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◆ 西武ライオンズ:とにかく、なにがなんでも大砲が欲しい!
広岡前監督の退任騒動でスカウト会議もバタバタして落ち着かないが西武の場合はドラフト候補の選別は根本管理部長に任されており支障はない。過去4年間の広岡政権下での指名選手も根本色の強い人選だった。ことドラフトに関しては監督不在と言ってもよく、今回の広岡前監督の退任要因の一つでもあったチーム編成の権限は根本管理部長に一極集中している。中日から田尾選手を獲得し将来の四番候補の秋山選手も成長したが「外人の大砲を含めて打線の厚みを増さないと優勝を争うチームとは言えないでしょう(根本管理部長)」と今ドラフトは野手中心で臨むようだ。
本命は勿論、清原。問題は清原がセ・リーグ志向が強くパ・リーグの球団を拒否していると伝えられている事。だが清原担当の浦田・鈴木両スカウトは「本人や周りを調査した結果、拒否というほど強いものではない。感触も悪くない。将来性というより即戦力に近く是非とも欲しい選手」と自信の笑みを見せた。ただ気になる情報が西武周辺に飛び交っている。それは桑田投手を西武が指名するかも、という噂話。早大進学を希望している桑田だが浦田スカウトは「(桑田投手に関しては)まだ調査中」と諦めていない。一昨年には桑田同様に進学希望だった仲田秀(興南)を口説き落として入団させた実績があるだけに注目である。
◆ ロッテオリオンズ:地味なドラフトはやめ、果敢に清原に挑む
今から5年前に愛甲選手を1位指名して以降はずっと地味な選手をピックアップしてきたロッテ。だが今ドラフトでは清原の1位指名を決めた。先月30日のスカウト会議に出席した稲尾監督は「清原は即戦力。1位で行くよ」と明言した。稲尾監督は落合選手の一塁コンバートを決めており、落合の後釜の三塁手に清原を抜擢する気だ。球団フロント陣も「今年は話題となる選手を指名したい。落合君と " OK砲 " で売り出したい」と早くも捕らぬ狸の皮算用。その為の契約金には糸目はつけない方針を親会社と確認を済ませた。
問題はくじ運の悪さ。清原には最低6球団の入札が必至な上に、稲尾監督はくじ運にからきし弱いのだ。2年前には川端投手を広島と獲り合ったが、あえなく外れ。「くじ引きの練習をしなくちゃ。でも何をすればいいのか…(稲尾監督)」と今から苦慮している。球団として今ドラフトでは内野手と投手を各2人ずつ、捕手と外野手を1人ずつ指名する予定でいる。ただ清原に集中する球団が多い為、「外れ1位や2位以下がどうなるか全くつかめていない状態(得津スカウト)」だそうだ。もし清原を外したら園川投手(日体大)を指名する予定でいる。
◆ 近鉄バファローズ:清原から即戦力投手へ乗り換えが濃厚
清原で決まりと思われていた1位指名がここにきて微妙な変化が見え始めた。清原のパ・リーグ拒否宣言以降、球団関係者の口から「何が何でも清原」といった強い口調が影を潜め、「ウチのウィークポイントは誰が見ても投手陣」と暗に即戦力投手を指名するかのような発言が増えた。「昨年の佐々木(今季3勝)クラスの投手は確かに何人かはいます。ただし清原君を回避した球団に先に指名されてしまうとクジを外した場合は殆ど残っていないでしょう。じっくりと考えないと」と梶本編成部長は本音を明かさない。
そればかりか「ウチの1位指名が決まるのはドラフト会議前夜、いや一昨年の小野投手の時のように当日の朝に決まるケースもある(山崎球団代表)」とガードは固い。しかし例年以上に補強ポイントが明白であるのも事実で即戦力投手が喉から手が出るほど欲しい。「社会人の長富投手(NTT関東)、伊東投手(本田技研)、大学生の西川投手(法大)、高校生の中山投手(高知商)も1位で消える素材」と梶本編成部長は話す。1位で即戦力投手を指名できれば残る5人は将来性のある投手2人、左の外野手、内野手の指名を予定している。
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