン産生細胞の活動が抑えられていることが分かったそうです。また、絶望状態・不安様行動・社会回避行動を頻繁に示すといったうつ病の症状に似た行動異常、そしてレム睡眠時間の延長や入眠からレム睡眠までの時間短縮が観察されたそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成25年「国民健康・栄養調査」結果

2014-12-10 08:30:57 | 日記
厚生労働省は平成25年「国民健康・栄養調査」の結果を発表しました(厚生労働省)。食事、身体活動・運動、喫煙、睡眠の状況について、性・年齢階級別に見ると、60歳以上で良好な一方、20歳代及び30歳代では課題が見られたそうです。食品群の組合せの状況でも、3食ともに様々なものを組み合わせて食べている者の割合は、男女ともに年齢が若いほど低い傾向にあったそうです。肥満者の割合について女性は減少傾向にあり、男性は平成23年以降、増加が止まったようです。血圧の平均値は男女ともに低下傾向にあるそうです。受動喫煙の影響をほぼ毎日受けた者の割合は、平成20年と比べて学校、遊技場を除く全ての場所で有意に減少したそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DNA分子は宇宙旅行に耐えられる

2014-12-09 08:30:41 | 宇宙
ロケットの外側に付着したDNA分子は、宇宙空間に弾道飛行して地球大気に再突入する極高温下の宇宙旅行に耐えられる可能性があるとの研究論文が、PLOS ONEに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。宇宙飛行に耐えたDNA分子は、1000度もの高温にさらされた後でも遺伝情報を細胞や細菌に伝えることができたそうです。今回の実験では、蛍光マーカーを付加した人工プラスミドDNAをロケットの機体の3か所に付着。実験の当初の目的は、宇宙へ飛行して地球に帰還する間のバイオマーカーの安定性を試験することだったそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ファストフードのカロリー表示を義務化

2014-12-08 08:30:58 | 研究
米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)は、レストランチェーンやピザ販売店など幅広い飲食業者に対し、メニューのカロリー表示を義務付ける新規則を発表したそうです(AFPBB NEWS)。まん延する肥満の問題に対応するのが狙いとのこと。FDAによると、展開している店舗数や自動販売機の設置か所が20を超える事業者は、提供または販売する食品の栄養成分に関する詳細を消費者に対し明示することが義務付けられるそうです。カリフォルニア、ニューヨークや複数の自治体では、同様の規則が何年も前から導入されているそうです。米国人は摂取カロリー全体の3分の1を外食に依存し、人々は消費する商品に関する明確な情報の開示を望んでいるそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インフルエンザに警戒

2014-12-07 08:30:53 | 研究
米国保健当局が先日(12月4日)、今年のインフルエンザの流行期は特に厳しいものになる恐れもあると警告したそうです(AFPBB NEWS)。今季は、米国のほとんどのインフルエンザ患者はインフルエンザA型(H3N2)ウイルスに感染しているそうです。米国疾病対策センター(US Centers for Disease Control and Prevention、CDC)によると、このウイルスは、過去10年で最も死者が多く出た3回の流行期で最も頻繁に見られたものだそうです。そして、最も懸念すべきことは、今季に分析されたH3N2型ウイルスの約半数が変異型になっていること。これは現在流行しているウイルスは今季のワクチンの製造に使用されたウイルスにはもはや似ておらず、ワクチンの予防効果に限界があることを意味します。しかし、ワクチンがウイルスを完全に阻止できなくとも症状を和らげる可能性はあると強調して、予防接種を受けるのは大切だと強調しているそうです。日本でも流行期に入ったと先日(12月5日)に発表がありました。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カロリーを燃焼させる

2014-12-06 08:30:46 | 研究
齧歯類では、植物由来の分子であるベルベリンが、褐色脂肪の活性を上昇させることによって、余分なカロリーの燃焼に役立つという報告が、Nature Communicationsに掲載されたそうです(natureasia.com)。褐色脂肪は、脂肪酸の代謝と熱産生により、エネルギー消費に積極的な役割を果たしています。ベルベリンという化合物は、薬草療法に用いられるさまざまな植物や中国伝統医学で一部用いられている植物に含まれているものだそうで、これまで抗糖尿病作用、コレステロール降下作用など、さまざまな代謝的効果のあることが明らかにされているそうです。研究では、遺伝的肥満マウスと高脂肪食を摂取するマウスにおいて、ベルベリンがエネルギー消費を増やし、体重の増加を抑え、低温耐性を改善し、褐色脂肪組織の活性を増強すること確認。ベルベリンのこうした作用が、熱産生によってカロリーを燃焼させる2種類の脂肪組織(褐色脂肪といわゆるベージュ脂肪)を活性化することによって生じることが明らかになったそうです。ただ、この機構がヒトにおいても働くかどうかは、今後の検証の結果を待たなければならないとも。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

