静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

「やいづ」乗船実習 初めてのかつお一本釣り (生徒作文2)

2013年12月09日 10時25分32秒 | 25年度 乗船実習
12月5日のブログ写真で、活きイワシ餌の入ったバケツを運んでいるのが、S君です。
今日は、頑張っているS君の作文を紹介します。
  
今日、僕は初めてカツオの一本釣りをやりました。
朝起きて、歯磨きをしている時に、集合がかかり、急いでカッパを着て船尾に集まりました。
散水が始まり、操業が始まりました。

最初、カツオがかかった時、その重さに戸惑いました。
だけど、何とか上げることができて良かったです。
それで、一つのナブラが終わったら、次のナブラにいったりして、昨日よりもすぐにナブラが見つけられました。

それで、カツオを上げれば、上げていくほど、レベルアップしている感じがして、気持ち良かったです。
餌を運ぶ作業もしました。
それで、今日は654本、2056kgが釣れました。
先生が言うには、少ない方らしいです。

明日は、当直なので操業はできないけど、しっかり当直実習を頑張りたいです。
見張り当直もやりました。
眠くて、鳥や木を探すのは、気が遠くなる作業だったけど、鳥が見つけられて良かったです。

この体験は、就職した時に、きっと役に立つと思いました。
今日の操業では、カッパがびしょびしょになるくらい、汗をかきました。
すごく暑かったです。

だけど、カツオを釣り始めたら、暑さを忘れるくらい楽しかったです。
船員の人に、色々教えてもらって、良い体験ができたと思いました。
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「やいづ」乗船実習 初めてのかつお一本釣り (生徒作文)

2013年12月08日 09時00分26秒 | 25年度 乗船実習
実習船「やいづ」は、沖縄那覇港を12月6日9時に出港して、瀬戸内航路を経由して、焼津に向かっています。
生徒達が初めてのかつおを釣り上げたときの感動を作文にして、沖縄から送ってくれたので紹介します。
初漁があったのは、11月22日、出航してから10日目です。

この日は、6回の群れに当たり、約660本、2トンのかつおを釣り上げることができました。
 ① 8時30分:20尾 ②8時50分:123尾 ③9時35分:75尾、
 ④14時25分:71尾 ⑤15時40分:144尾 ⑥16時40分:225尾

(N君の作文)  
今日は、朝一からかつおの一本釣りをやった。
朝飯を食べた後、さっそく準備して、なぶら(かつおの群)が来たので、カッパ等を着て、トモ (船尾) に行き、スタンバイした。
いよいよ、初の操業開始となった。

学園の裏の川 (黒石川) で練習してきたことを思い出しながら釣り台に立った。
バケを入れて待つこと数秒、自分の化けに喰いついた。
竿が 「がぁー」 と引っ張られ、「来たー」と興奮した。

(かつおの) 頭を上げ、ゆっくりと自分の前に引き寄せると、自分の頭の通り過ぎて、船内に落ちる。
初めて釣り上げた時、とても嬉しかったが、バケを入れるとまた、すぐに喰い付いてきた。

そして、数匹釣ったところで、一回目の操業が終わった。
自分を含め、皆、興奮していた。

次のナブラを探すため、アッパーデッキに行き、メガネ (望遠鏡) で見ていた。
見渡す限り、海しか見えない中、メガネで鳥を探すが、全然、鳥が見つけられない。
十分以上、見ても鳥は見えないが、目を凝らして、ずっーと水平線付近を見ていると、黒い点が海面や空に見えた。

ほんとに小さな黒い点で、しっかりと見ていないと、どこに行ったかも分からない位だった。
鳥を見つけて、カッパを着て、準備をし、トモに行くと、船長が放送で、「後、2マイル」などと距離を教えてくれるので、
自分は、「次も釣るぞ」 という気持ちになり、開始を待った。

2回目の操業も終え、その後も数回にわたって操業をして、合計654匹を釣り上げ、2トンも釣れたらしい。
1日、ずっーと、操業をしていて、結構疲れたけど、楽しかった。
明日も操業ができたら、頑張って釣りたい。

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「やいづ」乗船実習 沖縄上陸研修 (12月6日)

2013年12月06日 09時58分16秒 | 25年度 乗船実習
鹿児島を18日(月)に、出航してから2週間、生徒達は船上で過ごしてきました。
沖縄での上陸研修は、主直日誌にもありますが、生徒達が待ちに待ったものです。
初めて見る沖縄、何を感じ、何を学ぶのでしょうか。

学園では、行動の積極性、自ら率先して行動することを日頃から指導してきました。
専攻科の生徒さんが書かれています主直日誌に、生徒達の様子が時々出てきますが、学園にいる時以上に頑張っているように思われます。
学園の就学期間は1年で、この乗船実習が最初で最後の洋上訓練になるからです。

    

(12月2日 主直日誌から) 那覇沖錨泊

午後は恒例の船洗いです。
船洗いとは、文字通り船の大掃除の事です。
航海の終わりが近づくと、生徒及び甲板部乗組員総出で行います。

最初は船体の錆びやカツオの血垢を落としました。
毎航海行っていますが、どうも慣れない作業で悪戦苦闘します。
しかし、学園の生徒さんは初めてにも関わらず、テキパキと素早く丁寧に行っていてとても驚きました。

