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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 682 週間リポート 南海ホークス編

2021年04月07日 | 1977 年 



お宅セックスは週何回?
新年早々に「何でも話そう夫人部隊」なる親睦会が発足し、1月10日に第1回の会合が催された。巨人や中日などでは珍しくないが南海でこうした集まりはこれまで無かった。ただ、やはり同じチームで仕事をしている仲間として奥様方の連帯があった方が何かと宜しいのではないか、と佐藤投手夫人が発起人となり誕生した。そもそもは野村監督を囲んで主力選手の奥様6人が話をする雑誌の企画がきっかけだった。初対面の方が多く最初は会話も弾まなかったが、徐々に打ち解けて野村監督の「夜の営みは週何回?」などの際どい質問にもあっけらかんと「ウチは★回です」答えるようになった。

当初の予定時間をオーバーするなど座談会は盛り上がり、「こうした会を毎年開こう」と意見が纏まり今回の親睦会に繋がった。第1回総会には夫人だけでなく選手も同伴することになっていたが、選手だけの出席は認められておらず夫人が妊娠中の外山選手は欠席となった。「奥様の為の会ですから旦那様だけが出席されても意味はありません」と佐藤夫人はピシャリ。いずれにしても総会を開いた後に毎年2回以上の集いを開くと決定。夫人部隊が旦那の尻を叩き、チームの優勝への圧力団体になること請け合いだ。



期待よそに本人投げる気なし
一体いつになったら江夏は本格的な投球練習をするのか?首脳陣だけでなく報道陣もこのことに注目している。左上腕神経炎と極度に低下している左手の握力が江夏を悩ませている。1次キャンプの中モズでは本格的な投球には程遠いキャッチボール程度に終始した。「寒い中でやってもしゃあない。まぁ(2次キャンプの)田辺に行ってからボチボチやりまっさ(江夏)」と今は我慢と決め込んだ。キャンプイン当初から投げる意欲は充分だった。「10日くらいでブルペンに入るつもり」と江夏自身は想定していたが一向に改善しなかった。

パラフィン浴治療をはじめとした電気治療、磁石治療に水泡風呂など神経炎症に効果があるとされている治療を続ける一方でオットセイのエキスやゲルマニウム水を摂取するなど積極的に左腕再生を試みてきた。更にはゴム製のコルセットを着込んだり腕の筋力をつける為にスパットと呼ばれる重さ1kgの腕輪をはめてトレーニングをしたり、治療と並行して回復を目指し精力的に動いた。「思ったより早く回復するかも」と周囲の期待が高まったが、人並み外れてヘソ曲がりな江夏は田辺キャンプでも相変わらずキャッチボール程度のままだった。

江夏本人も首脳陣やマスコミのイライラが高まっているのは百も承知だが「反骨精神とでも言うんかな、周りの雰囲気に流されるのが嫌なんや。ワシは皆が見ていると投げとうないんや。こっそり投げるんやったら今でも投げられるけど…まぁもう少し暖かくなったブルペンに入るわ(江夏)」と。キャンプも中盤に差し掛かり他の投手らは実戦形式に入っているが江夏の本格的な投球はまだお預け状態のまま。今しばらくマイペースを続けるようだ。



ええ!勝てば一律1万円
野村ホークス今季の最大のテーマは打倒阪急。そこで野村監督が思いついたのが『馬にニンジン・選手に現金』ならぬ阪急戦で勝利に貢献した選手に特別査定をするプラン。先ず投手陣では阪急戦で完投勝ちした場合は「3勝分」とする。つまり15勝した投手が阪急戦に2勝していればプラス4勝され19勝と査定される。中継ぎ陣も勝利に貢献すれば勝ち投手でなくても「1勝分」が上積みされるというわけだ。抑えでセーブを上げれば「1勝分」がプラスされる。

野手陣にも同じように査定がアップされる仕組みがある他に阪急に勝った試合のベンチ入りメンバーに一律1万円が支給される。この現金は親会社の南海電鉄から出るそうだ。「1試合で約30万円の出費になるが、それで打倒阪急を果たし優勝できるのなら安いもんや」と南海電鉄幹部は胸を張る。選手にとって阪急戦は文字通り働き甲斐のある試合となる。4月2日の開幕戦はさっそく現金シリーズとなるわけだが果たしてどうなることやら注目である。

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