【 朝 】:2月9日に53歳の誕生日を迎えた広岡監督の朝は早い。午前7時半に起床し合気道の体操で体をほぐした後に宿舎周辺を一回り散策し、選手達が集まって来る頃にはシャキッと待機している。黒江コーチは「監督は気持ちも体も若い」と寝ぼけ眼をゴシゴシ。「もともと朝寝坊だけど今では朝型人間だよ」と話すのは今年からレオ軍団に加わった長池打撃コーチ。朝食もそこそこに8時半には早々と球場入りして秋山、伊東、駒崎、西岡らの早朝特打に付き合う。「キャンプで22日間滞在するといっても、そのうち4日は休みで正味18日しかないんだ。若い連中には僅かな時間でも無駄に出来ないんだ」新人コーチには早起きが辛いなんて言ってる暇はないのである。
【 昼 】:昼間の球場内は他球団に比べて選手の掛け声が少ない西武。黙々と練習に励む選手が多い中で東尾投手と永射投手の2人はワアワア騒がしい。このコンビは宿舎でも同室でまるで恋人のように寄り添いムードメーカーとなっている。ペッパーでもノックを受けてもギャーギャー大騒ぎしているが「声の割には動きが鈍いな」と某コーチはチクリ。しかし2人は「何事も楽しくやらなきゃ」とどこ吹く風。野手陣で声を張り上げて練習しているのが石毛選手。田尾選手や鈴木康選手など移籍して来た選手に積極的に声を掛けて彼らの緊張をほぐしている。「世の中たのしくやんなきゃ。皆で力を合わせてV奪回を果たして来季は年俸5千万円だ~」ととにかく明るい。
【 夜 】:夜間練習にも精力的に参加するのは秋山選手。朝・昼・夜とフルに練習するが「あの子は150球ほど打ち込んでも汗ひとつかかないんだ」と長池コーチは秋山選手のタフネスぶりに驚く。 " ポスト田淵 " と期待されているだけに秋季キャンプ、自主トレ、春季キャンプと1日も休む事なくバットを振り続けている。「昼食も抜くのも珍しくない」と近藤コーチも唖然とする。その食事で周囲を驚かせているのが白幡選手。何しろ一度の食事で丼メシを13杯も平らげた。減量中の大久保選手や工藤投手を尻目にパクパク。「精一杯、腹いっぱいが僕のモットー」と豪快に笑う。今季から内野手を廃業し捕手に挑戦中だが、今の所は野球よりもその大食漢ぶりに注目が集まっている。
【 推奨株 】:先発オーダーを決めるのはまだ先の話ですがポイントは一・二番でしょう。田尾を三番に据えるとしたら石毛・金森が理想的。金森の代わりに西岡も候補ですが金森の方が実戦向き。金森はヤマ張りタイプですが結構器用だし足のある石毛とのコンビは相手も嫌がる。課題はいかに左腕投手を打てるかですな(広岡監督)
【 我が家へのラブコール・東尾 修 】
東尾の場合はキャンプ中もだがシーズン中も妻子(タマエ夫人と長女・理子ちゃん)を博多に残したままなので家族への電話は欠かせない。高知名産のポンカンと文旦を毎年家族に必ず送っている。年間に使う電話料金は5~7万円ほどだとか。「エッ、電話の内容?特に皆さんと変わりありませんよ。元気にしてるかとか、困った事はないか、とか。最近、小学3年生の娘がゴルフを習い始めたので上手くなるアドバイスをしたりね。まぁ普通ですよ」と。
【 ウチの秘密兵器…渡辺久信 】
聞き手…台湾から来た郭投手が注目されているけど首脳陣の期待は君も負けてないね
渡 辺…そうですか、嬉しいですね
聞き手…2月12日の紅白戦は負け投手にはなったけど4回で6奪三振は見事でした
渡 辺…真っ直ぐも良かったしカーブもキレてた。課題のフォークボールも落ちてたし納得してます
聞き手…フォークボールはいつ頃から投げているの?
渡 辺…昨シーズン終盤に外人選手に試し投げをしてました。人差し指と中指の加減でシュートしたりスライドしたりするので
うまくいけばウイニングショットに使えそうです
聞き手…新魔球 " ナベボール " 誕生は近い?
渡 辺…まだまだ。紅白戦でも高目に抜けたは打たれたんで精度を上げる事が課題です
聞き手…今シーズンの目標は?
渡 辺…ローテーションに入り1つでも多く勝つ事。その為にも首脳陣の信頼を得ないと。先ずはオープン戦初戦の先発を狙います
聞き手…昨シーズンは高卒1年目にもかかわらず初勝利もあげたし他球団のマークも厳しくなるのでは?
渡 辺…相手打者の研究まで手が回りません。当分は伊東さんのサイン通りに投げます
聞き手…自慢のストレートはどれくらい?
渡 辺…148㌔らしいです。早く江川さんみたいに150㌔を出したいですね
聞き手…ところで野球をしていない時はどんな感じ?
渡 辺…演歌を愛する日本的青年(笑)あとはプラモデルに凝る青年でもあります
成長次第では松沼弟・郭と合わせて3人で " 150㌔トリオ " で売り出せるよ。高卒2年目だけど馬力もあってシーズンを乗り切るペース配分と
コンディション作りさえ覚えれば2桁勝利も可能な逸材(宮田投手コーチ)
この年は広岡さん監督最後の年ですよね。
確か同年にライオンズは優勝し、広岡監督いわく"会心の優勝"とのことですが根本さんと球団編成とかをめぐり衝突し退任となったのが残留でならないです。
外国人補強でドンベイラーという一発を打てるのを広岡さんは希望したけど撥ね付けられたとか色々あったんでしょうね。 長々と失礼しました。