外回りが終わると、次は船内の掃除です。
壁や天井など、普段出来ないところをみんなで徹底して拭き取ります。
終了後は、自分の心もピカピカに綺麗になった気持ちになりました。

さて、明日は待ちに待った沖縄那覇港入港です。
沖縄での予定は、初日が美ら海水族館見学、二日目が首里城見学、最終日の午後が自由行動となっています。
世界的に有名な水族館と世界遺産の首里城に行けることは、自分にとってとても良い経験になると思います。

充実した3日間を過ごしたいと思います。


(12月3日 主直日誌から) 那覇入港

今日は待ちに待った沖縄入港でした。
約2週間ぶりの上陸ということと、初めての沖縄ということで、気持ちは大変高まっていました。
私の中で沖縄といえば、美ら海水族館が一番に頭に浮かび、沖縄に入港したら必ず行きたいと思っていました。

その美ら海水族館は運営日の関係で行くのは、今日しかチャンスはありませんでした。
そのために、船長が入港時間を早めて下さり、改めて色々な人に支えられていることを実感しました。
入港作業が終わると同時に、全員で急いでツアーバスに乗り込んで出発しました。

このツアーでは、メインである美ら海水族館以外にも、世界遺産の今帰仁城跡や万座毛、名護のパイン園などにも行きました。
那覇市から水族館まではかなりの距離があり、道中とても長かったのですが、楽しいバスガイドさんのお陰で気にならなかったです。

美ら海水族館は、自分が予想していたよりもかなり大きな施設で、入口が3階にあり、
今まで見たことがない大きさの水槽に、種類豊富な魚たちが泳いでいました。

その中でも僕が一番目を惹かれたのは、水槽内で最も大きな魚であるジンベエザメです。
水槽内に三匹しかいないにも関わらず、最も大きな存在感を放つその姿はとても雄大で、
我が焼津水産高校の校訓である「質実剛健」の意味、「飾り気の無いたくましさ」を感じることが出来ました。

もちろん、感動を覚えていたのは私だけでなく、他の専攻科や学園のみんなも同じだったと思います。
明日は首里城見学も控えています。
これもまた歴史的な文化財なので、しっかり予習をしてから見学に臨みたいと思います。


(12月4日 主直日誌から) 那覇港停泊

午後、一部の生徒は沖縄南部戦跡の見学へ行きました。
タクシーで平和記念資料館・ひめゆりの塔・自然の洞窟である「がま」・旧海軍司令壕の4カ所を回りました。
いずれも日本で唯一、一般人を巻き込んだ地上戦が行われたことを知り、戦争の悲惨さ、凄まじさを改めて知ることができました。

日本人として機会があれば一度は訪れて欲しいところだと思いました。
これから先同じようなことが繰り返されないように、平和な世界が続けばいいと思いました。
また、漁業学園の生徒も専攻科とは別行動ですが、沖縄の南部へ行き戦争のことについて学習してきたとのことでした。

漁業学園の生徒も専攻科生と同じような気持ちを抱いたそうです。
沖縄停泊も残り1日となります。
なかなか来ることが出来ない所なので思い残す事がないよう、他にもたくさんの事を知り思い出もたくさん作れればと思います。

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「やいづ」乗船実習 かつお操業が終了して沖縄の那覇港へ  (12月5日)

2013年12月05日 13時54分27秒 | 25年度 乗船実習
今回の航海では、かつお操業実習が十分できたと思います。
実習船「やいづ」は、12月2日(月)には、沖縄の那覇港に入港し、上陸研修を行っています。
私の報告も遅れぎみですが、駆け足で追いつくようにします。

ロープの差し継ぎは、学園で力を入れているロープワークです。
陸上ばかりでなく、揺れる実習船の上でも「スパイキ」を床に置かないで行う練習をしてきました。
揺れる船上では、「スパイキ」が転がってしまうので、手から離さないことが条件になっているからです。

      

(11月29日 主直日誌から)

今日は、朝早くからナブラが見つかり、少し大きめのカツオを釣ることができました。
数は少なかったのですが、(専攻科の) 私はその中でも3本釣ることが出来たので嬉しかったです。 
7時半を予定していた凍結シフトは午後から行うことになり、操業は夕食後からになりました。

凍結シフトでは、トン数は少ないものの、カツオの本数がかなりあり時間がかかりました。
暑い中でのシフトでしたが、しっかりと声を掛け合いながら怪我なく安全に作業を進めることが出来、よかったです。
夕食後の操業は、ナブラが4,5回来ました。

餌を撒いてカツオをおびき寄せ、目の前を通ったりしましたが、船の近くに近づいて来ず、竿に掛かることができませんでした。
目の前にカツオが見えているのに、釣り上げられず、漁業学園の生徒や専攻科の生徒も、とても悔しい思いをしていました。


(11月30日 主直日誌から)

