負けが込むとお決まりのウワサは監督更迭。開幕して15試合で12敗(4月28日現在)の中日に、またぞろそんなウワサが出てきて・・何しろ前例があるものですから。
色めき立ったネット裏
中日が2週間の長期ロードを終えて本拠地の名古屋に戻った4月25日は球団の定例役員会の日で、伝え聞くところによると親会社から厳しい批判の声が飛び出したらしい。その証拠に会議後の球団フロント陣は緊急のスタッフミーティングを招集して苦境打開策の検討を行なった。こうした一連の動きを見ているとチームおよびその周辺の雲行きは風雲急を告げる状態で間違いない。それにしてもいくら不振とはいえ、せめて4位くらいには留まっているだろうと思われていた中日がここまで低迷するとは誰も想像できなかったであろう。最近、地元の熱狂的な中日ファンも余りの不甲斐なさに怒りよりも呆れかえって諦めムードが街中を漂っていると嘆く。
そしてファンの間で話題になっているのは「与那嶺監督の休養も時間の問題だね」だそうだ。ファンだけではない。開幕して間もない4月10日、ナゴヤ球場での対巨人3回戦の敗戦後の報道陣が「こりゃあ昭和39年のケースにそっくりだ。監督休養は大いに有り得る」と色めき立った。昭和39年というのは杉浦清監督が今季のように開幕からつまずいて最下位に低迷し、6月中旬に休養に追い込まれたケース。今季は6月どころか4月中に休養説が流れる異常事態だが、それ相応の理由を中日が内蔵していたからだと見ることが出来る。オープン戦で期待された結果を遂に出せなかった助っ人のデービス選手に周囲は不安を隠せなかった。
大物OB評論家はその不安を代弁するように開幕前にこう話していた。「デービスの件はひとつ間違えたら大問題になりますよ。高額の年俸で活躍して当たり前、期待外れだったらチーム内に不満が噴き出し内部崩壊する危険すらある。私は与那嶺監督がもっとデービスと対話して一刻も早くチームに溶け込めるようにするべきだと思いますね」とデービスの特別扱いについて危惧を指摘していたが、どうやらその悪い予想が当たってしまったようだ。デービスのプレーは流石と思わせる走塁を何度か見せてくれたし、打率3割をキープし帳尻は合わせているが今一つ迫力に欠け物足りない。また時折見せる怠慢プレーにチーム内で不満の声は多い。
広島遠征の時に某主力投手が「あの野郎ふざけやがって!アイツのためにチームが滅茶苦茶になってしまうんだ。自分は一番高い給料を貰っているから涼しい顔をしていられるが俺たちは勝ち星ひとつを飯の糧にしているんだ」と怒りを爆発させた場面を目撃した人は多い。元々おとなしいタイプが多く、表立って批判することの少ない中日の選手でも流石に我慢の限界に近づいているようだ。「そもそも最初にピシャリと抑えつけておかないから大きな顔をするんだ。フロントも監督もデービスを神様扱いするから勘違いしてつけ上がるんだ」と某主力内野手。こんな状態ではいくら与那嶺監督が選手に「チームプレーに徹しろ」と叫んだところで説得力はない。
投手陣もガタガタ
更にチームを低迷に追い込んだのが投手陣の不振。昨年まで投手陣の手綱を締めていた近藤コーチが退団した為に「与那嶺監督は投手起用に迷いが生じている」と中日担当記者は指摘する。チームプレーも上手くいかず、投手陣も悪いではとても乱セを勝ち抜けない。だが、球団フロントや現場の首脳陣たちの思惑違いも確かだが選手も大いに反省しなくてはならない原因もある筈だ。「巨人の選手を見習うべきです。巨人の選手は打席で何とかして出塁してやろうという気迫が見ている我々にも伝わって来る。それにひきかえ中日の選手は簡単に早打ちして凡打を繰り返す。情けないったらありゃしない。最下位脱出は当分無理でしょうね」と地元の30年来の古参ファンは嘆く。
まだペナントレースは始まったばかり。20試合を消化した時点で悲観的な材料ばかり飛び出すのはいただけない。先は長いと悠長に構えているとこのままズルズルと深みにはまり込んでしまう。それは過去のプロ野球の歴史で数多くの例が証明している。こうした事態にようやく球団側もデービスを呼び出し、小山球団社長・与那嶺監督との3者会談を催しチームプレーの徹底を要請しデービスも快諾した。その後のデービスは見違えるようなハッスルプレーを見せ、1試合2本塁打などの活躍に引っ張られるようにチームも連敗を止めて今季初の連勝をするなど希望の光が僅かだが見え始めた。与那嶺監督の首が飛ぶか繋がるかはデービスの活躍次第だ。
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