講演会・授業などの講師派遣事業

2014-12-05 08:30:49 | 研究
日本宇宙航空環境医学会では、学校をはじめとする各種団体への出前講義や公開講座について積極的に協力するため講師派遣事業をスタートすることになりました。学会として、社会貢献を積極的に行っていくという取り組みの一環です。是非とも活用いただければと思います。宇宙医学、航空医学、環境医学など人類が挑戦している様々な環境下での生体の適応やその不思議、そして私たちの生活への貢献とその研究の意義など、教科書には書かれていない貴重な話を聞くことができると思います。希望講師につきましては、指名いただいてもよいですし、あるいは学会に一任いただくことも可能です。
なお詳細は、下記ページを参照ください。

日本宇宙航空環境医学会講師派遣事業
http://jsasem.kenkyuukai.jp/special/?id=14320

この「日本宇宙航空環境医学会講師派遣事業」につきまして不明な点がありましたら、下記学会事務局あるいは豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学分野までお問い合わせください。

日本宇宙航空環境医学会事務局
〒105 - 8461  東京都  港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学宇宙航空医学研究室内
TEL: 03-3433-1111 、 FAX: 03-3431-2666
E-mail: jsasem@jikei.ac.jp
http://jsasem.kenkyuukai.jp/about/

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学分野
http://www.sozo.ac.jp/professor/goto_katsumasa/index.html
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白いマグロ

2014-12-04 08:30:03 | 日記
インドネシア・バリ島沖で捕獲された真っ白なミナミマグロ(インドマグロ)が先月21日、空輸で築地市場に入荷したそうです(財経新聞)。セリでは1kg当たり1,500円、約18万円で落札。東京・渋谷の東急東横店地下1階の鮮魚店「魚力」に出荷。魚力では展示した後に解体して販売する予定だったがそうです、研究機関から調べたいとの要請があり、解体せず研究に回されることになったそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脳内に4年間寄生した条虫

2014-12-03 08:30:17 | 研究
先日、4年間にわたり男性の脳に寄生していた珍しい条虫が摘出されたというニュースが報道されていました(AFPBB NEWS)。摘出されたのは英国で、マンソン裂頭条虫(学名:Spirometra erinaceieuropaei)と呼ばれるこの寄生虫が、英国で報告されたのは今回が初めてだそうです。この条虫は、寄生していた間に男性の脳の中で右側から左側へ5センチほど移動。条虫を除去する手術は成功し、男性は快方へ向かっているとも。この条虫が寄生すると、弧虫症(スパルガヌム症)という体の組織が炎症を起こすそうです。脳に寄生された場合には、発作や記憶障害、頭痛などをもたらす可能性があるそうです。人間へは、この条虫が寄生する湖沼性の小さな甲殻類や生のカエル、爬虫類の肉を食べてしまったり、目の痛みを抑える中国の民間療法で生のカエルを湿布薬として用いたりして感染するそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

加齢黄斑変性に抗HIV薬が有効か

2014-12-02 08:30:18 | 研究
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染による後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療に広く使われている抗レトロウイルス薬の一種「NRTI(核酸系逆転写酵素阻害剤)」が、目の難病である「加齢黄斑変性」の治療にも応用できる可能性があるとする研究が、Scienceに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。加齢黄斑変性は、網膜の中心部にある黄斑という組織に老化による異常が生じ、悪化すれば失明することも。マウスを使った研究で、黄斑変性の症状悪化につながるたんぱく質の複合体「インフラマソーム」の働きをNRTIが阻害することが確認されたというもの。また、NRTIは肝炎や組織移植による合併症にも効果がある可能性も示唆しているそうです。このNRTIは非常に安価な薬剤で、今回の実験に使用した薬剤の中には数十年の臨床実績によって高い安全性が確認されているものもあるそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする