静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

水技研職員の授業8 深海生物

2017年07月05日 10時24分54秒 | 学園紹介

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。

今回の講師は深層水科のG科長。
先日、深層水の講義をしてもらいました。
実はこの人、静岡県水産技術研究所の「さかなクン」か「ムツゴロウ」と言うほど生物に博識があります。そこで、今回は「海の深さと海洋生物」のお話しを依頼しました。
「さかなクン」レベルの人は他にもいるんですけど、この人は生物全般に詳しいですよ。
例えば山道を歩いていて、変わった生物がいたらG科長に写真を送ると、すぐに「これは○○」と返事が来ます。本当です!

講義では深海生物を水深別に紹介してくれました。本当に深いところでは魚が発見されていないこと。硫化水素をエネルギーにしている生物。オスがメスの一部になってしまうチョウチンアンコウなど、面白い話しをしてくれました。

8月19、20日は模擬授業も体験できるオープンキャンパスを行います。
事前に申し込みが必要です。
詳しくはホームページをご覧ください。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/harunokengakukai.html
お問い合わせ、お申し込みは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

 【深海生物の特徴】
深海生物が浅海生物なにが違うか?と言うとやっぱり目ですかねぇ。
1000mくらいまでは、かろうじて光が届くのでキンメダイのように目が大きく発達している魚がいます。
それより、深くなるともっとバリエーションがあって、目と言ってもレンズがなく視神経だけだったり、透明な体の中に目が埋没しているものがいたり...
私が卒業論文で扱った「オウムガイ」という深海生物がいます。
イカがカタツムリの殻に胴体をつっこんだようなヘンテコな見た目で、生きる化石とよばれるやつです。


こいつが、キンメダイと同じくらいの水深に生息するくせに目がピンホール(正確にはスリット)なんですよ。集光するレンズがないので、暗い場所では見えないはず。
なにか見えてるの?役に立っているの?ずっと謎です。
進化が止まっているから生きる化石なんですけどね。

 園長のつぶやき
我々のような水産技師は、G科長ほどでなくても、多くが「魚おたく」です。
仕事で魚を扱っているのに、趣味が釣りや魚の飼育だったり。
でも、違う人も少なくありません。
中には、大学の農学部に入学後、専門課程に上がるときに水産学科になってしまった人もいます。
自分が好きな道として大学の水産学部、水産学科を選んだ人もいれば、何の因果か水産になってしまった人もいるわけです。
ましてや、水産技師に就職することになったこともいろいろな経緯があります。
ただし、県の職員になる前のことが、現在の仕事ぶりに結びつかないのが不思議なところ

さて、学園の場合です。
「カツオの一本釣りをしたい」「広い海で遠洋マグロはえ縄をしたい」と明確な将来図を持つ人も、もちろんいます。今では珍しいですが、「家業を継ぐため」と言う人もいます。
また漁業就業の明確な意志はなくて周囲の勧めで来る人もいます。
残念なことに、明確な漁師になる意志があって入学しても、学園で頑張ることができない人も少なくありません。そして、学園で頑張らない人が良い漁師になることは極めてまれです。

私にとって、生徒の過去はどうでも良いことです
志望理由も同じです。
良い漁師になることと、明確な関係はありません。
大事なのは学園に来ることを自分の意志で決めたからには、最後までがんばること
それだけです。
中卒、高卒、大卒と生徒は様々ですが、がんばる中卒者が高卒、大卒を追い抜きます
大型漁船の幹部になるのは簡単ではありません。
でも、自分次第で道が開けるのも事実なのです。

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