今日は、朝から海が荒れていて、ラジオ体操がありませんでした。
ここまで荒れるのは今航海始まって以来のことで、朝から気分が悪かったです。
昨日は揺れを感じないほど凪が良かったのですが、今日は部屋中の荷物が落ちたりする程の激しい揺れ方でした。

本来行うはずだった調査もできませんでした。
何回も航海を行っている身ですが、改めて自然の恐ろしさを実感しました。

今日の課業では、漁業学園の生徒にロープワークの一種として刺し継ぎの方法を教わりました。
七本刺し、バックスプライス、二重ぼうずの3つで、どれも自分たちが教わったことがない刺し方でした。
刺し継ぎというのは、普通のロープワークと違い、主にロープの末端処理に使われる結び方です。

今まで自分たちがやってきたロープワークは、全て物を締めたり留めたりするやり方だったのでとても新鮮に感じました。
この中で、七本刺しとバックスプライスの二つはスパイキという道具を使用して、ロープの末端を編み込んで留めるものでした。
これがなかなか上手くいかず、スパイキの先端が親指に刺さってしまい、とても痛かったです。

さらに、自分たちの班は専攻科の中でも特にロープワークが苦手な3人だったので、
教えてくれた学園のA君とO君にはとても大変な思いをさせてしまい、申し訳なかったです。
学園の生徒は、学校にいる時は毎日練習しているようで、中には夏休みを返上して練習していた生徒もいたようです。

さて、明後日の12月2日はついに那覇入港です。
凪不良ですが、体調を崩さないように頑張りたいです。


(12月1日 主直日誌から)

昨日より凪は良くなりましたがまだ少し波が高く、今朝もラジオ体操がありませんでした。
午前中はいつもの課業があり、午後から航海コースの生徒が無線方位測定機の取扱について、学園の生徒にプレゼンを行いました。
今航海も色々とありましたが、カツオ一本釣りは、やっぱりとても楽しくやり甲斐があります。

前航海に比べ鰯の致死量が少なく、何回も釣る機会があり、専攻科、漁学とも満足した操業だったと思います。
今は沖縄に着くのが待ち遠しくて仕方ありません。
陸自体が約2週間ぶりで、修学旅行でも行けなかった所なので毎日のように沖縄の観光雑誌を友達と見ています。

沖縄には有名な観光名所やおいしい物がたくさんあるみたいなので、いい思い出が作れるよう楽しみたいです。
航海も残りわずかとなってきました。
漁業学園の人達とも沖縄や愛媛を楽しんで、忘れられない航海にしたいです。

最初はお互い遠慮しがちな仲でしたが、みんな明るく元気な性格だったため、今では夕食後などに仲良く団らんするようになりました。
しかし、まだ航海が終わってないことを自覚し、残りの航海を頑張ろうと思います。


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「やいづ」乗船実習 出航式 園長あいさつ 

2013年12月02日 10時15分03秒 | 25年度 乗船実習
11月13日(水)に、焼津港を出航してから、早いもので20日が経過しました。
送られてきた主直日誌や写真から、学園生徒が一所懸命に取り組んでいる様子を察することができます。
最後まで、事故もなく、充実した日々を送るよう頑張ってもらいたいと思っています。

(出港式 園長あいさつ 抜粋)

いよいよ今日から、一ヶ月間にわたる実習船「やいづ」での乗船実習が始まります。
今回の実習では、本学園から生徒10名と引率教官2名が乗船させていただき、
鈴木克己船長をはじめ、乗組員の皆様、先生方、専攻科生徒の皆様方に、大変お世話になります。

生徒たちには、日頃から規律ある行動を指導してきたつもりでありますが、
初めての長期航海で、生徒たちに至らぬ点がたくさん、あろうかと思います。
ご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。

この乗船実習は生徒達にとって、入学以来学んできた知識や技術を洋上で試す、集大成の場であります。
船酔いや初めて経験する当直など、乗り越えなければいけない試練が待っています。
学園生徒であるという自覚を持ち、自分に勝つんだという強い気持ちで取り組んでもらいたいと思います。

船の上では、全員が気持ちを一つにして、事に当たらなければ、うまくいきません。
一人ひとりが責任ある行動をとって、初めて仲間意識が生まれると思います。

ぜひ、生徒諸君は、貴重な体験を自分のものにし、色々な人たちに支えられているんだ、
その人たちのためにも頑張るんだという気持ちを持ってもらいたいと思います。
今回の乗船実習では、一生の思い出となる素晴らしい経験をします。

島影も見えない海の広さ、紺碧の海の美しさを自分で体感してください。
船の釣り込み台に立ち、カツオを釣り上げる時の感激を味わってください。
船で仲間と過ごす楽しさを見つけてください。

先生方の話を良く聞き、一ヵ月後には、真っ黒に日焼けした元気な姿で、
一回り二回りも、大きくなった海の男として帰って来てください。

結びに、この一ヵ月間にわたる乗船実習が、生徒たちにとって、この上もない有意義な体験となり、
大きく成長するきっかけとなりますことを、そして何よりも、実習船「やいづ」が実りある実習航海を果たし、
無事帰港できますことを祈念いたしまして、出航にあたっての私の挨拶といたします。

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