やれば出来るのに

　雨が降ったのかグラウンドに水が残る状態での1戦になったARI戦は48-20で圧勝しました。NFC西地区に4戦全勝で通算6勝5敗1引き分けになりました。

　BAL戦の酷いオフェンスがどうなるのか心配でしたが、Donovan McNabbは39回投げて27回成功の260ヤード4TDを記録し、Brian Westbrookも22回で110ヤード2TDをランでパスでも2TDを記録しました。
　何が変わったのかですが、これはとっても簡単な事で横へのルートを多用した事、そしてWestbrookのランをドローではなく速いタイミングのランに切り替えただけです。もちろん、ディフェンスに怪我人が多く出ているARI相手だった事も大きく違うのですが、縦に投げて失敗、ドローで3ヤード、サードダウンはコントロールミスを繰り返すだけだった単調極まるプレイコールが改善された事がオフェンスの復活の要因でしょう。
　Westbrookの復活もオフェンス復活に貢献しました、途中足を引きずる場面も有り完調で無いのは明らかな状態で110ヤード走ってくれました。抜ける場所が全く無い状態で持たされるドローよりも自分で抜ける場所を選べる普通のタイミングでのランで持ち味を発揮しています、プレイアクションからのディープを投げる為にドローを出しているのだとは思いますが、普通にランを出してからで無ければ意味が無い事を理解して欲しい物です。
　フィールドをここまで広く使ったオフェンスをするのは物凄く久しぶりのような気がします。ワイドアウトを縦に走らせ、ランはドローばかりでフィールド中央を全く使えていなかったのですが、ARIのDB不足を突く形でスロットを入れた事でアンダーニースへのパスを使う事が出来ています。本来WCOのチームなのですから、今日のような変化を付ける事が重要です。
　そして、Hank Baskettを入れる事の可能性が広がっています。6-4 220ポンドのサイズでチームに足りない高さを補充すると同時にランブロッカーとしても秀逸ですからTEスクリーンやエンドアラウンドのようなプレイでのブロックが期待できます。去年までに比べればはるかに横への動きが良くなっていますしレシーバーとしての成長も見られます、RFAになりますがこのオフに長期契約をするべき選手です。
　
　ディフェンスはランを平均2,5ヤードの合計25ヤードに抑えました、サックは記録しなかった物のラインの戦いで圧倒し続けた事でKurt Warnerにプレッシャーを掛け続けました。Asante Samuelを欠いた状態での3INTはプレッシャーを掛け続けたDLの貢献が大きいです、サイズの有るWR陣相手に縦への放り込みをさせなかった事が勝因でしょう、実際ミドルを何度か高さで通されています。勝ったから良いのですが、去年までのLCBではなくRCBで先発したLito Sheppardは往年のスピードを完全に失っています、カットで置いていかれ、リカバーするスピードも無い状態ですしトレードするにしてもかなり価値が下がる事になるでしょう。そして怪我の癒えた来年移籍先で活躍するのでしょうね・・・
　
　BAL戦では押され続けたポケット崩壊しない方が珍しいような状態だったOLですが、この試合ではMcNabbを守り、Westbrookの走路を切り開きました。途中Max Jean-Gillesがかかとを骨折してシーズンエンドの怪我を負いましたが、Nick Coleが穴を埋めています。Shawn Andrewsもいつ戻ってくるか怪しいです（今シーズンはもう戻らないとも言われています）からRGを2人失ってしまいました。Coleを使うのならば、ルーキーのMike McGlynnでも使って欲しいのですが、どうなりますか・・・。

　プレイオフが絶望の状態になると妙に強くなって勝ち数の帳尻を合わせる最近のパターンが今年も発動したようです。これまでは負け癖を付けない事が重要だと考えてきたのですが、今年のオフシーズンは大きな変革が来ます。CIN,BAL戦のような空気を払拭するのは必要ですが、若手を育てる事を考える年にしても良いと思います。

　
　今日のDeSeanですが、パントをキャッチせず見送るはずが、跳ねたボールが味方の足に当たると判断したのでしょう、無理にカバーしに行ってファンブルしています。これは判断ミスだったのですが、不用意にボールに近寄ったカバーチームのミスですしDeSeanの責任にするのはかわいそうな気もします。
　終盤サイドライン際を駆け抜けたプレイは運動能力の高さを遺憾なく発揮しています、今チームで最も輝いているのはDeSeanとTrent Coleです。チームのオフェンスMVPはDeSeanで決まりでしょう。

Trotterが居たらMcNabb殴ってたでしょう

　悪夢のような敗戦から4日、感謝祭のナイトゲームが13週目の試合になります。

　ハンデは3点有利
　ESPN 8-2
　USA Toady 4-4
　TSN 4-4
　BAL戦を見ていない人が結構居るようですね・・・

　CIN戦後半から歯車が狂い、BAL戦は何をしても全くオフェンスが進まなくなったチームを4日で立て直せるのかどうかが焦点です。ディフェンスのチームBALとオフェンスのチームARIと言う事を考えると、すこしはマシになるのではないかと期待するのも理解できますが、Donovan McNabbのスランプはそう簡単に脱出できないと思います。Brian Westbrookも練習を2日休んでいますし足首の膝の怪我が良くなっている訳ではありません、この4日間でコーチが出来る事は限られているでしょう。
　
　CIN戦の前にはNYG相手にそれなりのオフェンスをしているのですから、Westbrookの怪我悪化と言う条件は有りますがここまで急降下するのには何か理由が有るのだと思います。それが何なのかは分かりませんが、私はMcNabbのが手か目の怪我でもしたのではないかと疑っています。この2試合のパスはコントロールが悪いと言うよりも距離感が狂っているように見えます、奥行きを判断していないようなパスを投げるようになりました。BAL戦後半QBを変えたのはコーチが我慢出来なかったのではなく怪我が原因だと思います、これまでどんなに酷くても試合中にQB変えた事が無いReidが動いたのですから。
　怪我が理由でも、システムが原因でも4日間で修正は出来ないでしょうが、ARI側にもOLB,DBに怪我人が出ています。パスラッシュとカバー要員が足りないのですからBALに比べればパスを投げる環境はかなり楽になるでしょう、私は今のMcNabbはそう簡単には復活できないと思いますけれど・・・

　ランオフェンスは本当は使いたくないWestbrookを使う事になります。Lorenzo Bookerはレシーバーとしては普通に使えますが、ランは話になりません。出来る事ならばMcNabbに投げさせたくないのですが、それ以上にWestbrookの怪我が心配ですしパス主体のオフェンスを期待します。


　木曜日の試合で移動の長いARIの疲れを考えればかなりハンデを貰っている試合になります。シーズン前はそう考えていたのですが、今となってはチームの建て直しに時間が欲しい時に4日しかないと言う事になってしまいました。耐えに耐え続けているディフェンスがBAL戦4Qについに切れました、この試合またオフェンスが全く進まないようだとチームが空中分解する危険が有ります。Reid以下コーチの進退問題にも発展しかねない1戦になります。